「すだれ」と「よしず」の違いとは?効果から使い方まで解説

違いのギモン

日本には四季があり、暑い時もあれば寒い時もありますよね。

そして、暑い時にはエアコンなどを使えば、涼しく快適に過ごすことができます。

しかし、エアコンを使いすぎていしまうと電気代がかさみますし、体調が悪くなってしまうこともあります。

 

なので、エアコンの使用はほどほどにして、他の方法でも涼みたいものです。

そこで役立つのが「すだれ」や「よしず」などの道具です。これらは日光を遮ったりすることで家の中の温度を下げてくれます。

これらの道具は日本で古くから用いられてきて、古来からの日本人の知恵だと言えるでしょう。

 

ところで、「すだれ」と「よしず」では何が違うのでしょうか。意外と知らないという人も多いと思います。

そこで、今回は「すだれ」と「よしず」の違いについて解説していきたいと思います。

結論:「よしず」は「すだれ」の一種

まず、「すだれ」は細く割った竹やヨシなどを並べて糸で編んだものです。

一方、「よしず」は原料にヨシが使われていて、それを並べて糸で編んだものです。

つまり、「よしず」は「すだれ」の一種なのです。

「すだれ」をもっと詳しく

すだれは細く割った竹やヨシなどを並べて糸で編んだものです。

主に、日よけや虫よけ、外から見えないようにするための目隠しなどの目的で使われます。

そして、すだれは主に 2 種類あります。

 

まずは地面に対して横方向に垂らすように使うものです。

これは「かけすだれ」と呼ばれます。

一方、地面に対して縦方向に立てかけて使うすだれもあります。

これは「たてす」と呼ばれます。

 

そして、いまでも竹で作られたものが主流ですが、最近では樹脂など人工の素材でできたすだれも増えてきています。

また、現在ではすだれは小型で窓などに吊るして使うタイプのものが多くなっています。

そして、実際にすだれを設置する時にはカーテンを取り払ってしまい、カーテンレールにひっかけて使うと便利です。

ひもなどで巻き取れるようにすれば、必要のない時には上にあげておくこともできます。

 

そして、よしずに比べると涼しさの面では劣りますが、簡単に設置できるのがすだれです。

ちなみに、すだれはよしずと比べて知名度が高いのでホームセンターでは大型のものも、ヨシでできたものも全てすだれとして売っている場合があります。

また、すだれは漢字では「簾」と書きますが、これは「簀垂れ」が語源になっています。

そして、「簀(す)」という漢字は隙間があって向こう側が見えるような様子を表しています。

 

ちなみに、すだれの歴史は古く、奈良時代あたりから使われています。

そして、万葉集という日本最古の歌集にも登場するほどなじみの深いものであったようです。

その中でも「御簾(みす)」という縁取りがある高級なすだれは公家(くげ)や武家などで室内を仕切るのに使われていました。

「よしず」をもっと詳しく

よしずは原料にヨシが使われていて、それを並べて糸で編んだものです。

そして、「よしすだれ」と呼ばれることもあり、すだれの一種です。海の家などで見ることが多いです。

屋外で立てかけて使うことが多いので、「たてす」の一種です。

ちなみに、よしずも昔はヨシで作られたものしかありませんでしたが、今では樹脂製など人工の素材で作られている場合もあります。

その場合にはすだれに比べて大型であり立てかけるタイプのものをよしずと呼ぶことが多いでしょう。

 

そして、よしずは窓全体を覆うことができ、水をかけて更に冷却効果を高めることも可能です。

ただ、これはヨシが水を吸い、蒸発する時に気化熱で涼しくなるのであって、樹脂製の場合には水をかけてもあまり意味がありません。

また、大型であるため運んだり保管したりするのが大変であり、腐食もしやすいです。

 

そして、よしずの大きさは統一されており、幅は六尺(180cm ほど)であると決められています。

また、高さも尺という単位で管理されており、六尺(180cm ほど)から九尺(270cm ほど)のものが主流です。

窓の大きさより一回り大きいよしずを選ぶとちょうどいいでしょう。

 

ちなみに、よしずも奈良時代から使われていたと言われています。

そして、2m~3m ほどのヨシをシュロ糸で結びつなげて作られていました。

また、昔は川辺などにあるヨシが使われていましたが、現在ではヨシの国内生産量は極端に少なくなってしまい、大半を中国から輸入しています。

 

ちなみに、よしずは漢字では「葦簀」と書きます。これらの漢字は常用漢字ではないので通常はひらがなで表記します。

そして、「簀」には植物の茎を糸で編んだものという意味があります。

また、「葦」は本来は「アシ」と読みますが、この読み方からは「悪し(あし)」が連想され、縁起が悪いため、「良し」が連想される「ヨシ」と読まれることが多いです。

まとめ

以上、この記事では、「すだれ」と「よしず」の違いについて解説しました。

  • すだれ:細く割った竹やヨシなどを並べて糸で編んだもの
  • よしず:原料にヨシが使われていて、それを並べて糸で編んだもの

みなさんも夏には「すだれ」や「よしず」などを活用してみてはいかがでしょうか。

ABOUT US

和佐 崇史
文章を書くこと、読むことが大好きな大学生です。中学2年生で漢検2級を取得するなど、言葉については詳しい自信があります。Webライターとしてはこれまで累計1,000記事以上を執筆してきました。