「恣意的」の意味とは?使い方から英語や対義語や類語まで例文付きで

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「恣意的(しいてき)」です。

言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「恣意的」をざっくり言うと……

読み方恣意的(しいてき)
意味論理性がなく、そのときの思いつきで自分勝手に振る舞う様子
類義語意図的、作為的
対義語規則的、機械的
英語訳arbitrary(恣意的な、勝手な、独断的な)など

「恣意的」の意味をスッキリ理解!

恣意的(しいてき):論理性がなく、そのときの思いつきで自分勝手に振る舞う様子

「恣意的」の意味を詳しく


「恣意的」とは、論理性がなく、そのときの思いつきで自分勝手に振る舞う様子を表す言葉です。何かに従うのではなく、そのときの思いつきで物事を判断したり、気ままに、自分の好きなように振る舞うことを言います。

「恣意的」は、「恣意」の意味を捉えると、言葉の意味を理解しやすくなります。

  • 恣意:自分の思うままに振る舞う心や、気ままな考えのこと
「恣」は、「欲しいまま」「勝手気ままに」という意味を持っています。また、常用的には使われていませんが、訓読みでも「ほしいまま」と読むことがあります。

「恣意」に「的」がつくことによって、「恣意のような様子」を表すようになり、論理性がなく、そのときの思いつきで自分勝手に振る舞う様子という意味を表しているのです。「自分勝手である」というニュアンスが含まれているように、ネガティブな印象で使われる言葉です。

「意図的」との違い

「恣意的」と似た言葉に「意図的」という言葉があります。

  • 意図的:ある目的を持って、わざとそうすること
「恣意的」と「意図的」は、どちらもとある行動にその主の主観が含まれている様子を表します。

ただし、「恣意的」が論理的な必然性のないただの思いつきの行動であるのに対し、「意図的」は裏付けとなるとある目的を元に行動している、という点で違いがあります。

似た意味を表しますが、使う場面はまるっきり異なります。違いをきちんと理解しておきましょう。

「恣意的」の使い方

「恣意的」は、以下のように使うことができます。

  1. 恣意的な人には、誰もついて行こうとは思わない。
  2. 彼女は、恣意的な判断をして場を混乱させた。
  3. 自分の意見が恣意的にならないよう、問題の本質を考える。

上記の例のように、「恣意的な」「恣意的に」という使われ方が一般的です。

①の例文は、「自分勝手な人」のことを「恣意的な人」と表現しています。論理的でなく、その場の気のままに行動する人について行こうとはなかなか思えないものです。

②の例文は、そのときの思いつきで行動してしまった結果、場を混乱させたという状況です。

③の例文では、「自分の意見がきちんと客観的な妥当性を持つように意識する」という意味です。

「恣意的」の類義語

「恣意的」には以下のような類義語があります。

  • 意図的:ある目的を持って、わざとそうすること
  • 作為的:故意に行うこと

「作為的」には、上記の意味以外に「不自然さが目立つこと」という意味があります。

「恣意的」の対義語

恣意的には以下のような対義語があります。

  • 規則的:ある決まりや規則に従うこと、規則正しいこと
  • 機械的:意思を持たずに決まった動作を行うこと、個々は考慮せずに一律に物事を処理すること

これらは、主観的な行動ではないという点で、「恣意的」の対義語であると言えます。

「恣意的」の英語訳

「恣意的」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • arbitrary
    (恣意的な、勝手な、独断的な)
  • arbitrarily
    (恣意的に、勝手に、独断的に)
  • willful
    (わがままな、故意の)

arbitrary は形容詞、 arbitrarily は副詞として使われています。

例文
Nobody likes him because he criticize arbitrarily.(彼は恣意的に批評するから、人気がない。)

まとめ

以上、この記事では「恣意的」について解説しました。

読み方恣意的(しいてき)
意味論理性がなく、そのときの思いつきで自分勝手に振る舞う様子
類義語意図的、作為的
対義語規則的、機械的
英語訳arbitrary(恣意的な、勝手な、独断的な)など

日常的に「恣意的」という言葉を使う場面はなかなかありませんが、文章中に出てくることが多々あります。「恣意的」の意味をきちんとおさえ、正しく使いこなせるようにしましょう。

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香菜
「読者を不快にさせない記事」をモットーに執筆・編集しています。有名美容ライターの元でアシスタントを経験し、その後出版社に就職。現在は著名人への取材やエンタメ記事の執筆も行っています。