「彗星」と「水星」の違いとは?太陽系内の天体の分類まで解説

違いのギモン

みなさんの中で、宇宙に興味のある人は多いのではないでしょうか。

最近も、宇宙を舞台に冒険をするSF映画や、流星群などの天体ショーは、よく話題に上りますよね。

ところで、宇宙に関する言葉である「彗星」と「水星」の違いは分かりますか?どちらも「すいせい」と読みますが、混同してしまう人いるかもしれません。

そこで今回は、そんな「彗星」と「水星」の違いについて解説します。

結論:「彗星」は小天体、「水星」は地球と同じように惑星

「彗星」は、氷やチリからできた小天体のことです。

「水星」は、太陽の最も近くにある惑星です。

太陽系内の天体の分類


太陽系内には、大きさも成分も様々な天体があります。細かな定義は意見が割れていますが、「彗星」と「水星」を理解するために最低限必要な分類の名前だけ紹介します。

  • 惑星:太陽の周りを回る比較的大きな丸い天体の総称。水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星の8つ。
  • 彗星:主にガスや氷から成る小規模な天体の総称。

つまり、「彗星」は「惑星」と同じで、天体を分類する時に使う名称なのです。「水星」は、「惑星」の中の一つといえます。

それでは、次の章から、それぞれ「彗星」「水星」ついて詳しく解説します。

「彗星」をもっと詳しく


「彗星」とは、天体の、分類上の名前です。大部分が氷やガス、チリから構成されています。大きさは数十kmほどで、小さな天体です。

「彗星」が太陽に近づくと、成分の氷やチリが蒸発します。それが進行方向の逆側に、たなびいて光ることによって地球から観測することができるのです。

 

「彗星」の軌道には、円形のものと、円形でないものの2種類あります。

軌道が円形の「彗星」は「周期彗星」と呼ばれ、主に細長い軌道を描いて太陽の周りを回り続けています。

対して、軌道が円形でない「彗星」とは、太陽系内に入った後、放物線を描いて出ていき、二度と帰ってこないものです。


[出典:https://www.nao.ac.jp/astro/basic/comet.html]

この画像は、地球より外にある惑星と、有名な「彗星」の軌道の図です。「彗星」の軌道が細長い楕円形をしていることが分かると思います。

画像にもある「ハレー彗星」は、直径約15kmの彗星です。公転の周期は約76年です。前回の観測は1986年でした。次回は2061年に見ることができます。

 

また、実は「流星群」も「彗星」が原因となって発生する現象なのです。

彗星の通った後には、蒸発したチリが浮遊しています。その軌道上を地球が通ると、大量のチリが一斉に大気内に突入することで、光を放ち、「流星群」として観測されるのです。

例えば、毎年10月頃に見ることができる「オリオン座流星群」は、ハレー彗星の軌道を通ることで発生する流星群です。

「水星」をもっと詳しく


「水星」は、太陽に最も近く、また、最も小さい惑星です。

その直径は2440kmで、地球の直径の6378kmの半分以下です。太陽との距離の近さと、大気の薄さから、昼夜に極端な気温差があります。昼は約500℃に達し、夜になると最低約-200℃まで気温が下がります。

「水星」を観測するのはかなり難しいです。日が落ちた直後と、日が出てくる直前にのみ、見ることができる可能性があります。

「水星」は太陽の近くを回っているため、常に太陽のそばに位置します。そのため、「水星」が空にある時は、たいてい太陽があるので、明るすぎてとても見づらいのです。水星が太陽から最も離れる「最大離角」と呼ばれるタイミングが、水星観測に最も適しています。

まとめ

以上、この記事では、「彗星」と「水星」の違いについて解説しました。

  • 彗星:小天体で、流星群のもととなる。
  • 水星:最小の惑星で、観測がとても難しい。

宇宙に関する言葉で、読み方も全く同じ「彗星」と「水星」ですが、意味は全く違うものです。違いを理解していると、今後の天体ショーの機会により楽しむことできるのではないでしょうか。