「スパ」の意味とは?英語や類語までわかりやすく解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「スパ」です。

「スパ」の意味・使い方・語源・類義語についてわかりやすく解説します。

☆「スパ」をざっくり言うと……

英語表記スパ (spa)
意味①温泉や鉱泉 ②温泉や鉱泉で療養をする施設 ③癒やしのサービスを提供する施設
語源①ベルギーの温泉都市 “Spa”  ②ラテン語の「水による健康」の頭文字
類義語エステ、ヒーリング、セラピー

「スパ」とは?

スパ(spa):鉱泉や温泉を使って治療をする施設。もしくは健康のためにサービスを提供する施設

「スパ」の意味を詳しく

「スパ」は、温泉に限らず幅広いサービスを含む言葉です。

温泉と鉱泉の「スパ」

日本では、温泉の英語訳としてしばしば “spa” が使われます。もう一つ温泉を意味する英単語として、“hot spring” があります。どちらがよりよい英語訳でしょうか。

“spa” は、鉱泉と温泉の両方の意味を持ちます。ここでは、鉱泉は温度が低いもの、温泉は温度が高いものだと考えてください(ただし、日本の「温泉法」では、低温であっても成分が基準を満たせば温泉に認められます)。

一方、“hot spring” は文字通り「温かい泉」つまり「温泉」のみを意味します。日本人のイメージする熱い温泉は “hot spring” の方が近いでしょう

温泉療養施設としての「スパ」

ヨーロッパでは、温泉だけではなく、温度の低い鉱泉も古くから健康のために利用されてきました。病気やケガの療養にも温泉・鉱泉が伝統的に用いられています。沐浴(もくよく)したり、鉱泉水を飲んだりする方法が一般的です。

現代でも、医師が症状に応じた入浴方法を指示して治療を行う施設や、保険適用の出来る滞在施設があったりします。

日本でも古くから療養目的で温泉が使われてきましたが、ヨーロッパとは使われ方が異なっています。ヨーロッパ的な温泉療法を行う施設を「スパ」と言います

お風呂だけではない「スパ」とは

近年、温泉や鉱泉だけではない「スパ」が広まっています。「スパ」と聞いて、アロマセラピーやオイルマッサージなどを組み合わせた、癒やしのサービスをイメージする人も多いでしょう。

このような「スパ」のあり方を「モダンスパ」と言います。1991年に設立され、モダンスパを提唱する「国際スパ協会(ISPA: International SPA Association)」は、「スパ」の定義を以下のようにしています。

Spas are places devoted to overall well-being through a variety of professional services that encourage the renewal of mind, body and spirit.

[出典:https://experienceispa.com/]

訳すと、「スパとは、精神・身体・霊性の更新を促進する様々な専門的サービスを通して、全体的なウェルビーイングをめざす場所である」となります。

モダンスパは、ヨーロッパ的な温泉療法の流れをくみながら、「ウェルビーイング」という幅広いものを目標とし、温泉や鉱泉以外の様々な方法も取り入れています。

「ウェルビーイング」は日本語に訳すのが難しい言葉です。「良い状態であること」という意味で、心身の健康や幸福を意味します。つまり、病気やケガが治るだけでなく、心も元気になることがスパの目的となっています。

 

医療の発達とともに、「治療」は劇的に進化してきました。そこで、スパに求めるものが変わってきたと言えます。現代のスパには、治療だけではなく「癒やし」が求められています。心身ともに健康であることが目指されるようになり、スパは専門的なサービスだけではなくホスピタリティ(もてなし)も重視されています。

モンダンスパの目指す「ウェルビーイング」も、現代的な考え方だと言えます。ただ病気やケガをしていないだけではなく、心の健康や幸福といったものまで含めた「幅広い意味での健康」を目指す人が増えています。

「スパ」の使い方

  1. 仕事のストレスを癒やしに、週末はスパに行こう。
  2. スパでは、泥パックや半身浴を行い、代謝がよくなった。
  3. 体がすっかり軽くなって、心もおだやかだ。またスパに行きたい。

上の例文のように、日本語として使われる「スパ」はモダンスパを指している場合がほとんどです。

「スパ」の語源

「スパ」の語源はおもに2つの説があります。どちらが正しいかははっきりとしていません。

ベルギーの都市「スパ」

ベルギー東部・ワロン地方に、「スパ」という都市があります。昔から鉱泉で知られた都市で、貴族も療養に訪れていたといいます。

ここにちなんで「スパ」という言葉が生まれたという説があります。

ラテン語由来説

“SPA” は、ラテン語の “Solus Per Aqua” の頭文字を取ってできたという説もあります。

「水による健康」という意味で、元々の温泉や鉱泉を使った療養をよく説明している言葉です。

「スパ」の類義語

「スパ」には以下のような類義語があります。

  • エステ(aesthetic):全身の美容とリラクゼーションを目指すサービス
  • ヒーリング(healing):心理的な安心感である「癒やし」を与えるサービス
  • セラピー(therapy):薬や手術などを行わない療法

スパはこれらの言葉の意味と重なるところが大きいです。

まとめ

以上、この記事では「スパ」について解説しました。

英語表記スパ (spa)
意味①温泉や鉱泉 ②温泉や鉱泉で療養をする施設 ③癒やしのサービスを提供する施設
語源①ベルギーの温泉都市 “Spa”  ②ラテン語の「水による健康」の頭文字
類義語エステ、ヒーリング、セラピー

日常生活に疲れたときは、スパに行って癒されるのもいいかもしれません。