日本では、縦のシマシマを「ストライプ」、横のシマシマを「ボーダー」と呼ぶ人も多いですが、実はそれは間違いであることをご存知ですか?
そこで今回は、「ストライプ」と「ボーダー」の違いをわかりやすく解説します。
結論:シマシマ模様はすべてストライプ
「ストライプ」をもっと詳しく
ストライプとは「縞模様」の総称を意味します。横のシマシマ、縦のシマシマ、斜めのシマシマ、すべてが「ストライプ」です。
試しに、英単語 “stripes” を Google で画像検索してみると、検索結果は以下のように表示されます。
縦・横・斜めのシマシマはもちろん、複雑なデザインのシマシマも表示されてますよね。これが「ストライプ」なのです。
例えば、アメリカの国旗(星条旗)には横のシマシマが使われていますが、英語表記は “the Stars and Stripes” です。このことからも、ボーダーは横のシマシマではないことが分かりますね。
↑星条旗
また、ストライプには、「ピン・ストライプ」「マルチカラー・ストライプ」「レジメンタル・ストライプ」など様々な種類があり、この呼び方によってストライプの「向き」「太さ」「デザイン」等を見分けているのです。
代表的なストライプの種類・呼び方まとめ
縦縞 | Vertical Stripe (バーティカル・ストライプ) | 参考画像 |
---|---|---|
横縞 | Horizontal Stripe (ホリゾンタル・ストライプ) | 参考画像 |
斜め | Diagonal Stripe (ダイアゴナル・ストライプ) | 参考画像 |
細いストライプ | Pencil(Pin) Stripe (ペンシルまたはピンストライプ) | 参考画像 |
太いストライプ | Block Stripe (ブロック・ストライプ) | 参考画像 |
不規則なストライプ | Irregular Stripe (イレギュラー・ストライプ) | 参考画像 |
マルチカラーストライプ | Multi Color Stripe (マルチカラー・ストライプ) | 参考画像 |
レジメンタルストライプ(※1) | Regimental Stripe (レジメンタル・ストライプ) | 参考画像 |
チョークストライプ(※2) | Choke Stripe (チョーク・ストライプ) | 参考画像 |
リブストライプ(※3) | Rib Stripe (リブ・ストライプ) | 参考画像 |
- レジメンタルストライプ(※1):イギリスの軍旗から誕生した縞模様
- チョークストライプ(※2):チョークで書いたようなぼやけた縞模様
- リブストライプ(※3):織り方・編み方によってできた縞模様
「ボーダー」をもっと詳しく
ボーダーとは、英単語 “border” のことで、「へり」「縁(ふち)」「境界(線)」「国境(線)」を意味します。先にも触れたように、ボーダーに横縞の意味はありません。
同じように、英単語 “border” を Google で画像検索してみると、検索結果は以下のように表示されます。
私たち日本人が想像する “いわゆるボーダー柄(横のシマシマ)” はそこにはなく、縁飾りのような画像が多くヒットします。これが「ボーダー」なのです。
その他、国と国の境目(さかいめ)を意味する「国境」や、物事の境目を意味する「境界線」も同じく、「ボーダー」です。
つまり、ボーダーとは境界線をはっきりとさせるものであり、ストライプのような柄(デザイン)を示すものではないということです。
それではなぜ、私たち日本人はボーダーを横のシマシマと勘違いしてしまったのでしょうか。その答えは洋服のデザインにありました。
以下の靴下のデザインを見てみましょう。
結論から言うと、これはボーダーソックスと呼ばれます。靴下の端っこ(縁)にデザインが入っていることが理由です。海外でも、この靴下は “border socks” で通じるのです。
靴下以外にも、シャツの袖(そで)や襟(えり)の部分にラインが入っていることもありますね。それもボーダーです。
しかし、ある日本人がこれを「ボーダー = 横縞」と勘違いしてしまったのですね。そのことから、日本では横縞のことをボーダーと呼ぶようになったと言われています。
では、以下の靴下はなんと呼ぶのでしょうか。
そうです。ストライプソックス(striped socks)ですね。これは縞模様の靴下だからです。
まとめ
以上、この記事では、「ストライプ」と「ボーダー」の違いについて解説しました。
- ストライプ(stripe):縞模様すべて
- ボーダー(border):「へり」「縁(ふち)」「境界(線)」「国境(線)」のこと
これでもう「ストライプ」と「ボーダー」の違いについて迷うことはありませんね。
試しに、家族や友達に「シマウマの縞模様はボーダー?それともストライプ?」等と聞いてみるのも面白いかもしれません。1つの良い話のタネになることでしょう。