「吶喊」の意味とは?読み方は?使い方から英語や類義語まで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「吶喊」です。

言葉の意味・使い方・由来・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「吶喊」をざっくり言うと……

読み方吶喊(とっかん)
意味大声で叫ぶこと・声をあげて突撃すること
由来「言葉でつらつらと述べることができないような高ぶった感情を、叫び声としてあげること」という意味の漢字
類義語突貫、喊声、雄たけび、鬨の声、鯨波、怒号
対義語沈黙、語る
英語訳battlecry(鬨の声)
shout(叫び声)

「吶喊」の意味をスッキリ理解!

吶喊(とっかん):大声で叫ぶこと・声をあげて突撃すること

「吶喊」の意味を詳しく

「吶喊」とは、「大声で叫ぶこと・声をあげて突撃すること」です。

「兵語(へいご)」という軍事に関する専門用語のひとつです。兵士たちが突撃をする前に、指揮官の合図に従い大きく声を張り上げることを表します。

これには、気勢を示して士気を高めたり、己を鼓舞する目的があります。また、仲間と同時に声を出すことで、味方の一体感を強める働きもあると考えられます。

現在では、戦の中などの状況以外でも、「大人数が一斉に声を上げること」「大声を出すこと」という意味で使われることがあります。

「吶喊」の使い方

  1. 敵陣から吶喊の叫びが聞こえる。
  2. 我が軍の吶喊が遥か彼方まで響き渡った

「吶喊」は、現代の生活の中で使われることはほとんどありません。使用されるとすれば、時代小説や歴史書のなかだけでしょう。

また、「吶喊する」という形で使われることもあります。

「吶喊」の由来

「吶喊」の漢字には以下のような意味があります。

  • :話しぶりが流暢でなく、途切れ途切れの調子で喋るようす・口ごもること
  • :怒鳴ること・大声を上げること

「言葉でつらつらと述べることができないような高ぶった感情を、叫び声としてあげること」というニュアンスで解釈できます。

戦の前に、スピーチをするのではそのときの興奮や自分の感情を消化しきることはできないでしょう。言葉ではなく、あえて大声を出すのです。

「吶喊」の類義語

「吶喊」には以下のような類義語があります。

  • 突貫(とっかん):「吶喊」と同じ意味
  • 喊声(かんせい):突撃のときに挙げる大声
  • 雄叫び:いさましい叫び声
  • 鬨の声(ときのこえ):戦陣で士気の鼓舞、戦闘開始の合図のために皆で発した声
  • 鯨波(げいは):「鬨の声」と同じ意味
  • 怒号(どごう):怒って大声で怒鳴ること

「突貫」の意味

「吶喊」と同じ類義語として、「突貫」があります。「突貫」には、以下の3つの意味があります。

  1. 突き通すこと
  2. 短期間で一気にしあげること
  3. ときの声をあげて、敵陣へ突き進むこと

この➌の意味が「吶喊」と同じ意味です。しかし、➊➋の意味は「吶喊」にはありません。

読み方も同じなので、使い分けに気をつけましょう。

「ときの声をあげる」とは、「軍団が士気を鼓舞するために一斉に声を上げるさま」という意味です。

漢字では「鬨の声をあげる」と書き、「鬨をつくる」などとも言われます。

「吶喊」の対義語

「吶喊」には以下のような対義語があります。

  • 沈黙:口をきかないでいること・だまりこむこと
  • 語る:事柄や考えを言葉で述べ伝えること

「大声を上げる」という意味としての「吶喊」の対義語には、「沈黙」が挙げられます。

「言葉にならない声を叫び声にしてあげる」という意味としての「吶喊」の対義語は、「語る」が当てはまります。

「吶喊」の英語訳

「吶喊」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • battlecry
    (鬨の声)
  • shout
    (叫び声)

まとめ

以上、この記事では「吶喊」について解説しました。

読み方吶喊(とっかん)
意味大声で叫ぶこと・声をあげて突撃すること
由来「言葉でつらつらと述べることができないような高ぶった感情を、叫び声としてあげること」という意味の漢字
類義語突貫、喊声、雄たけび、鬨の声、鯨波、怒号
対義語沈黙、語る
英語訳battlecry(鬨の声)
shout(叫び声)

「吶喊」は、日常生活の中ではほとんど使われることのない言葉です。しかし、古い書物などでは使われることもあるので、この機会にしっかりと理解しておきましょう。