「若干」と「弱冠」の違いとは?ハタチを表すのはどっち?使い方も解説

違いのギモン

「若干」と「弱冠」は両方とも「じゃっかん」と読みますが、意味は明確に異なります。しかし、使うべき場面を混同してしまいがちな言葉です。皆さまは、両者の違いをご存知でしょうか。

今回は、「若干」と「弱冠」の違いについて解説します。

結論:「若干」は数が少ないこと、「弱冠」は若いこと

「若干」とは、それほど多くはない数量のことを指す言葉です。

一方、「弱冠」とは、元は 20歳の男子を指す言葉で、転じて年が若いこと意味するようになった言葉です。

「若干」をもっと詳しく


「若干」とは、明確な値には言及しないものの、それほど多くはない数量のことを指します。「若」という字があるからといって若いことを指す言葉ではありません。

「若干」の若は「ごとし(若し)」と読んで「~のようである」という意味を持ち、「若干」の干は一と十に分解できます。「一のごとく、十のごとし」、つまり「一のようであり十のようでもある」という、はっきりしないがそれほど多くないこと指すこの表現が「若干」の由来であると言われています。

また、「若干」には、たいしたことのない程度を指す用法もあります。

「若干」の使い方の例

  1. その水には塩が若干量含まれている。
  2. 若干名の正社員を募集する。
  3. その話には若干興味がある。

➊と➋は数量について、➌は程度についての表現です。

「弱冠」をもっと詳しく


「弱冠」とは、20歳の男子という意味を元々持ち、転じて年が若いことを指すようになった言葉です。「弱冠」は、中国からきた言葉です。

古代の中国では、20歳の男子のことを「弱」と言い、また成人の儀式の際に弱は冠を被るという習わしがありました。そのため、20歳の男子を指す言葉として「弱冠」が使われるようになりました。

 

そして、年が若いことを指す広い意味の言葉になりました。例えば、「弱冠 18歳にして、偉業を成し遂げた。」のように、若さとのギャップが目立つ功績について言及する際に使われます。

ただ、意味が広がったとはいえ、何歳から何歳の人に対して「弱冠」を使ってよいのか、また女性にも使ってよいのかという部分に関しては様々な意見があります。

「弱冠」の使い方の例

  1. 弱冠の時より成長した。
  2. 弱冠 25歳にして社長に昇りつめた。
  3. 弱冠の青年にしては威厳があった。

まとめ

以上、この記事では、「若干」と「弱冠」の違いについて解説しました。

  • 若干:それほど多くない数量のこと。
  • 弱冠:20歳の男子のこと。転じて、年が若いこと。
数量が少ないことが「若干」で、年が若いことが「弱冠」ですが、若いという字があるために、後者の意味で「若干」を用いるなどの間違いが珍しくありません。それぞれの言葉の由来も合わせて覚えておけば、使い分けもしやすくなるでしょう。