今回ご紹介する言葉は、故事成語の「其の睹えざる所に戒慎し、其の聞こえざる所に恐懼す(そのみえざるところにかいしんし、そのきこえざるところにきょうくす)」です。
「其の睹えざる所に戒慎し、其の聞こえざる所に恐懼す」の意味、例文、由来、類義語についてわかりやすく解説します。
このページの目次
「其の睹えざる所に戒慎し、其の聞こえざる所に恐懼す」の意味をスッキリ理解!
「其の睹えざる所に戒慎し、其の聞こえざる所に恐懼す」の意味を詳しく
「其の睹えざる所に戒慎し、其の聞こえざる所に恐懼す」とは、立派な人は人に知られていない場合でも道を外れてた行動をしないものだということです。
ちなみに、「戒慎」とは言動を戒めて慎むことです。
また、「恐懼」とは非常におそれてかしこまることです。
「其の睹えざる所に戒慎し、其の聞こえざる所に恐懼す」の例文
- 其の睹えざる所に戒慎し、其の聞こえざる所に恐懼すと言うだろう。いつでも注意だ。
- 其の睹えざる所に戒慎し、其の聞こえざる所に恐懼すだ。常に見られていると考えよ。
- 其の睹えざる所に戒慎し、其の聞こえざる所に恐懼す、という言葉を見習ったらどうだ。
「其の睹えざる所に戒慎し、其の聞こえざる所に恐懼す」の由来
「其の睹えざる所に戒慎し、其の聞こえざる所に恐懼す」の出典は『中庸(ちゅうよう)』という本です。
この本の中に「君子は其(そ)の睹(み)えざる所に戒慎(かいしん)し、其(そ)の聞えざる所に恐懼(きょうく)す。隠れたるより見(あら)わるるは莫(な)く、微(かす)かなるより顕(あきら)かなるは莫(な)し。故に君子は其(そ)の独(ひと)りを慎(つつし)むなり」という言葉が出てきます。
この言葉は「人に隠れて悪事をして、だれも知らないと思うのは誤りで、少なくとも自分は知っている。だから。立派な人は一人でいるときも、人が見ているときと同じように己を慎むのである」という意味を表しています。
ちなみに、この言葉は孔子のものです。
『中庸』とは、儒教で特に大切にされている4つの本のひとつです。
そして、書名のとおり、主に「中庸」の概念について記されています。
ちなみに、中庸とは、中間的であり、偏っていないことを表しています。
「其の睹えざる所に戒慎し、其の聞こえざる所に恐懼す」の類義語
「其の睹えざる所に戒慎し、其の聞こえざる所に恐懼す」には以下のような類義語があります。
- 自反慎独(じはんしんどく):常に自分の行動を反省し、一人でいる時も変わらず慎み深くする
まとめ
以上、この記事では「其の睹えざる所に戒慎し、其の聞こえざる所に恐懼す」について解説しました。
読み方 | 其の睹えざる所に戒慎し、其の聞こえざる所に恐懼す(そのみえざるところにかいしんし、そのきこえざるところにきょうくす) |
---|---|
意味 | 立派な人は人に知られていない場合でも道を外れてた行動をしないものだということ |
由来 | 『中庸』の言葉から |
類義語 | 自反慎独 |
「其の睹えざる所に戒慎し、其の聞こえざる所に恐懼す」はそこまで有名ではない故事成語かもしれません。
しかし、この故事成語はとても勉強になる言葉です。
しっかりと意味を覚えて実践していきたいですよね。
そして、この言葉を友達に教えてあげるのもいいかもしれません。