「侵食」の意味とは?使い方から英語や類語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「侵食(しんしょく)」です。化学用語として聞いたことのある方は多いのではないでしょうか。ただ、「侵食」は化学以外でも使われる熟語なのです。

以下では、「侵食」の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「侵食」をざっくり言うと……

読み方侵食(しんしょく)
意味他の領域へ徐々に食い込むこと
類義語侵略、侵入、浸食
英語訳erosion, encroachment, erode, encroach

「侵食」の意味をスッキリ理解!

侵食(しんしょく):他の領域へ徐々に食い込むこと。外的な力や化学変化により、地層や岩石の表面が削り取られること。

「侵食」の意味を詳しく

「侵食」とは、他の領域へ次第に食い込んでいくことを指します。その領域に損失を生じさせるというネガティブなニュアンスがあります。また、「侵蝕」とも表記されます。

地理学用語としての「侵食」

「侵食」には、地理学用語としての用法があります。この場合の「侵食」は、水や風などの外的な力や化学変化により、地層や岩石の表面が削り取られることを指します。たとえば、「流水が地表を侵食した」と言う場合は流水が地表を削り取ったことを意味します。

また、この意味においては「浸食」と表記されることもあります。ただ、「水に浸(ひた)る」という意味よりも、「地形を侵(おか)す」という意味の方が現象の本質を突いていることから、学術用語としては「侵食」が用いられることが多いです。

「侵食」の使い方

  1. 敵国は我が領土を凄まじい勢いで侵食している。
  2. ライバル会社が売り出した新製品には多彩な機能があり、他の市場を侵食している。
  3. 風や風が運んできた土などが地表を侵食することを風食と言う。

①では、物理的に領域を侵すという意味で「侵食」が使われています。②では、本来の機能以外にもさまざまな用途を持つ製品が、その便利さゆえに各機能ごとの市場でもシェアを得ていることを指しています。

③の「侵食」は地理学用語です。地理学的な「侵食」には、その原因となる物質によって様々な名前が付けられています。例文の風食の他には、水食や雪食などがあります。

「侵食」の類義語

侵食には以下のような類義語があります。

  • 侵略:他国に武力を用いて攻め入ること
  • 侵入:立ち入るべきでない所に入り込むこと
  • 浸食:侵食に同じ

「侵略」は主に国を対象として用いられます。そして、実際に領土を攻め取らずとも、攻撃をした段階からその定義に含まれます。

また、「侵入」は物理的に領域を侵すことを指し、市場などの形のないものに対しては用いられません。

「侵食」の英語訳

侵食を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • erosion
    ((地理学的な意味での)侵食)
  • encroachment
    (侵略、侵入)
  • erode
    ((地理的に)侵食する、領域を広げる)
  • encroach
    (侵略する、領域を侵す)

名詞形と動詞形とで訳を使い分けましょう。それぞれを用いた例文は以下の通りです。

例文
  • This is an erosion landform formed by a rapid stream.
    (この地形は、河川の急流によってせきた侵食地形だ。)
  • Encroachment on someone’s private property is not allowed.
    (私有地への不法侵入は許されないことだ。)
  • That company erodes the cosmetic market.
    (その会社は、化粧品市場のシェアを大きく占めている。)
  • Be careful not to encroach on others’ province.
    (人の領分を侵さないように注意して。)

まとめ

以上、この記事では「侵食」について解説しました。

読み方侵食(しんしょく)
意味他の領域へ徐々に食い込むこと
類義語侵略、侵入、浸食
英語訳erosion, encroachment, erode, encroach

「侵食」は、領域を侵すことを広く指したり学問的な意味で用いたりなど、さまざまな場面で見かけることのある言葉です。意味や使い方等を是非覚えてみてください。