「疾風迅雷」の意味とは?使い方から英語や類語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「疾風迅雷(しっぷうじんらい)」です。

言葉の意味・使い方・由来・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「疾風迅雷」をざっくり言うと……

読み方疾風迅雷(しっぷうじんらい)
意味ものの動きや変化が素早く激しいこと。
由来『礼記』『玉藻』
類義語迅雷風烈(じんらいふうれつ)、電光石火(でんこうせっか)、紫電一閃(しでんいっせん)、石火電光(せっかでんこう)、脱兎之勢(だっとのいきおい)、霹靂閃電(へきれきせんでん)など
英語訳with lightning speed(雷のような速さで), as quick as lightning(雷のように速く), like a whirlwind(旋風のように)

「疾風迅雷」の意味をスッキリ理解!

疾風迅雷(しっぷうじんらい):ものの動きや変化が素早く激しいこと。

「疾風迅雷」の意味を詳しく

「疾風迅雷」は「疾風」と「迅雷」という2つの言葉から構成されています。

「疾風(しっぷう)」は「風が疾(はや)い」と訓読することができます。つまり、「速く吹く風」を意味する言葉です。また「疾風」は「はやて」と読むことができ、「急に激しく吹く風」を表します。ただ、この四字熟語では「疾風」は「しっぷう」と読みます。

一方、「迅雷」も「雷が迅(はや)い」と訓読することができます。雷が速いとは、つまり雷が激しく鳴っているということです。このことから、「迅雷」は「雷が激しく鳴っているさま」を表します。

 

したがって、「疾風迅雷」は「速く吹く風と激しく鳴っている雷」を意味する言葉です。さらにそこから転じて、ものの動きや変化が素早く激しいことを表すようになり、天候以外のことについても用いるようになりました。

「疾風迅雷」の使い方

  1. 疾風迅雷の勢いで目の前を通り過ぎていくマラソンの集団に唖然(あぜん)としてしまった。
  2. 学年一の秀才である彼が問題を解くスピードはまさしく疾風迅雷だ。
  3. 疾風迅雷の勢いで、ゴールテープ目指して駆け抜けたが、ライバルにはわずかに及ばなかった。
  4. 弟は疾風迅雷の勢いで、宿題を終わらせて、買ってきたばかりのゲームを始めだした。
  5. 疾風迅雷の機動力でこちらに進軍してきた相手を前にこちらは何も打つ手がなかった。

ここでは全て「ものの動きや変化が素早く激しいこと」という意味で「疾風迅雷」を用いています。「疾風迅雷の勢い」という形で用いられることが多いです。

「疾風迅雷」の由来

『礼記(らいき)』の『玉藻(たまも)』という篇(へん)の

「疾風迅雷甚雨(じんう)」
という記述が由来となっています。『礼記』は、周から漢にかけて儒学者が書いた礼に関する書物を、戴聖(たいせい)が編纂したものです。

「君子は風が強いときでも、雷が激しく鳴っているときでも、雨が激しく降っているときでも常に準備を怠ることなく、備えを万全にするべきである」という記述の中に「疾風迅雷甚雨」が用いられています。

この後、「疾風迅雷甚雨」の中から、「疾風迅雷」が四字熟語として定着し使われるようになりました。

「疾風迅雷」の類義語

疾風迅雷には以下のような類義語があります。

  • 迅雷風烈(じんらいふうれつ):激しい雷と強い風のこと。また、行動が非常に速い様子。
  • 電光石火(でんこうせっか):ものの動きや変化が極めて速いこと。
  • 紫電一閃(しでんいっせん):極めて短い時間で急激に変化すること。
  • 石火電光(せっかでんこう):とても短い時間のこと。
  • 脱兎之勢(だっとのいきおい):動きが非常に敏捷(びんしょう)である様子。
  • 霹靂閃電(へきれきせんでん):勢いが激しく非常に素早い様子。

「疾風迅雷」の英語訳

疾風迅雷を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • with lightning speed
    (雷のような速さで)
  • as quick as lightning
    (雷のように速く)
  • like a whirlwind
    (旋風のように)

まとめ

以上、この記事では「疾風迅雷」について解説しました。

読み方疾風迅雷(しっぷうじんらい)
意味ものの動きや変化が素早く激しいこと。
由来『礼記』『玉藻』
類義語迅雷風烈(じんらいふうれつ)、電光石火(でんこうせっか)、紫電一閃(しでんいっせん)、石火電光(せっかでんこう)、脱兎之勢(だっとのいきおい)、霹靂閃電(へきれきせんでん)など
英語訳with lightning speed(雷のような速さで), as quick as lightning(雷のように速く), like a whirlwind(旋風のように)

「疾風迅雷」はもともと「速く吹く風と激しく鳴っている雷」という自然現象を表す言葉でした。「自然現象」は、いくら文明が発達しても制御できないものの1つです。

「疾風迅雷」という言葉が生まれたのは、今から2000年以上も前のことですが、いまだに人類は、「速く吹く風」や「激しく鳴っている雷」に悩まされています。

このように、人類にとっての「脅威」である自然に由来をもつ「疾風迅雷」は、「驚異的な」速さや激しさを表す四字熟語であると言えます。