今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「四海兄弟(しかいけいてい)」です。
言葉の意味・使い方・由来・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「四海兄弟」をざっくり言うと……
読み方 | 四海兄弟(しかいけいてい) |
---|---|
意味 | 世界中の人が兄弟のように愛し合うべきだという教え。 |
由来 | 『論語』の子夏の言葉から。 |
類義語 | 四海同胞、四海一家 |
英語訳 | people in the whole world being all brothers(日世界じゅうの人々が兄弟そのものである状態)など |
「四海兄弟」の意味をスッキリ理解!
「四海兄弟」の意味を詳しく
四海兄弟は、「世界じゅうの人が兄弟のように愛し合うべきだという教え」を指す四字熟語です。
「四海」には、「東西南北全ての方角の海」という意味があります。これが転じて、この熟語は「世界中」という意味を持ちます。また、「兄弟」は、人々が兄弟のようにお互いを大切に思う様子を示しています。
したがって、四海兄弟では「世界中の人が、お互いを兄弟のように大切に思う様子」を指します。この四字熟語はもともと儒教の教えから生まれたので、「こういった様子であるべき」という意味も持ちます。
「四海兄弟」の使い方
- 私のモットーは、四海兄弟の精神を持って人に接することだ。
- 四海兄弟といえば、現実的でないと笑う人もいるだろう。
- 人を嫌いになりそうな時は、四海兄弟の心がけを思い出すといい。
「四海兄弟」の由来
四海兄弟は『論語』に由来を持ちます。『論語』のなかの12篇目に「顔淵(がんえん)」という章があります。このなかに「四海兄弟」が登場するのです。
その中に司馬牛(しばぎゅう)という人物が登場します。彼は、兄が犯罪者であることを悩んでいました。
そこで、孔子(こうし)の弟子である子夏(しか)が、司馬牛に教えを与えるシーンがあります。「自分の兄は犯罪者で、それでは兄などいないようなものだ」という司馬牛に、子夏が「謙虚に礼儀を重んじていれば、世の中の人はみな、君を兄弟のように扱ってくれるだろう」と答えるのです。
この子夏の返答は原文で「君子敬而無失、與人恭有禮、四海之内、皆兄弟也」と記されています。この最後の二節から、「四海兄弟」という四字熟語が誕生したのです。
「四海兄弟」の類義語
四海兄弟には以下のような類義語があります。
- 四海同胞(しかいどうほう):まごころを持てば、世界中の人と兄弟のようになれるということ。
- 四海一家(しかいいっか):礼儀をつくせば、世界中が家族のように仲良くなるということ。
「四海兄弟」の英語訳
四海兄弟を英語に訳すと、次のような表現になります。
- people in the whole world being all brothers
(世界中の人々が兄弟そのものである状態) - universal brotherhood
(万国万人の兄弟の縁)
まとめ
以上、この記事では「四海兄弟」について解説しました。
読み方 | 四海兄弟(しかいけいてい) |
---|---|
意味 | 世界中の人が兄弟のように愛し合うべきだという教え。 |
由来 | 『論語』の子夏の言葉から。 |
類義語 | 四海同胞、四海一家 |
英語訳 | people in the whole world being all brothers(日世界じゅうの人々が兄弟そのものである状態)など |
「四海兄弟」は、座右の銘にも使うことのできる四字熟語です。意味だけでなく由来もしっかりと理解し、いざという時に使えるようにしておきましょう。