「掌握」の意味とは?読み方は?使い方から類語や英語まで例文付きで

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「掌握(しょうあく)」です。

言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「掌握」をざっくり言うと……

読み方掌握(しょうあく)
意味自分の支配下に置いて思い通りにすること
類義語把握
英語訳control, be in complete control of, take the reins

「掌握」の意味をスッキリ理解!

掌握(しょうあく):自分の支配下に置いて思い通りにすること

「掌握」の意味を詳しく

「掌握」とは、自分の支配下に置いて、思いのままにすることを表します。「掌握」は、「掌(てのひら)に握(にぎ)る」と書き下せます。つまり、掌に握っているかのように対象を支配することを意味します。

「掌握」は、何かを手に入れることだけにとどまらず、対象を思うままに動かせるというニュアンスを含んでいます。たとえば、「部下を掌握する」と言う場合は、部下の心を掴み、思い通りに行動させることができる状態を意味します。

なお、「掌握」自体に肯定的または否定的な意味はありません。「掌握」したものを良い方向へ活用するか、また悪い目的で利用するかはその人次第です。

「掌握」の使い方

  1. 政府はただちに事態を掌握し、反乱を鎮圧した。
  2. 権力を掌握することは、相応の責任を伴うということだ。
  3. 優れた営業成績を持つあの人は、人心掌握に長(た)けている。

①の「事態を掌握する」は、自分が事態をコントロールできる状態にすることを指します。①では、反乱が起きている状況の中で政府が舵(かじ)を取り、事態を鎮圧へと向かわせたさまを「掌握」と表現しています。

②の「権力を掌握する」は、単に権力を持っているという意味ではなく、権力を自在に行使できるという点に焦点を当てた表現です。権力を乱用すると多くの人に被害が出ることから、権力を思うままに使える立場には大きな責任が伴います。

③の「人心掌握」とは、人の心を掴み、思うままに動かせることを指します。「人心掌握術」という言葉もよく使われます。人の心を掴み、信頼関係を構築する手法のこととです。

「掌握」の類義語

掌握には以下のような類義語があります。

  • 把握(はあく):手中に収めること、理解すること

「把握」と「掌握」の違いは、対象を思うように動かせるかどうかという点にあります。

たとえば、「事態を把握する」と言う場合、どういう状況かを理解するという意味にとどまります。そこから事態をどうにでも操れるという意味合いはありません。

一方、「事態を掌握する」と言う場合は、状況を理解するということだけでなく、事態をどう展開させるかも自分次第であるというニュアンスがあります。

「掌握」の英語訳

掌握を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • control
    (掌握、掌握する)
  • completely grasp
    (掌握する)
  • be in complete control of
    (掌握する)
  • take the reins
    ((権力を)掌握する)
  • come into power
    ((権力を)掌握する、天下を取る)

上記 5つの表現を用いた例文は以下の通りです。

例文
  • He has a great ability to control the minds of the people.
    (彼は、人の心を掌握する優れた能力を持っている)
  • The teacher completely grasped the situation in no time.
    (先生は、事態をただちに掌握した)
  • She is in complete control of her subordinates.
    (彼女は部下を完全に掌握している)
  • That political party has taken the reins of government for the first time.
    (その政党は、初めて政権を握る)
  • If you come into power, it means that the responsibility goes with it.
    (権力を掌握することは、責任を伴うことを意味する)

まとめ

以上、この記事では「掌握」について解説しました。

読み方掌握(しょうあく)
意味自分の支配下に置いて思い通りにすること
類義語把握
英語訳control, be in complete control of, take the reins

何かを「掌握」するということは、相応の責任が伴うということを覚えておきましょう。「把握」との違いも押さえてみてください。