「市井」の意味とは?使い方から英語や類義語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「市井(しせい)」です。

言葉の意味・使い方・語源・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「市井」をざっくり言うと……

読み方市井(しせい)
意味人が多く集まり住む所・人が生活する社会
語源昔、中国で、井戸のあるところに人家が集まり市ができたから、あるいは、市街では道が井の字をしていることから。
類義語巷、世間、世の中、公の場、街 など
英語訳the town/the street(市井・街)

「市井」の意味をスッキリ理解!

市井(しせい):人が多く集まり住む所

「市井」の意味を詳しく

「市井」とは、「人が多く集まり住む所」「人が生活する社会」という意味の言葉です。

「市」という漢字には、「人の多く集まる賑やかな所」という意味、「井」という漢字には、「井戸のある(人家のある)場所」という意味が含まれています。

この2つの漢字から成る「市井」は、巷・世間・市街地・社会・世の中などを幅広く指します。

「市井」というと、苗字として見覚えがある方も多いのではないでしょうか。苗字として読む場合、「しせい」ではなく「いちい」と読むことがほとんどであるため、注意が必要です。

「市井」の使い方

  1. この街は小さいから、彼女のことは市井で既に話題になっている。
  2. そのゲーム機は市井で今流行っている。
  3. やはり芸能人には市井の人とは違うオーラがあるな。

①の「市井」は、「街」「巷」などを意味しています。街のある一定のコミュニティーで噂になったり、話題になったりした際に「市井で噂になる」「市井で話題になる」と表現します。

②の「市井」は、「世間」「世の中」「社会」などを意味しています。「市井」は多くの意味を包括しているので、「街」のことなのか、もっと広く「世間」のことなのか、文脈からニュアンスで規模感を把握しなくてはなりません。

③のように、「市井の人」という表現もよく用いられます。「市井の人」とは、市中に住む人、つまり「大衆」や「庶民」、「一般市民」を指す言葉です。「市井の人」と同じ意味で、「市井の臣(しせいのしん)」という言葉も使われます。

 

他にも、「市井」を使った表現として、「市井の徒」という言葉があります。「徒」とは、市民や庶民を指す言葉ですが、上記の2つとは異なった意味になるので注意しましょう。

「市井の徒」とは、「市中の無頼の徒(無頼の市民)」という意味です。「無頼の(ぶらいの)」とは、「ならず者」を意味するため、「市井の徒」は「街にいる素行の悪い人」のことを指します。

「市井」の語源

昔、中国で、井戸のあるところに人家が集まり市ができたから、あるいは、市街では道が井の字をしていることから「市井」という言葉が生まれたとされています。

「市井」の類義語

「市井」には以下のような類義語があります。

  • 巷(ちまた):世間・世の中
  • 世間(せけん):人々が互いに関わりあって生活している場
  • 世の中(よのなか):人々が集まり生活の場としているこの世
  • 公の場(おおやけのば):自分の家や特定の個人だけの所有地ではないような場所
  • 街(まち):人が多く集まり住んでいる所

「市井」の英語訳

「市井」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • the town
  • the street
    (街・市井)

「市井の人」は townspeople, common  people などと表現します。

まとめ

以上、この記事では「市井」について解説しました。

読み方市井(しせい)
意味人が多く集まり住む所・人が生活する社会
語源昔、中国で、井戸のあるところに人家が集まり市ができたから、あるいは、市街では道が井の字をしていることから。
類義語巷、世間、世の中、公の場、街 など
英語訳the town/the street(市井・街)

そもそも読み方が難しい「市井(しせい)」という言葉ですが、街や社会、世の中といった意味を幅広く指すことがわかりました。

「市井の人」「市井の徒」など、似たような表現もたくさんありますが、文脈によってどの意味が当てはまるのか推測しながら、正しい使い方を理解しましょう。