今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「進退両難(しんたいりょうなん)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・英語訳について分かりやすく解説します。
☆「進退両難」をざっくり言うと……
読み方 | 進退両難(しんたいりょうなん) |
---|---|
意味 | どうしようもできない困難や窮地に追い込まれた様子。 |
類義語 | 進退維谷 |
英語訳 | being driven to the wall(せっぱつまった状態になる)など |
「進退両難」の意味をスッキリ理解!
「進退両難」の意味を詳しく
「進退両難」とは「どうしようもできない困難や窮地に追い込まれた様子」をあらわす四字熟語です。
この四字熟語は、「進退(しんたい)両(ふた)つながら難(かた)し」と訓読します。「進退」は、その字のまま「進むことと退(の)くこと」を意味します。「両つながら」は、「ふたつながら」と読み、「両方」という意味を持っています。
したがって、この四字熟語「進むことも退くことも、どちらとも難しい」という状況をあらわしていると分かります。そういった状況のように、にっちもさっちもいかない様子を広く指すのが、「進退両難」です。
「進退両難」の使い方
- 彼はその頭の回転の早さで、進退両難の局面を打開した。
- 後ろで敵が追ってきているというのに、前は断崖絶壁だ。まさに進退両難に陥ってしまった。
- 進退両難の状況にあっても、希望を持つことを忘れてはいけない。
「進退両難」の状況にあることをあらわす際には、❷の例文ように「進退両難に陥った」という言い方をするのが一般的です。
「進退両難」の類義語
進退両難には以下のような類義語があります。
- 進退維谷(しんたいいこく):どうしようもできない窮地に追い込まれること。
「進退維谷」は、「進退維(こ)れ谷(きわ)まる」と訓読されます。「谷」という漢字は、地理的な谷だけでなく、「窮」という漢字と同じニュアンスの「きわまる」や「ゆきづまる」という意味を持っています。
「進退両難」の英語訳
進退両難を英語に訳すと、次のような表現になります。
- being driven to the wall
(せっぱつまった状態になる) - finding oneself between the devil and the deep blue sea
(悪魔と深く青い海の間に立っていることに気がつく) - finding oneself between a rock and a hard place
(岩と暮らし辛い場所の間で板挟みになる)
finding oneself between the devil and the deep blue sea と finding oneself between a rock and a hard place は比喩的な表現で、「どうしようもできない困難や窮地に追い込まれた様子」を指しています。
まとめ
以上、この記事では「進退両難」について解説しました。
読み方 | 進退両難(しんたいりょうなん) |
---|---|
意味 | どうしようもできない困難や窮地に追い込まれた様子。 |
類義語 | 進退維谷 |
英語訳 | being driven to the wall(せっぱつまった状態になる)など |
「進退両難」は、日常生活で耳にすることは少ない四字熟語です。しかし、意味をきちんと知っていれば、使うことができる場面はたくさんあります。類義語や英語訳とあわせて、しっかり理解しておきましょう。