今回ご紹介する言葉は、熟語の「照準(しょうじゅん)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「照準」をざっくり言うと……
読み方 | 照準(しょうじゅん) |
---|---|
意味 | 狙いを定めること |
類義語 | 狙い |
英語訳 | collimation(視準) |
「照準」の意味をスッキリ理解!
「照準」の意味を詳しく
「照準」とは、狙いを定めることです。
この熟語を成り立たせている2つの漢字には、それぞれ以下のような意味があります。
- 照:「てらす」こと
- 準:「目安」や「法則」
「てらす」という言葉には、「光を当てる」という意味のほかに、「基準となるものと見比べる」「参照する」という意味があります。
これらの意味が組み合わさり、「めやすを基準に見比べる」という意味になるのです。
「見比べる」と「狙いを定める」は、一見関係ない言葉のように思えますが、一点に狙いを集中させるには、まず他のものと対象を見比べる必要があります。見比べ、特定のものに狙いを決める過程が、「照準」という言葉になるのです。
もともと「照準」には、射撃の際に標的に狙いを定めることという意味があります。また、望遠鏡など、レンズのついた道具のピントを合わせることについても「照準」という言葉が使われます。
そういった動作から、日常生活でも広く「狙いを定める」という文脈で「照準」が使われるようになりました。
たとえば、実際に形のある道具を使っていないときにも、比喩的に「照準」が使えます。具体例を挙げるならば、「女性をターゲットにしている商品」という意味で「女性に照準を合わせた商品」と表現することができます。
「照準」の使い方
- A国のスナイパーは、照準をB国の重要人物に合わせた。
- 今回のイベントは、家族連れに照準を合わせよう。
- あのチームは、ライバルチームとの対戦に照準を絞って練習をしているそうだ。
上記の例文のように、「照準」は「照準を合わせる」「照準を絞る」という言い回しで使われます。まれに「照準する」という用法も見られますが、日常生活では使われません。
①の例文では、「A国スナイパー」が銃を「B国の重要人物」に向け、撃つ準備をしている様子を「照準を合わせる」と表現しています。
②の例文では、イベントのターゲットを家族連れに設定することについて「照準を合わせる」という言葉を使っています。「照準を合わせる」という意味で「照準を当てる」と表現するのは誤りです。
③の例文では、他のチームへの対策よりも「ライバルチーム」への対策に力を注いでいることを「照準を絞る」と表現しています。
「照準を合わせる」と「照準を絞る」は、ほとんど同じ意味を表します。ただし、「照準を合わせる」は、特定のグループなどにぴったりと当てはめるイメージを表します。一方で、「照準を絞る」では、いくつかのグループや広い範囲の対象から、より狭めたターゲットに決める印象になります。
ニュアンスが少し変わるので気をつけましょう。
「照準」の類義語
照準には以下のような類義語があります。
- 狙い:目標を達成する機会をうかがうこと
「狙い」とは、ある目的のために機会をうかがうことです。
狩りなどで仕留めたい対象を見つめるときや、ほしい景品が当たるように努力するときなどにも「狙い」が生まれます。
「照準を合わせる」「照準を絞る」は単に「狙う」と表現しても同じような意味になりますが、「照準を合わせる」「照準を絞る」という表現の方が、より正確に狙いを定め確実に目的を達成しようとしているイメージになります。
「照準」の英語訳
照準を英語に訳すと、次のような表現になります。
- collimation
(視準) - aim at
(照準を合わせる)
望遠鏡を目標に合わせることをcollimationと言います。
望遠鏡や銃の照準ではなく、比喩的に「照準を合わせる」と言いたい場合には “aim at” を使うと自然になります。
まとめ
以上、この記事では「照準」について解説しました。
読み方 | 照準(しょうじゅん) |
---|---|
意味 | 狙いを定めること |
類義語 | 狙い |
英語訳 | collimation(視準) |
「照準」は使い方に注意が必要な言葉です。誤用せず正しく使っていきましょう。