「至極」の意味とは?読み方は?使い方から類語や英語や対義語まで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「至極(しごく)」です。「至極もっともな意見」などの形で見かけたことのある方は多いでしょう。また、「すごく」とニュアンスが似ており、使い分けに困ったことのある方もいるのではないでしょうか。

以下では、「至極」の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「至極」をざっくり言うと……

読み方至極(しごく)
意味最上のところへ達すること
類義語最高、極度、極々など
対義語平凡、凡庸など
英語訳supreme(最上の)

「至極」の意味をスッキリ理解!

至極(しごく):最上のところへ達すること

「至極」の意味を詳しく

「至極」は、「至」と「極」という2つの漢字から構成されています。

「至」は、「いたる」「ゆきつく」と読み、「行きついてその先がない」という意味で用いられています。「至」という漢字を含む単語には、「必死」「至高」等の単語があり、単語の意味を強める役割をしています。

「極」は、「きょく」や「ごく」、「きわめる」と読み、「やり尽くす」という意味をもちます。この漢字を含む単語には、「極限」「極秘」等があります。

この似た意味の2つの単語から、極めるという意味を強め、「至極」は、この上ないことという意味をもちます。

「至極」と「凄(すご)く」との違い

「至極」と似た響きをもつ語として、「凄く」があります。「至極」は「しごく」と読み、「凄く」は、「すごく」と読むため、響きは似ていますが、意味は異なります。

「至極」は、「この上ない」や「きわめてもっともなこと」という意味を持ちますが、「凄く」は、「程度がはなはだしく、普通ではない」という意味をもちます。つまり、「至極」は最果てのニュアンスを持ちますが、「凄く」はあくまで相対的に抜きんでているにとどまるのです。

響きは似ていますが、混同してしまわないよう、しっかりとそれぞれの語の意味を理解して使いましょう。

「至極」の使い方

  1. 至極もっともなことを言われ、黙ってしまった。
  2. こんな時間に連絡してくるなんて、迷惑至極だ。
  3. お褒めをいただき、至極光栄です。

①の例文で、「至極」は、「この上ない」という意味で用いられており、後に続く「もっともなこと」を強調しています。②の例文の「迷惑至極」は、「迷惑なことこの上ない」という意味です。「~至極」という表現はよく使われ、他にも「恐悦(きょうえつ)至極」(この上なく喜ばしいこと)といった言い回しがあります。

「至極」の類義語

至極には以下のような類義語があります。

  • 最高(さいこう):程度が最も高いこと
  • 極度(きょくど):程度の甚だしいさま
  • 極々(ごくごく):程度の甚だしいさま
  • 大層(たいそう):程度が著しいさま
  • 格段(かくだん):特別に程度が著しいこと
  • 千万(せんばん):非常に数が多いこと

②の例文で紹介した「迷惑至極」は、類義語の「千万」を用い、「迷惑千万」とも言い換えられます。

「至極」の対義語

至極には以下のような対義語があります。

  • 平凡(へいぼん):ありふれていること
  • 凡庸(ぼんよう):優れた点もなく平凡なこと

「至極」が「極めて程度が高いこと」を表すのに対し、これらの語は、「程度が一般的で目立った要素がないこと」という意味で、「至極」の対義語となっています。

「至極」の英語訳

至極を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • supreme
    (最上の)
  • very
    (非常に)
  • extremely
    (極端に)
  • You are quite right.(至極もっともです。)

まとめ

以上、この記事では「至極」について解説しました。

読み方至極(しごく)
意味最上のところへ達すること
類義語最高、極度、極々など
対義語平凡、凡庸など
英語訳supreme(最上の)

「至極」は、文章や単語の意味を強める言葉として用いられ、別の単語と合わせて、1つの単語として使われる場合もあります。「凄く」と発音やニュアンスが似ていますが、とりわけ何かを強調したい際には「至極」を用いると覚えておきましょう。

また、類義語も多いため、文章に合う単語を選んで使いましょう。