「嗜虐心(しぎゃくしん)」とは?意味や使い方を例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「嗜虐心(しぎゃくしん)」です。

言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

「嗜虐心」の意味をスッキリ理解!

嗜虐心(しぎゃくしん):何かを痛めつける行為を楽しむ心理

「嗜虐心」の意味を詳しく

「嗜虐心」とは、人や生き物を虐げたり痛めつけたりすることを楽しむ心理のことを指します。もっぱら人や生き物を痛めつけることを好むことのみを指し、無機物を乱暴に扱うことは含みません。

嗜は訓読みで「嗜む(たしなむ)」と読み、何かを好んだり楽しんだりすることを言います。「嗜好品」などの熟語で考えるとわかりやすいです。虐は「虐待」などの単語にも使われている通り、何かを痛めつけるという意味の漢字になります。

その二つが組み合わさり、「痛めつけるのを楽しむ」という意味の「嗜虐」という熟語になりました。最近では「ちょっと人をからかうのが好き」くらいのニュアンスでも使われますが、もともとは精神異常のようなニュアンスを含む言葉であるので、注意が必要です。

 

サディズムと意味は似ていますが、嗜虐心はあくまで「楽しんでいるという心情」のことであり、それによって性的な興奮や快感を得ることについては含まれません。

なお、強い立場にいる人が弱い立場の人を痛めつけているときに使うことが多いです。立場が逆の場合、「嗜虐心」ではなく「反逆心」などの言葉が使われます。

「嗜虐心」の使い方

  1. よくないことだとはわかっていても、嗜虐心から、つい部下に冷たい態度を取ってしまう。
  2. 好きな子をあんなにからかうなんて、彼はいまだに嗜虐心が強いんだね。
  3. 誰かを迫害していないと気がすまないなんて、あの人の嗜虐心の強さは異常だ。

上記の例文のように、「嗜虐心」は「強い」などの言葉とともに使われます。

①は、嗜虐心を持ってしまった人が、それについて振り返っている文章です。よくないことだとわかっているにもかかわらず、どうしても部下に冷たくしてしまう、という文です。

②では、嗜虐心という単語が「からかうのが好き」くらいの軽い意味で使われています。好きな子をついついからかってしまう人についての文章です。

 

それに対し、③では精神的に問題がある様子を表しています。身近な人を迫害しないと落ちつかない「あの人」の異常性を表した文章になっています。

このように、「嗜虐心」という言葉が持つ危機感の程度には、使い方によってかなりの差があります。自分の意図が伝わるように工夫する必要があります。

「嗜虐心」の類義語

嗜虐心には以下のような類義語があります。

  • 加虐心:誰かに危害を加えたいという心理。屈辱を与えたい、屈服させたいなどの欲求も含む。嗜虐心の方が「好んでやっている」ニュアンスが強い
  • 暴虐:暴力的な行動や、何かを虐げる行動のこと。行動そのものを指し、楽しんでいるかどうかは問わない
  • サディスティック:痛めつけることを好む性質。性的な意味を含むこともあるが、含まなくとも使える

「嗜虐心」との違いも、あわせて押さえましょう。

「嗜虐心」の対義語

嗜虐心には以下のような対義語があります。

  • 被虐趣味:痛めつけられることを楽しむ趣味。性的な意味を含むことが多い
  • マゾヒスティック:痛めつけられて喜ぶ性質。性的な意味を含むことが多い

「痛めつけられることを好む」心理はそんなに多く発生するものではないため、性的な意味を含まない単語はあまりありません。

より社会問題に関連する用語であれば、「自傷傾向がある」などの、自ら進んで自分を傷つけてしまうという意味の単語も、広い意味での対義語と言えるでしょう。

「嗜虐心」の英語訳

嗜虐心を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • sadistic feelings
    (嗜虐的な気持ち)

「嗜虐心」が起こりやすい状況

多くの場合、以下の状況で嗜虐心は起こりやすいとされています。

  • 心のゆとりがなく、何かしらに不満を抱えている、ストレスが溜まっている時
  • 他人と比べられる状況にあり、自分の強さを誇示したい時
  • 強い立場にいる時
また、かつていじめられていたトラウマから、自分を守るために嗜虐的になるケースも多いようです。

いずれにせよ、嗜虐心を感じている人自身も強いストレスにさらされていることが多くあります。

まとめ

以上、この記事では「嗜虐心」について解説しました。

読み方嗜虐心(しぎゃくしん)
意味何かを痛めつける行為を楽しむ心理
類義語加虐心、暴虐、サディスティックなど
対義語被虐趣味、マゾヒスティックなど
英語訳sadistic feelings(嗜虐的な気持ち)

「精神的な異常がある」というニュアンスを含むことも多い言葉です。気をつけて使いましょう。