シュリンクとは「縮小・削減する」という意味です。
シュリンクはたまに登場するカタカナ語で、英語とは若干異なる意味を持ちます。
そのため、カタカナ語で用いられた意味に戸惑った経験がある方もいるのではないでしょうか。
そこで、この記事ではカタカナ語のシュリンクの意味から語源まで詳しく解説していきます。
「シュリンク」の意味
縮小・削減する
例:ガラケー市場はシュリンクしている。
シュリンクでは縮小したり、削減したりすること全般を表します。
それぞれの分野での意味について詳しく見ていきましょう。
【ビジネス】市場が縮小すること
ビジネスシーンでは市場が縮小することをシュリンクと表現する場合が多いようです。
また、縮小している市場のことをシュリンクマーケット、シュリンク業界と呼ぶ場合があります。
ちなみに、ビジネス場面でシュリンクフレーションという言葉が使われる場合があります。
シュリンクフレーションとは、商品やサービスの価格を変えず、中身を減らすことで実質的に値上げをすることです。
【IT】後で復元できる形で縮小させること
IT分野では、シュリンクは後で復元できる形で縮小させることという意味で用いられる場合があります。
たとえば、ファイルを圧縮して送信する場合などに用いられます。
【ICチップ】同じ回路図を用いて従来より面積が小さいチップを製造すること
ICチップについてシュリンクと言う時には、従来よりも小さい面積で同じ回路図のチップを製造することを表します。
同じ回路をより小さい面積で製造できれば、余った場所に追加の回路を書いて、より高性能な機器を製造可能です。
また、ICチップをシュリンクさせるだけでも、材料費の削減になるほか、消費電力や発熱量を減らすことが可能です。
【包装】シュリンク包装のこと
包装についてシュリンクと言う時には、シュリンク包装という包装のことを表します。
シュリンク包装では製品を薄い透明なフィルムで覆い、それに熱を加えてフィルムを収縮させて製品に密着させます。
これにより商品の外装の汚れを防いだり、未開封品だと証明できたりします。
シャンプーからガジェットまでさまざまなものがシュリンク包装されています。
IT分野ではシュリンクラップ契約というものもあり、これは購入者がシュリンクラップを開封することで、自動的に利用許諾契約に同意したとみなす契約のことを表します。
シュリンク包装はシュリンクフィルムとシーラー、ドライヤーがあれば自分で行うことも可能です。
シーラーとは、プラスチックフィルムの開け口を密封するための機械です。
自分でシュリンク包装をする時には、まずシュリンク包装したいものをシュリンクフィルムに入れて余計な部分を切り落とします。
そして、シーラーで溶接しながら切断し、ドライヤーで熱風を当てて収縮させるのです。
「シュリンク」の使い方
シュリンクは以下のように用いられます。
- シュリンクマーケットにこれ以上とどまる必要はない。
- わが社はシュリンク業界から撤退することを決定した。
- シュリンク包装を破って中身を取り出す。
- ICチップのシュリンクは技術革新に役立っている。
- データをシュリンクして取引先に送付する。
- X社の売上は13%シュリンクしたらしい。
- 経営改革によってシュリンクしていた会社が勢いを取り戻した。
- シュリンクラップ契約の有効性について議論する。
- シュリンクしたファイルが破損してしまった。
- ICチップのシュリンクにより機械の小型化が実現した。
- シュリンクレザーが施された財布を買う。
上の例文のように、シュリンクは「シュリンク〇〇」という形で用いられたり、「シュリンクする」という形で用いられる場合が多いようです。
ちなみに、シュリンクレザーとは、革の表面を縮め、傷やシワを目立たないようにした革製品のことです。
「シュリンク」の語源
シュリンクの語源は英語の “shrink” です。
“shrink” には以下のような意味があります。
- 縮む
- 減る
- 少なくなる
- ひるむ
- 避ける
- 尻込みする
「ひるむ」などの意味がカタカナ語にはないことがわかります。
「シュリンク」の類義語
シュリンクには以下のような類義語があります。
- 縮小
縮まること - 圧縮
押して縮めること
「シュリンク」の対義語
シュリンクには以下のような対義語があります。
- 拡大
広げて大きくすること - 膨張
膨れ上がること - スケールする
事業を拡大すること
「シュリンク」のまとめ
以上、この記事ではシュリンクについて解説しました。
英語表記 | シュリンク(shrink) |
---|---|
意味 | 縮小・削減する |
語源 | 英語の “shrink” |
類義語 | 縮小 圧縮 |
対義語 | 拡大 膨張 スケールする |
シュリンクは覚えておくと便利なカタカナ語です。
ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。