「至急」と「早急」と「緊急」の違いとは?意味から使い方まで解説

違いのギモン

みなさんは急いでいることを何と表現しますでしょうか。

いろんな表現方法があると思いますが、「至急」や「早急」や「緊急」などの言葉を使う人が多いのではないでしょうか。

 

ところで、「至急」と「早急」と「緊急」はどれも同じような意味を表していますが、実は意味に違いがあります。

そして、その違いをご存じないという人も多いのではないでしょうか。

しかし、これらの言葉はビジネスの場面でも登場するので、違いを知っていないと思わず失礼な表現をしてしまうかもしれません。

そこで、今回は「至急」と「早急」と「緊急」の違いについて解説していきたいと思います。

結論:ニュアンスが違う

まず、「至急」は大急ぎでほかの何よりも先に行わなければならないことを表しています。

次に、「早急」は非常に急なことを表していますが、至急よりは緊急性が低いです。

そして、「緊急」は急がないと身の危険がある場合に用いられます。

つまり、「至急」と「早急」と「緊急」ではニュアンスが異なるのです。

「至急」をもっと詳しく

「至急」は大急ぎでほかの何よりも先に行わなければならないことを表しています。

まずは漢字の意味から「至急」の意味について考えていきましょう。

まず最初に、「至」は「いきつく」という意味を表しています。

次に、「急」は「いそぐ」という意味になります。

ここから、「至急」は「(ほかの何よりも)いそいでいきつく(べきこと)」という意味になると言うことができます。

 

そして、「至急」は相手をせかす表現なので、本当の緊急事態の時にだけ用いるべきでしょう。

もしこれを頻繁に使ってしまうと、たいして急ぎでないのだと思われ、後回しにされてしまうこともあるので注意が必要です。

そして、「至急」は日常生活からビジネスシーンまで幅広く使える言葉です。

 

また、表題などとして、「至急」という言葉だけを強調して表現する場合もあります。

例えば、「【至急】昨日の取引先からの電話について」などのように使います。

また、「大」をつけて「大至急」にするとさらに緊急性が増すので、本当に急いでいる時にはおすすめの表現です。

「至急」の使われかたの例

  1. 明日のイベントの件についてお伝えしたいことがあるので、至急折り返し電話をください。
  2. このままでは間に合わないから、大至急タクシーを手配してほしい。

「早急」をもっと詳しく

「早急」は非常に急なことを表していますが、至急よりは緊急性が低いです。

ちなみに、「早急」は「さっきゅう」と読まれることもあれば、「そうきゅう」と読まれることもあります。

そして、「さっきゅう」が正しいとされる場合もありますが、確証はなく、どちらの読み方も間違いではありません。

 

ちなみに、「早急」の「早」は「はやくする」という意味を表しています。

また、「急」は「いそぐ」という意味です。

よって、「早急」は「いそいではやくする」という意味だと言うことができます。

 

そして、「早急」はかしこまった場面で使われることが多いでしょう。

そのため、日常会話などではあまり用いられません。

また、「早急に」「早急な」などの表現で、文面で用いられることが多いでしょう。

「早急」の使われかたの例

  1. 昨日の事故については早急な対応が求められる。
  2. この仕事は期限が近いので、早急に行ってほしい。

「緊急」をもっと詳しく

「緊急」は急がないと身の危険がある場合に用いられます。

ちなみに、「緊急」の「緊」は「差し迫っている」という意味です。

また、「急」は「いそぐ」という意味を持っています。

つまり、「緊急」とは「差し迫っていそぐ」という意味であると言うことができるのです。

そして、「緊急」はどちらかというと文面で用いられることが多いですが、日常会話などでも普通に使われます。

「緊急」の使われかたの例

  1. 緊急事態が発生した。
  2. 緊急の用件があったので、本日は事前に連絡することなくお伺いさせていただきました。

まとめ

以上、この記事では、「至急」と「早急」と「緊急」の違いについて解説しました。

  • 至急:大急ぎでほかの何よりも先に行わなければならないことを表す
  • 早急:非常に急なことを表していますが、至急よりは緊急性が低い
  • 緊急:急がないと身の危険がある場合に用いられる

「至急」と「早急」と「緊急」は入れ替えて使うことができる場合もありますが、入れ替えると意味が変になってしまう場合もあります。

使いわけに注意していきたいですね。

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和佐 崇史
文章を書くこと、読むことが大好きな大学生です。中学2年生で漢検2級を取得するなど、言葉については詳しい自信があります。Webライターとしてはこれまで累計1,000記事以上を執筆してきました。