「摂理」の意味とは?宗教用語?類語や英語から使い方まで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「摂理(せつり)」です。

言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「摂理」をざっくり言うと……

読み方摂理(せつり)
意味世界のあらゆるものを支配する法則、代理になること
類義語配剤、采配、冥護など
英語訳providence、dispensation

「摂理」の意味をスッキリ理解!

摂理(せつり):世界のあらゆるものを支配している法則、代理になること

「摂理」の意味を詳しく


「摂理」とは、この世界に存在するあらゆるものを支配する法則のことです。

「生きているものはいつか死ぬ」といったように、自然に存在するもの全てに、等しく適応される法則を指します。人が逆らうことのできない、そうあるものだと受け入れるべき事象のことです。また、この意味が転じて「支配すること、治めること」を表す場合もあります。

さらに、「摂理」は「代理になること、ある人物に代わって物事を処理すること」という意味を持っています。古い文書等に見られる使用法であり、最近ではあまりこの意味で用いられることはありませんが、知識として覚えておくとよいでしょう。

キリスト教においては、神の導きのことを指します。この世界の出来事は、全てが神の意志によって管理され、起きているとする考え方です。

「摂理」の漢字の意味

「摂(せつ)」は「兼ねる、取り入れる、正す、代わって行う、支配する」など様々な意味を持つ漢字です。「摂理」では「支配する」の意味で用いられています。

「理(り)」は「物事の道理、理由」などの意味を持つ漢字です。

漢字の意味を理解することで、熟語の意味もより捉えやすくなります。覚えておきましょう。

「摂理」の使い方

「摂理」は文中では以下のように使われます。

  1. 大災害を受けて、自然の摂理には逆らえないのだと思い知った。
  2. 父は、摂理に従い老衰で息を引き取った。
  3. 彼はこの会社の経営を一人で摂理している。

①と②は、ともに「世界を支配する法則」の意味で用いられています。災害をはじめとした自然現象などは、目に見える「摂理」だと言えるでしょう。生き物が徐々に衰え最後には死に至ることも、我々が体感できる「摂理」のうちのひとつです。

③は「支配する、治める」という意味で用いられています。「会社の法則と呼べるような状態」であると考えると、意味を理解しやすいでしょう。

「摂理」の類義語

「摂理」には以下のような類義語があります。

  • 配剤(はいざい):ほどよく配合すること
  • 采配(さいはい):指図すること、指揮すること
  • 冥護(みょうご):神仏の加護のこと
  • 神助(しんじょ):天の助けのこと

「配剤」「采配」は「天の配剤」「天の采配」というように使うことで、「摂理」と似た意味を表します。

「冥護」「神助」は神が助けてくれたと思えるような、良い現象が起こることを指す熟語です。「摂理」は自然災害などの悪い面も含めた、良し悪しの区別のない自然界の法則を指す言葉ですが、「冥護」「神助」は「摂理」の中でも良い面に限定した言葉になります。

「摂理」の英語訳

「摂理」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • providence
    (摂理、神の意志、神)
  • dispensation 
    (神の采配、摂理、統治)

「摂理」を英単語で表すと、 providence ,dispensation になります。

聖書における「摂理」の英語訳は providence が用いられています。

また、dispensation は他にも「制度、分配、施し」などの多様な意味を持っています。「摂理」の意味に限定したい時は、 “dispensation of Nature” という表現を使うと「自然の摂理」となるので、より分かりやすくなります。

以下は例文になります。

ここにタイトル
  • The accident happened by divine providence.(その出来事は神の意志によって起こされたものだ。)
  • We saw a great dispensation of Nature.(我々は自然の偉大な摂理を目の当たりにした。)

まとめ

以上、この記事では「摂理」について解説しました。

読み方摂理(せつり)
意味世界のあらゆるものを支配する法則、代理になること
類義語配剤、采配、冥護など
英語訳providence、dispensation

使い方の難しい言葉ですが、意味をしっかり覚えて活用してみてください。