「蒐集(しゅうしゅう)」とは?意味と使い方を例文付きでわかりやすく解説

言葉

蒐集(しゅうしゅう)とは「ものを集めること」という意味です。

ただ集めるだけではなく、主に趣味で熱心に何かを集めているときに使います。

難しい漢字が使われているため、意味を知らないと戸惑ってしまいますよね。また、似たような言葉「収集」との違いも気になるのではないでしょうか。

今回は、蒐集の意味や使い方に加え、収集との違いなどについても解説します。

☆「蒐集」をざっくり言うと……

読み方蒐集(しゅうしゅう)
意味ものを集めること
語源集めるを意味する漢字「蒐」+「集」から
類義語コレクション
採集
英語訳collecting(集めること)
collection(コレクション)

「蒐集」の意味

蒐集しゅうしゅう

  1. ものを寄せ集めること
  2. (趣味や研究などのために)ものを集めること

蒐集とは、ものを集めることを指します。

収集とまったく同じ意味になります。

ただし、あえて蒐集という漢字を使う場合は、ほぼ②の「趣味などのためにものを集めること」を表しています。

「蒐集」と「収集」の違い


蒐集と収集の使われ方には、以下の違いがあります。

「蒐集」と「収集」の使われ方の違い
  • 蒐集
    (趣味や研究などのために)ものを集めることを指して使われる
  • 収集
    ものを集めること全般を指して使われる
どちらも辞書上では同じ意味ですが、現代では特に「趣味でやっている」という点を強調したいときに蒐集を使います。

これは、収集という漢字の由来が影響しています。

「収集」の由来
  1. もともとは蒐集という漢字が使われていた
  2. 「蒐」が常用外の漢字になったため、「収集」になった
そのため、現在では一般的に使いたいときは「収集」を使い、あえて趣味であることを強調したいときにのみ「蒐集」を使うことが多いです。

「蒐集」の使い方


蒐集は、以下のような単語やフレーズで使われます。

「蒐集」を含む単語やフレーズ
  1. 蒐集
  2. 蒐集する
  3. 蒐集癖(しゅうしゅうへき)
  4. 蒐集品
  5. 蒐集家(しゅうしゅうか)
それぞれ詳しく見ていきましょう。

使い方①:蒐集

蒐集は、蒐集という言葉単体でもよく使われます。

使う場合は「〇〇の蒐集」というフレーズで使われることが多いです。

例文
私は、切手の蒐集が趣味でね。

使い方②:蒐集する

蒐集は、蒐集するという動詞形でもよく使われます。

もちろん、活用して「蒐集した」「蒐集すれば」などの形でも使えます。

例文
各国の硬貨を蒐集するのが好きだ。

使い方③:蒐集癖

蒐集癖とは、やたらと何かを集めたがる癖や趣味のことを言います。

単純に好きなものを集めたいという気持ち以上に、「何かをコレクションする」ことそのものが好きな場合に使います。

例文
彼女の蒐集癖には困ったもんだよ。

使い方④:蒐集品

蒐集品とは、集められたものそのもののことです。

ただし、蒐集という言葉が「趣味でものを集めること」を指して使われるため、こちらもやはり「ただ集めたもの」ではなく「趣味のために労力を投じて集めたもの」という意味合いで使われます。

なお、蒐集品という言葉を使う場合は、基本的に「一般的な人よりもはるかに大きな労力をかけて集めた品物」というニュアンスが伴います。

そのため、蒐集品と呼ぶ場合、ある程度は網羅(もうら)的に集める必要があります。

例文
私の蒐集品、見ていかない?

使い方⑤:蒐集家

蒐集家とは、趣味でものを集めるのがやたらと好きな人のことです。

こちらも「蒐集癖」同様、「何かをコレクションすること自体が好き」というニュアンスが伴います。

例文
彼の蒐集家っぷりには、家に行くたびに驚かされる。

「蒐集」の語源


蒐集を構成する漢字は、それぞれ以下の意味になります。

「蒐集」を構成する漢字
  • 蒐(しゅう)
    集めるという意味の漢字
    アカネという植物のことで、赤の染料に使われた

  • 集めるという意味の漢字
「集める」という意味の漢字を2つ重ねて、「集める」という意味を持つ熟語「蒐集」が誕生しました。

「蒐」が集めるという意味になったのには、以下の2つの説があります。

「蒐」の漢字の意味の由来
  1. 「蒐」を赤の染料によく使ったため、蒐=集める、という意味になった
  2. 「蒐」の読み方が「集」と同じであったため、蒐=集める、という意味になった
「蒐」には、他にも「かくす」「狩り」「数える、調べる」という意味もありますが、現在ではあまり使われていません。

なお、「蒐」の字を含む熟語には、他にも以下のようなものがあります。

「蒐」を含む漢字
  • 蒐田(しゅうでん)
    狩りをする
  • 蒐羅(しゅうら)
    集める
  • 蒐猟(しゅうりょう)
    狩りや狩りによる軍事訓練
「蒐」にまつわる言い伝え

「蒐」はアカネという植物のことです。

このアカネですが、死者の血のあとに生えると言われていました。

そのため、くさかんむりと「鬼」という漢字を組み合わせて「アカネ」を表すようになりました。鬼という漢字は、死んだ人を表します。

「蒐集」の類義語


蒐集には以下のような類義語があります。

  • コレクション
    趣味などで集めた品物のこと
  • 採集(さいしゅう)
    研究などのために、標本や資料となるものを集めること
コレクションは多くの場合趣味で集めたもののことを指すのに対し、採集は研究のためにものを集める際に使われる言葉です。

また、コレクションを動詞形で使いたい場合は「コレクションする」「コレクションに熱中する」などの言い回しで使うことができます。

「蒐集」の英語訳


蒐集を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • collecting(集めること)
  • collection(コレクション)
原型である “collect” は「蒐集する」という意味で使うことができます。

補足:「蒐集品」の英語訳


蒐集品を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • collectibles(蒐集品)
  • collected items(goods)(蒐集品)
日本語で言う「コレクション」よりも、 “collected items” という形の方が伝わりやすいです。

「蒐集」のまとめ

以上、この記事では蒐集について解説しました。

読み方蒐集(しゅうしゅう)
意味ものを集めること
語源集めるを意味する漢字「蒐」+「集」から
類義語コレクション
採集
英語訳collecting(集めること)
collection(コレクション)

「収集」に比べて、より「趣味で集めている」というニュアンスが強いことも、あわせて覚えておきましょう。

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Rie
日英バイリンガル東大生。 10年間小説を書き続けているため、文章力には自信があります。 いくつかの小説投稿サイトで掲載/連載している他、教育系NPOでもライターをしています。