2019年11月現在、プレミア12の報道が各地で行われているように、野球人気はとどまることを知りません。
ここで、野球の試合にはさまざまな変化球が登場します。
その中には「名前は聞いたことがあるけれど、どのように他の変化球と違うのかわからないというものも多くあると思います。
今回はその中でも、「シュート」と「ツーシーム」の違いについて解説をしていきます。
結論:変化の方向が違う
「シュート」をもっと詳しく
シュートは縦方向への変化は少ない代わりに、投手の利き腕方向に曲がる変化球の名称です。
下方向の回転でバックスピンがかかるストレートに対し、シュートはスピンの回転数が少なく、また水平方向の回転が加わりサイドスピンがかかっています。
基本的には、人差し指を縫い目にそって握り、中指を人差し指に揃えて投げることでシュートを投げることが出来ます。
シュートを投げる代表的なピッチャーとして、「カミソリシュート」の異名で知られる元大洋ホエールズの平松政次投手などがいます。
シュートを投げる代表的なピッチャー
- 平松政次投手(元大洋ホエールズ)
- 西本聖投手(元読売ジャイアンツ)
「ツーシーム」をもっと詳しく
「ツーシーム」とは利き腕方向に曲がりながら、少しだけ落ちる球種のことです。
まず、「ツーシーム」の「シーム」とは「ボールの縫い目」のことを指しています。
一般的にストレートは、ボールが1回転する間に、打者から見て縫い目が4回通過します。
一方、ツーシームは、握るボールの角度を90度傾けて投げるため、ボールが1回転する間に、打者から見て縫い目が2回通過します。そのため、「ツーシーム」と呼ばれています。
ツーシームの具体的な握り方としては、2本の縫い目それぞれに1本ずつ人差し指と中指を置いて握るというものです。
これはシュートを投げる際の握り方とほぼ同じのため、ツーシームの握り方をするとシュート方向に変化することが多いです。
また、握りの深さを変えることによってシュート方向への変化を大きくしたり、フォーク方向への変化を大きくして落ちる球にしたりなど、投手がどういう球を投げたいかによってアレンジを加えることが出来ます。
このツーシームを投げる代表的なピッチャーとしては、元広島東洋カープの黒田博樹投手などがいます。
ツーシームを投げる代表的なピッチャー
- 黒田博樹投手(元広島東洋カープ)
- ダルビッシュ有投手(シカゴ・カブス)
投手間による定義の違い
これまで、「シュート」と「ツーシーム」という2つの変化球の違いについて説明してきましたが、実際のところ、投手によって微妙にこれらの変化球の定義が異なっています。
そのため、シュートの曲がり方をしているのに投げた本人は「ツーシーム」と宣言するなど、投手によって定義はバラバラになっています。
日米の違い
この2種類の変化球は日米間でも差があります。一般的に昔から日本ではシュートが投げられ、アメリカではツーシームが主に投げられていました。そのため、以前は日本人でツーシームを投げる投手はあまりいませんでした。
しかし、現在では日本人がメジャーに挑戦する機会が増えていることもあり、日本人でツーシームを投げる投手の数が増えてきています。
まとめ
以上、この記事では、「シュート」と「ツーシーム」の違いについて解説しました。
- シュート:投手の利き腕方向に曲がる
- ツーシーム:利き腕方向に曲がりながら少し落ちる
このように、よく似たもののように思える2種類の変化球には違いがあります。このような違いを知った上で野球の試合を見てみると、今までよりさらに楽しめるのではないでしょうか。