「サッカー」と「フットサル」の15個の違いとは?ルールも解説

違いのギモン

サッカーとフットサルは同じく扱われがちで、フットサルを「ミニサッカー」と捉えている人も多いのが事実です。

しかし、実際にはかなり違うスポーツで、大きく分けてみても15個の違いがあります。その違いについて一つずつ解説していきます。

ここが違う!「サッカー」と「フットサル」15の違い

①コートサイズの違い

想像がつく人も多いとは思いますが、コートのサイズはサッカーとフットサルでかなり違います。

サッカーは68m×105mであるのに対して、フットサルは20m×40mです(正規サイズ)。面積でいうとフットサルのコートはサッカーの9分の1の大きさになります。

このコートサイズの違いが、それぞれのスポーツを特徴づけているともいうことができます。

②競技者数の違い

実際に試合に出ることができる競技者数は大きく異なり、サッカーは11人、フットサルは5人で行います。サッカーもフットサルも1人はゴールキーパーです。

コートのサイズに関して、フットサルはサッカーの9分の1であるのに対して、競技者数に関して、フットサルはサッカーの約半分となるので、フットサルの人口密度はサッカーと比較をしても非常に高くなります。

③ボールの違い

試合で使用されるボールに関しても、それぞれで非常に大きな違いがあります。

まずは大きさですが、サッカーで使用されるのは5号球という、直径約22cmのボールです。それに対してフットサルでは4号球という、直径約20cmのボールが使用され、サッカーボールより一回り小さくなります。

 

また、ボールの重さもかなり異なります。フットサルボールは、あまりバウンドしないように重めの作りになっています。

これはコートが狭い分、バウンドしやすいとボールが外に出てしまう可能性が高くなるということが理由の一つです。

④競技時間の違い

サッカーとフットサルではプレーが行われる競技時間にも違いが見られます。

サッカーは45分間ランニングタイム、ロスタイムありで行われるのに対して、フットサルは20分間プレーイングタイム、ロスタイムなしで行われます。

 

ランニングタイムとプレーイングタイムは聞きなれない言葉だと思いますので説明します。ランニングタイムは、試合開始から時計を基本的には1度も止めることなく時間を測ります。

しかし、そうするとどうしてもボールが外に出ることや選手交代、怪我人の発生などにより無駄な時間が生まれるため、最後にロスタイムという追加時間が設けられます。

 

それに対して、プレーイングタイムは実際にボールがコートの中にある時間を測るため、ボールが外に出たりファールがあったりするとその都度、毎回時計は止められます。

そのため無駄な時間はなく、フットサルにはロスタイムの制度はありません。

⑤プレーの再開の仕方

ボールがコートの外に出た際の、プレーの再開の仕方にも違いが見られます。

サッカーにおいて、ボールが縦の長い線(タッチライン)を超えた場合、スローインにて試合は再開されます。スローインは、ゴールキーパー以外の選手が試合中に手でボールを触ることができる唯一の機会です。

フットサルにおいては、ボールがタッチラインを超えた場合には、キックインにて試合を再開します。キックインとはボールをタッチライン上(外側25cmまで可)に置いて、足で蹴ることです。

 

また、ゴールが線上にある横の線(ゴールライン)をボールが超えた場合、サッカーにおいては、ゴールキックにて試合は再開されます。

それに対して、フットサルにおいては、ゴールクリアランスという、手でボールを投げることにより試合は再開されます。

⑥選手交代の違い

選手交代のルールにも違いがあります。

サッカーでは交代できる人数は決まっており、基本的には3人までしか交代できません。また、交代するタイミングも、ボールが外に出たり、ファールがあったりした時でなければならず、審判の承諾も必要です。

 

それに対してフットサルでは交代できる人数、タイミング、回数は全て自由であり、審判の承諾も必要ありません。

コートサイズ、競技者数の違いから、フットサルはサッカーと比較して、スピーディーな展開がなされるため、疲労度が凄まじいですが、交代が自由であることから、疲れたらすぐに交代ができ、一旦休むことが可能です。

⑦4秒ルールの有無

フットサルには、サッカーには無い4秒ルールというものが存在します。これは、前述したキックイン、ゴールクリアランスなどにより試合を再開する際に、ボールを投げれる状態、蹴れる状態になってから4秒以内に再開しなければならないというルールです。

ファールがあり、フリーキックにて再開する際、コーナーキックの際にもこのルールは適用されます。審判は手を高く挙げて4秒をカウントするので、選手は審判の手を確認する必要があります。

4秒ルールは、フットサルの特徴であるスピーディーな展開を助長する大切なルールであるといえます。

⑧オフサイドの有無

サッカーには、ゴールキーパー以外の相手選手よりも前でボールに関わってはいけない、オフサイドというルールが存在します。

このルールは非常に細かく規定があり、度々変更されることもあって、実際に現役でサッカーをしている選手も厳密には理解できていないことも多い、ややこしいルールです。

しかし、フットサルにはオフサイドのルールは存在しません。ですので、フットサルでは相手選手よりも前で自由にボールをもらうことができ、ゴール前に張り付いていたとしてもルール上は問題ありません。

⑨タイムアウトの有無

フットサルでは、サッカーには無いタイムアウトという制度があります。

これは試合の途中に試合を1分間中断し、作戦会議をしたり、休んだりすることができる制度です。前半と後半各チーム1回ずつ、この制度を申し出ることができます。

この制度により、フットサルでは流れが悪い時に、1度話し合うことができ、悪い流れを断ち切ることもできます。

⑩バックパスの禁止の有無

サッカーでは、ゴールキーパーに対して、ボールを戻すこと(=バックパス)ができ、パス回しにゴールキーパーが関わることができます。足で蹴られたバックパスは手で触ることはできないので注意は必要です。

それに対して、フットサルでは、バックパスは基本的には禁止されています。

ゴールキーパーが1度もボールに触れていない場合や、相手がボールに触れた場合には、バックパスをすることができますが、サッカーと比較すると、バックパスを受ける回数は少ないです。

⑪第2PKの有無

フットサルには特有の第2PKというルールが存在します。これは、チームの反則の合計が5個になった場合、6個目のファールから、相手チームに対して第2ペナルティーマークからの直接フリーキックが与えられるというルールです。

第2PKの場合、守備側は壁を作るなどの守備をすることができず、ゴールキーパーが止めるか、相手チームが外すかに賭けるしかありません。ファールの数は、前半終了後にリセットされます。

ファールの数が多いと、相手チームに対して大きなチャンスを与えてしまうことになるため、注意が必要です。

⑫退場の際の選手の補充の有無

サッカーもフットサルも、レッドカード、イエローカードによる警告、退場のルール自体は全く一緒で、退場した選手は試合に戻ることはできません。しかし、退場後の選手の補充ができるかどうかには違いがあります。

サッカーは退場後、その人数のまま試合終了まで戦わなければならないのに対して、フットサルでは退場の2分後、もしくはゴールが決められたら選手を補充することができます。

つまり、2分間耐えることができれば、不利な状況から脱することができるのです。しかし、サッカーと比較してフットサルは人数の差は大きなハンデになるため、2分間耐えることは容易ではありません。

⑬攻守の役割分担

サッカーとフットサルでは、攻撃と守備の役割分担という点でも違いが見られます。

サッカーでは、大きなコートをポジションという形で役割分担をして、基本的には、主に攻撃をする人、守備をする人、攻撃も守備もする人などと分かれています。

 

しかし、フットサルはコートが狭いこともあり、一応のポジションはあるものの、基本的には全員攻撃、全員守備という考え方に基づいています。

全員で攻撃も守備も行わなければ、数的不利が生まれ、失点にも直結してしまいます。この点から考えると、フットサルは、バスケットボールや、ハンドボールにも近いスポーツであることがうかがえます。

⑭手軽さの違い

フットサルはサッカーと比較して、コートが狭く、人数も少ないということもあり、手軽に楽しむことができるスポーツとして認識されつつあります。

コートが狭い分、手軽に建てることができるため、コートの数も年々増えており、5人いれば1チームとして機能するので、気軽に人数も集めることができます。

このフットサルの手軽さも相まって、フットサルの競技人口も年々増加しています。

⑮日本におけるプロリーグの有無

プロ選手とは様々な定義がなされますが、基本的には、スポーツを職業としてお金を稼ぎ、生活する選手を指します。

サッカーではJリーグというプロリーグが存在し、所属選手はプロ選手として、サッカーを職業として、お金を稼ぎ、生活をしています。

 

フットサルにはFリーグという全国リーグが存在するものの、プロリーグではありません。所属選手は基本的にはフットサルとはまた別で仕事をしており、フットサルだけで稼ぐ選手はわずか一部です(名古屋オーシャンズのみ完全プロクラブ)。

まだまだフットサルは観るスポーツとしての人気は高くないのが現状で、完全プロ化はされていません。

まとめ

以上、この記事ではサッカーとフットサルの15個の違いについて解説をしました。

  1. コートサイズの違い:フットサルコートはサッカーコートの9分の1
  2. 競技者数の違い:サッカーは11人、フットサルは5人
  3. ボールの違い:サッカーは5号球、フットサルはバウンドしにくい4号球
  4. 競技時間の違い:サッカーは90分ランニングタイム、フットサルは40分プレーイングタイム
  5. プレーの再開の仕方の違い:フットサルはスローインではなくキックイン、ゴールキックではなくゴールクリアランス
  6. 選手交代の違い:フットサルは交代自由
  7. 4秒ルールの有無:フットサルは4秒ルールがある
  8. オフサイドの有無:フットサルにはオフサイドが無い
  9. タイムアウトの有無:フットサルではタイムアウトが取れる
  10. バックパスのルールの違い:フットサルではバックパスは原則禁止
  11. 第2PKの有無:フットサルでは6回目のファールから相手チームに第2PK
  12. 退場後の補充の有無:フットサルでは退場しても2分間後、もしくはゴールを決められたら選手を補充できる
  13. 攻守の役割分担の違い:フットサルは全員攻撃、全員守備が原則
  14. 手軽さの違い:フットサルはサッカーよりも手軽にできる
  15. プロリーグの有無:フットサルのFリーグは完全プロリーグではない

フットサルはどうしても「ミニサッカー」と捉える人も多いとは思いますが、サッカーと比較すると、実はこんなにも多くの違いがあるのです。