「精査」と「調査」の違いとは?意味から使い方までわかりやすく解説

違いのギモン

どちらも「調べる」という意味の「精査」と「調査」ですが、実際はその意味やニュアンスは微妙に異なります。

この記事では、「精査」と「調査」の意味をくわしく例を挙げながら解説します。

結論:「精査」は詳しく調べること、「調査」は実態を明きらかにすること。

「精査」は内容が正しいかどうかをより詳しく細部まで調べることを意味し、「調査」は物事の実態や動向などを明確にするために調べることを意味します。

「精査」をもっと詳しく


「精査」は、じっくりと検討しつつ、詳しく調べることを表す言葉で、ビジネスシーンでよく耳にする言葉です。また、完成したものが正しいものかどうかを、細かい点までしっかりと目を配りつつ確認することも意味します。

なお、間違いがあれば、正しいものを調べて「ここが間違っている箇所でした、こちらが正しい内容のものです」と報告するところまでが「精査」の内容となります。

自分が「よく調べる」という場合にも、相手に「よく調べてください」と頼む際にも使用することができます。

また、目上の相手に対して使う時には、尊敬を表す接頭語である「ご」を付けて「ご精査」とします。

「精査」の使い方の例

それでは、「精査」についてくわしい例を挙げながら説明します。

  1. お問い合わせいただいた件につきましては、精査した上で検討し回答させていただきます。
  2. 精査した結果、先日ご提案していただいた内容に関しましては、見送らさせていただくことになりました。
  3. この書類の内容は、精査することが必要です。
①の例では、問い合わせしてもらった内容について、詳しく細部にまで調べた上で検討して回答する旨を表しています。

②の例では、細かい点までしっかりと確認した結果、先日提案してもらった内容は採用しないという結論に達したことを伝える旨を表しています。

③の例では、この書類の内容が正しいものであるかどうかを詳しく調べる必要があることを表しています。

「調査」をもっと詳しく


「調査」は、ただ単に物事を明らかにするために「調べる」ことと、その内容を意味する言葉です。

また、ある物事の実態や事実関係など、未知である事柄を調べて判明させることを意味する言葉でもあります。ある事柄の実態や動向がわかっていない状態で、それを調べて明確にすることも意味します。

「調査」は、数値として表れるようなものを対象としていることが多いです。個々の対象に関する記録は観察と言われるのに対して、複数の対象の観察や記録を総合し、統計学的に扱う過程があるものを「調査」と呼ぶ傾向があります。

「調査」の使い方の例

それでは、「調査」について具体的に例を挙げて説明します。

  1. メールで送付していただいた内容に関しましては、調査した上で回答いたします。
  2. 今回の選挙結果は、出口調査でほぼ明らかになるだろう。
  3. 調査結果に基づいて、報告書を提出するよう要望された。
①の例では、メールで送付してもらった内容に関して、詳しく調べた後で回答する旨を伝える内容になっています。

②の例では、今回の選挙の結果が、投票所の出口で行われている調査で明らかになると予想している内容になっています。

③の例では、内容の事実関係を詳しく調べた結果に基づいて、報告書を作成して提出することを求められていることを表しています。

まとめ

以上、この記事では、「精査」と「調査」の違いについて解説しました。

  • 「精査」:正しいものかどうか、詳しく調べることを意味する言葉。
  • 「調査」:物事の実態や事実関係などを調べて明確にすることを意味する言葉。

どちらも「調べる」という意味の「精査」と「調査」でしたが、その意味は微妙に異なりました。

使い方を迷った場合は、「精査」が正しいものであるかどうかを詳しく調べることであり、「調査」が未知である事柄を調べて明確にするという意味であることを思い出すといいでしょう。