今回ご紹介する言葉は、熟語の「辛辣(しんらつ)」です。
言葉の意味・使い方・ネット用語としての使い方・語源・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「辛辣」をざっくり言うと……
読み方 | 辛辣(しんらつ) |
---|---|
意味 | 極めて厳しい言葉や表現のこと。また、味が非常に辛いこと。 |
語源 | 「舌がヒリヒリするほど辛い」という意味から |
類義語 | 痛烈、苛辣、酷烈など |
対義語 | 穏和、柔和など |
英語訳 | harsh(手厳しい)など |
このページの目次
「辛辣」の意味をスッキリ理解!
「辛辣」の意味を詳しく
「辛辣」には以下の2つの意味があります。
- 言葉や表現などが、極めて厳しいこと
- 味が非常に辛い
この意味になる理由は、「辛辣」の漢字の意味を考えてみるとわかりやすいと思います。
「辛辣」の漢字の意味は、それぞれ以下のとおりです。
- 辛:味が辛い・厳しい
- 辣:味が辛い・厳しい
「辛辣」は「味が辛い」「厳しい」という意味を持つ漢字を2つ並べてできた熟語なのです。
同じ意味の漢字を並べて「厳しい」と「辛い」の意味を強調しています。
ちなみに、「辛辣」はもともと「味が非常に辛い」が主な意味でしたが、現在では「言葉や表現などが、極めて厳しいこと」という意味で使われることがほとんどです。
「辛辣」とは、容赦なく厳しい言葉や表現のことを指します。
しかし、意地悪や理不尽なクレームなど、悪い言葉・攻撃的な言葉を指すのは間違いなので注意が必要です。
「辛辣」には悪意が込められているわけではなく、感じたことをストレートに表現しているだけなのです。
「辛辣」の使い方
- その評論家は辛辣さが買われて、多くのテレビから引っ張りだこだ。
- それほど辛辣な言葉を使わなくても、言い方は他にあるでしょう。
- このラーメンは、数種類の唐辛子を使った辛辣なスープが特徴です。
上記の例文のように、「辛辣」は「辛辣さ」「辛辣な」などの表現で使われることが多いです。
そして、「辛辣な」の後には「態度」「言葉」などの表現が続くことが多いです。
❶の例文の「辛辣」は、「言葉や表現などが、極めて厳しいこと」という意味で使われています。評価などをする際に使われます。
❷の例文の「辛辣」も「言葉や表現などが、極めて厳しいこと」という意味ですが、こちらは「むごい」というニュアンスが含まれます。
評価だけでなく、話す時の言葉づかいのことを辛辣と表現することもできるのです。
❸の例文の辛辣は、「味が非常に辛い」という意味で使われています。
「辛辣」のネット用語としての使い方
上記で述べたとおり、「辛辣」はストレートな物言いのことを指し、悪口や攻撃的な言葉のことは指しません。
しかし、2chなどのネット上では、誰かを誹謗中傷するような言葉に対して「辛辣で草」などのレスがつけられることがあります。
これは本来誤用なのですが、実際に使われていることも多いので注意しましょう。
「辛辣」の語源
「辛辣」は、中国語に由来します。
中国語にも「辛辣(xīnlà)」という単語があり、こちらも「味が辛い、厳しい」という意味で使われています。
「辛辣」は、同じ意味の漢字を重ねることで、より「辛いこと」を強調しています。
その「舌がヒリヒリするほど辛い」という表現が転じて、「言葉が厳しい」という意味でも使われるようになりました。
「辛辣」の類義語
辛辣には以下のような類義語があります。
- 痛烈(つうれつ):批判などが非常に厳しいこと
- 苛辣(からつ):厳しく、激しいさま
- 酷烈(こくれつ):容赦(ようしゃ)がなく、激しいこと
- 酷評(こくひょう):批評が手厳しいこと
- 苛烈(かれつ):むごいほど厳しいさま
- 容赦(ようしゃ)ない:手加減がないこと
- 歯に衣着せぬ:遠慮なくハッキリと物を言うこと
- 峻険(しゅんけん):態度が厳しいこと
「辛辣」の対義語
「辛辣」には以下のような対義語があります。
- 穏和(おんわ):優しく穏やかなこと
- 柔和(にゅうわ):性格や態度がやわらかいこと
- 穏やか:落ち着いていて静かなこと
- 優しい:態度などが静かで素直なこと
- 物腰柔らか:態度や言葉がやわらかなこと
「辛辣」の英語訳
辛辣を英語に訳すと、次のような表現になります。
- harsh
(手厳しい) - cutting remark
(厳しい意見) - bitter
(痛烈な)
英語訳①:harsh
最もよく使われる英語訳が、 “harsh” です。
“I was too harsh.(ちょっと強く言い過ぎました)” のように、会話でもよく使われます。
人に対して「厳しい」という場合は、 “harsh on~” のように“on” をつけましょう。
「厳しい」という意味の英語には “strict” もありますが、 “harsh” とはニュアンスが異なります。
“strict” は「ルールなどの縛りが厳しい」という意味です。
一方で、 “harsh” は「人の態度や、物事の度合いが厳しい」場合に使用します。
英語訳②:cutting remark
“cutting” は、単体で見ると「切断」や「冷たい」など様々な意味を持ちます。
そのため、「辛辣」の場合は、 “remark” や “word” など言葉に関する単語とセットで使うようにしましょう。
英語訳③:bitter
「辛辣」の「味が非常に辛い」という意味の類義語には “bitter” などが挙げられます。
まとめ
以上、この記事では「辛辣」について解説しました。
読み方 | 辛辣(しんらつ) |
---|---|
意味 | 極めて厳しい言葉や表現のこと。また、味が非常に辛いこと。 |
語源 | 「舌がヒリヒリするほど辛い」という意味から |
類義語 | 痛烈、苛辣、酷烈など |
対義語 | 穏和、柔和など |
英語訳 | harsh(手厳しい)など |
テレビや本などで、「辛辣」はよく使われます。
意味と漢字をしっかり覚えて、日常の会話の中や、文章を書く時にも使うことができるといいですね。