今回ご紹介する言葉は、熟語の「素養(そよう)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・英語訳・「素養」と「素質」「資質」の違いについてわかりやすく解説します。
☆「素養」をざっくり言うと……
読み方 | 素養(そよう) |
---|---|
意味 | かねてから養った力 |
類義語 | 嗜み、心得、素地など |
英語訳 | Knowledge(知識)、ability(技能、能力)など |
「素養」と「資質」「素質」の違い | 「素養」には「生まれ持った才能」という意味はない |
「素養」の意味をスッキリ理解!
「素養」の意味を詳しく
「素養」とは、普段の練習や学習によって身につけた知識や教養、技能などを表す言葉です。
教育や自身の努力などから技術などを習得することを表す言葉であるため、「生まれ持った才能」などの意味はありません。
「素養」は「そよう」と読みます。「素」は「す」とも読めるため、「すよう」と読み間違えないように注意しましょう。
「素養」の使い方
- 彼は小さい頃からピアノを習っているため、音楽の素養がある。
- 生きる上で絵の素養など必要ないと彼は言った。
- 彼には先生になる素養が十分あった。
全ての例文で、「素養」には「努力によって身につけた力」というニュアンスが共通しています。
また、③の例文のような使い方は「彼には先生になる才能があった」という意味と誤解されやすい使い方です。「素養」には「生まれ持った能力」「才能」という意味はありません。使い分けには注意しましょう。
「素養」には以下のように、よく使われる言い回しがあるためご紹介いたします。
- 素養を身につける
- 素養を養う
- 素養を備える
- 素養を深める
- 素養が高い
- ○○的素養
「○○的素養」は「音楽的素養」や「科学的素養」などのように使われます。
「素養」の類義語
「素養」には以下のような類義語があります。
- 嗜み:好み、芸事などに対する心得
- 心得:技術や知識などを身につけていること
- 素地:もととなるもの
- 覚え:技術上の手腕についての自信
- 下地:物事をなすための、また、ある状態になるための基礎となるもの
「下地」は人以外にも、モノなどに対しても使うこともあります。
「素養」の英語訳
「素養」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- Knowledge
(知識) - ability
(技能、能力)
厳密には「素養」の意味とぴったり重なる英語表現はありません。多くの場合、「知識」を意味する、Knowledgeが英語訳として代用されます。
また、abilityも英語訳として使われることがあります。しかし、abilityには「才能」という意味も含まれているため、Knowledgeの方が英語訳としてより適切であると言えます。
「素養」と「素質」「資質」の違い
「素養」と似た言葉に「素質」と「資質」というものがあります。今回はこれらの違いについて簡単にご紹介します。
- 素養:練習や学習によって身につけた力
- 資質、素質:生まれ持った才能
「素質」は生まれつき備わっている性質だけでなく、それが将来的に高いところに進むことが期待できる能力であるという場合に使います。
たとえば、「彼女には芸術家としての素質がある」といった場合は「彼女は芸術家として、将来活躍することが期待できる能力を生まれつき持っている」という意味になります。
「資質」は「生まれ持った才能や性質」という意味で「素質」とほぼ同じ意味です。2つとも「生まれ持った才能」というを表しています。しかし、「資質」には「将来的に、その効果が期待できる性質」といったニュアンスはありません。
「素養」と「素質」「資質」の使い分けは非常に難しいため、この機会にぜひ確認してみてください。
まとめ
以上、この記事では「素養」について解説しました。
読み方 | 素養(そよう) |
---|---|
意味 | かねてから養った力 |
類義語 | 嗜み、心得、素地など |
英語訳 | Knowledge(知識)、ability(技能、能力)など |
「素養」と「資質」「素質」の違い | 「素養」には「生まれ持った才能」という意味はない |
「素養」とは「練習や学習により身につけた力や知識」を意味する言葉です。生まれもった力ではなく後々身につけた力を表します。
似た意味をもつ「素質」「資質」とは、「生まれもった才能かどうか」という点で違いがあるため、使い分けには注意してください。