「洗礼」の意味とは?使い方から英語や類義語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「洗礼(せんれい)」です。

言葉の意味・使い方・語源・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「洗礼」をざっくり言うと……

読み方洗礼(せんれい)
意味その後に大きな影響を及ぼす経験
語源『新約聖書』
類義語浸礼、入信、体験など
英語訳baptism(洗礼)など

「洗礼」の意味をスッキリ理解!

洗礼(せんれい):その後に大きな影響を及ぼす経験

「洗礼」の意味を詳しく

「洗礼」は本来、キリスト教徒になるために教会が行う儀式のことです。しかし、日本語では、宗教的な文脈だけでなく日常生活でも使われます。

日常生活で使われる「洗礼」は、「その後に大きな影響を及ぼす経験」を意味します。そういった経験として、「ある集団や分野の一員となるために避けて通れないもの」を指すことが多いです。

「洗礼」の使い方

  1. 我が家の子供は皆、同じ牧師に洗礼を施されている。
  2. 学生時代に野球部のエースだった彼でも、入団すればさすがにプロの洗礼を受けるだろう。
  3. 時の洗礼を受けた本というのは、何か人を惹き付けるものがある。

①の例文では、「洗礼」を本来の宗教的な意味で用いているものです。②は、「ある集団の一員となるために避けて通れないもの」という意味で「洗礼」が使われていますね。

③の「時の洗礼を受ける」というのは、「洗礼」の慣用的な表現でもあります。「時代や価値観の変化を経る」という意味で、さらにそれを乗り越えたというニュアンスで用いられます。

「洗礼」の語源

日本語としての「洗礼」という言葉は、『新約聖書』における浄化儀式を翻訳した際に用いられはじめたと言われています。「洗」という漢字には「清める」という意味があり、「礼」という漢字は「人間の行う儀式」を指しています。

宗教の儀式としての「洗礼」は、ユダヤ教の教団入信の儀式がキリスト教に受け継がれたものだと言われています。儀式では、入信を希望する者が頭部や体を水に浸し、罪を洗い清めます。

ただ、「洗礼」の方法や解釈はそれぞれの教派によって異なります。しかし、「洗礼」によって全ての罪が赦(ゆる)され、キリスト教信者と成りうるという解釈は共通しています。

「洗礼」の類義語

洗礼には以下のような類義語があります。

  • 浸礼(しんれい):バプテスト教会における洗礼の呼び名
  • 受洗(じゅせん):キリスト教の洗礼を受けること
  • 出家(しゅっけ):仏教において、僧になること
  • 落飾(らくしょく):髪を剃って仏教の道を進むこと
  • 剃髪(ていはつ):髪を剃って仏教の道を進むこと
  • 入信(にゅうしん):ある宗教の信仰の道に入ること
  • 体験(たいけん):身をもって経験すること
  • 経験(けいけん):実際にやってみること

「浸礼」と「受洗」は、「洗礼」と同じくキリスト教の言葉です。「出家」「落飾」「剃髪」は、「洗礼」と同じく宗教の道を進み始めることを意味しますが、仏教の言葉です。「入信」は、宗教を問わず同じ意味で使えます。

「体験」や「経験」は、「その後に大きな影響を及ぼす経験」という意味での「洗礼」に対応する類義語です。

「洗礼」の英語訳

洗礼を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • baptism
    (洗礼)
  • receive baptism of ~
    (〜の洗礼を受ける)

経験としての「洗礼」を使う際は、“receive baptism of” という形で「〜の洗礼を受ける」という意味を示すことができます。“receive” の代わりに “undergo” を使うことも可能です。ただ、”undergo” の方が形式ばった表現であるということを覚えておきましょう。

まとめ

以上、この記事では「洗礼」について解説しました。

読み方洗礼(せんれい)
意味その後に大きな影響を及ぼす経験
語源『新約聖書』
類義語浸礼、入信、体験など
英語訳baptism(洗礼)など

キリスト教の用語が転じて、日常生活でも用いられるようになったのが「洗礼」です。きちんと意味を理解し、正しく使えるようにしましょう。