日本語には、同音異義語と呼ばれる、「発音は同じだけれど表記・意味が違う」言葉が沢山あります。どれを使えばよいか迷ってしまうことも多くありますよね。
今回は、その一つである「思考」と「志向」について違いを見ていきます。
結論:思考は考える、志向は目指す
対して「志向」は何かを目指している気持ちに対して使われる言葉です。
「思考」について詳しく
それではもう少し詳しく見ていきましょう。
まず「思考」ですが、こちらは皆さんも日常生活の中でよく見かけ、使う言葉だと思います。
こちらの辞書的意味は「考えること、経験や知識を基にあれこれと頭を働かせること」になります。
考えることそのものを指す言葉です。
- 思考を巡らせる
- 思考回路
のように使われます。
「志向」について詳しく
対して、「志向」という言葉はあまり使ったことのない方もいると思います。
辞書には「意識が一定の対象に向かうこと、考えや気持ちがある方向を目指すこと」と書かれています。
こちらも考えることに関連した言葉ですが、その中でも何かを目指す考えのことを指しています。
- 芸術家を志向する
- 健康志向の食事
このように、目指すという言葉と同じような場面で使われることが多くみられます。
また、「志向」と似た使い方をする言葉として「指向」があります。こちらも同音異義語ですね。
この二つはどちらも向きのことを指す言葉ですが、「志向」は気持ちの向きを表しています。
対して「指向」は気持ちや考えではなく、物理的な方角や物を指すときに使用するので、間違えないように注意しましょう。
プラス思考?プラス志向?
さて、世の中には「プラスしこう」という言葉があります。ここではどちらの「しこう」を使えばよいでしょうか?
結論としては、どちらも間違いではありません。
ここまででも述べたように、思考は「考えること・考え」、志向は「気持ちがなにかを目指すこと」なので、どちらでもこの場合意味としておかしくはありません。
しかし英語で「ポジティブシンキング」とも言うことから、thinkingの意味を持つ「思考」を使った方がより適切だという説もあります。
また、一般的には「プラス思考」と書かれることのほうがかなり多くあります。
よって、ここの場合は「プラス思考」と書いておけば心配はなさそうです。
まとめ
以上を踏まえて改めて確認してみましょう。
- 「思考」:考えること。
- 「志向」:目指すこと。
二つの言葉の違いがわかったでしょうか?
言葉の意味をしっかり考えて、それぞれの場面で使い分けてみてください!