「詩」と「詞」の違いとは?意味から使い方や使い分けまで解説

違いのギモン

「詩」と「詞」は、どちらも同じ「し」と読みます。どちらも言葉や文から構成されてできているものではありますが、「詩」と「詞」のそれぞれの意味やニュアンスは微妙に異なります。

本記事では、区別をするのが難しい「詩」と「詞」の違いについて、例を挙げながら解説していきます。

結論:「詩」は読むための言葉で、「詞」は歌うための言葉。

「詩」は読むために書かれる言葉を意味します。つまり、読むことによって目から入り、脳に訴えかけるのが詩です。

一方で、「詞」は歌うために書かれる言葉を意味します。つまり、歌手が歌うことで耳から入り、脳に訴えかけるのが詞です。

「詩」の定義と使い方

「詩」は主に「自由詩」のことを指ます。

自由詩とは、文字数や行数、構成に一切の制約を設けていません。心のあるがままに、自由で奔放に綴られた言葉が自由詩となります。
また、「詩」は活字になり、黙読したり朗読したりする事ができます。つまり読む事によって目から入り、脳に訴えかけるのが「詩」となります。

なお、「詩」を書く人のことを「詩人」と言いますが、「詩人」とは活字としての言葉を繰る文学的な人たちのことです。

「詩」の使い方の例

  1. 詩人の谷川俊太郎さんが書くは、独創的で興味深い。
  2. 思うがままにの心情を、に描いてみる。
  3. 彼女は、のコンテストに出場し、優勝した。
①の例では、詩人の谷川俊太郎さんが書く詩は、文字数や構成に制約がないものであり、読むことによって目から訴えかけられるものであることを意味しています。また、他の人には書くことのできないような興味深いものであることを表わしています。

②の例では、自分の思いを制限のない状態で、詩として描いてみることを意味しています。

③の例では、制限を設けない形式で、思いのままに言葉を綴る、詩を書くコンテストに出場して、優勝したことを意味します。

「詞」の定義と使い方


「詞」は、メロディがついて歌われることを前提に書かれている言葉を意味します。「詞」とは、文字数や構成などに制約があり、歌手が歌うことを前提に書かれたものを指します。つまり、「詞」と「歌詞」は同義で語られます。

また、歌い聞かせるのが詞であり、歌手が歌うことで耳から入り脳に訴えかけるものでもあります。

なお、メロディに合わせて「詞」を書くことを「作詞」といい、その「詞」を書く人のことを「作詞家」と言います。

「詞」の使い方の例

  1. ミュージシャンの中には、歌を先に書く人よりも、メロディに合わせて歌詞を書く人の方が多いらしい。
  2. その作詞家の考えでは、歌とは聞き手が感じ取るものなので、その意味を説明することはナンセンスなことのようだ。
  3. その歌からは、その歌が作られた情景が容易に思い起こされる。
①の例では、メロディを先に作って、そのメロディに歌詞を合わせて書くミュージシャンの方が多いらしい、ということを意味しています。

②の例では、その作詞家によると、聞く人が歌詞の意味を考えるものであって、その歌詞の意味について事前に説明することにはナンセンスであると言っている、という意味になります。

③の例では、そのメロディにのせられている歌詞から、その歌が作られた背景を想像するのが容易であることを意味します。

まとめ

以上、この記事では、「詩」と「詞」の違いについて解説しました。

  • 「詩」:制限にとらわれず、読むために書かれ、目から訴えかけるもの。
  • 「詞」:メロディがついていて、歌われることが前提のもの。

本記事では、「詩」と「詞」の意味の違いを解説しましたが、その違いを理解することができましたでしょうか?

「詩」は読むために書かれたものであり、「詞」はメロディがついて歌われることが前提のものである、ということを念頭においておけばその違いは明確になりますね。