日本語にはたくさんの似ていてまぎらわしい言葉がありますが、「匂い」と「香り」もその1つだと思います。私たちはこの2つの言葉を無意識のうちに使い分けていますが、多くの人は使い分けのルールについて知らないと思います。
なので、日本語を勉強している外国人などに「匂い」と「香り」の違いについて聞かれると困ってしまうのではないでしょうか。
そこで、今回はそんなまぎらわしい「匂い」と「香り」の違いについて解説していきたいと思います。
結論:匂いは良いものにも悪いものにも使い、香りは良いものにだけ使う
一方、香りという言葉は良いものの時にしか使うことができません。
「匂い」をもっと詳しく
匂いという言葉は実は、それが快いものであっても、快くないものであっても使うことができます。つまり、嗅覚で感じ取れるもの全てを「匂い」という言葉で表すことができるのです。
しかし、匂いという言葉は「いい匂い」と使うことが多く、一般的には良い意味で使われることが多いでしょう。また、昔の文章や、古めかしい文章などでは趣があるものに対して「匂い」という言葉を用いることもあります。
ちなみに、「匂い」ををカタカナにすると「ニオイ」になりますが、「ニオイ」の場合には好ましくないものを指す場合が多いでしょう。どちらかというと「臭い」というイメージです。
また、「匂」という漢字は中国から伝わってきたものではなく、日本で生まれた漢字です。もともと中国では嗅覚で感じ取れるものは「臭」という漢字で全て表していましたが、これでは表現できない日本独特のにおいの感覚を表すために「匂」という漢字が生まれたのです。
ちなみに、「臭い」には「におい」という読み方もあり、嗅覚で感じ取れるもののうち快くないものという意味ですが、会話では「匂い」と「臭い」が区別できないので注意して使っていきたいですね。
もっとも、会話で「臭い(におい)」という表現を使う人はあまりいないと思いますが。
「香り」をもっと詳しく
香りとは嗅覚で感じ取れるもののうち、快いもののことを表します。また、「匂い」と表現するよりも高級な印象になります。
例えば、「ラベンダーのすがすがしい匂い」と「ラベンダーのすがすがしい香り」では、後者のほうが高級で上品というイメージになりますよね。
このように、「香り」はとても快く感じられるものだけを表す言葉なのです。
まとめ
以上、この記事では、「匂い」と「香り」の違いについて解説しました。
- 匂い:快いものの時にも、悪いものの時にも使うことができる
- 香り:良いものの時にしか使うことができない
「匂い」は快くないものも示すという事実は意外だったという人も多いのではないでしょうか。快いものを表す時には「香り」と表現したほうが無難と言えるでしょう。