「星火燎原」の意味とは?読み方は?使い方から英語や類語まで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「星火燎原(せいかりょうげん)」です。字面からは綺麗な印象を受けますが、実はイメージとはまったく異なる意味を持っている言葉です。

言葉の意味・使い方・由来・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

「星火燎原」の意味をスッキリ理解!

星火燎原(せいかりょうげん):最初は小さい力のものでも、放っておくと成長して強大になり手に負えなくなること

「星火燎原」の意味を詳しく


「星火燎原」とは、最初は小さい力のものでも、放っておくと成長して強大になり手に負えなくなることです。

「星火」とは、星の光のように小さな火や小さなもののことです。「燎原」は、広野を焼き尽くすこと表しています。「燎」は、絶え間なく燃えること・燃え広がることを表す漢字です。

つまり、星の光のように小さな火でも、燃え広がれば広野を焼き尽くすという意味なのです。

もともとは、反乱や一揆が次第に大きくなり、ついに防げなくなることをたとえた言葉として使われていました。

 

本来の意味は「勢力が手に負えなくなること」という意味ですが、「広まる勢いが凄まじいこと」という意味でも用いられる場面が増えています。現代語でいう「バズる」と近い感覚です。

たとえば、近頃タピオカドリンクのショップがものすごい勢いで増えていますよね。主要駅には複数のショップが出店していることも当たり前の光景になりました。このような状態を、「タピオカブームが星火燎原のごとく広まった」と言うことができます。

「星火燎原」の使い方

「星火燎原」は、以下のように使われます。

  1. 始まりはどんなに小さな会社でも、星火燎原のライバルとなりうるから油断ならない。
  2. 日常の小さな「まあいいや」が星火燎原の火種となる。
  3. 一人の社員が声を上げたことで、星火燎原のごとく次々に内部告発がなされた。
①の「星火燎原」は、小さな会社が徐々に台頭してくるという意味で使われています。

②の文章は、日常の小さな油断や怠惰が、そのうち大きな損失を生み出しかねないという意味です。

③は、もともとの「反乱や一揆が大きくなり防げなくなること」という意味に近いシチュエーションですね。誰かひとりの発言が、世の中を巻き込んだ大きな事態を引き起こすこともあるかもしれません。

「星火燎原」の由来

「星火燎原」は、『後漢書(ごかんじょ)』という中国の歴史書に由来しています。

「星火燎原」の類義語

「星火燎原」には以下のような類義語があります。

  • 燎原之火(りょうげんのひ):勢いが盛んで止めることが難しく、もの凄い速さで広がっていくこと

「燎原之火」は、広野を焼き尽くす火のことです。野原に火がつけばあっという間に燃え広がり、火を消すことはほぼ不可能だということから生まれた四字熟語です。

「星火燎原」の英語訳

「星火燎原」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • wildfire
    (野火)

wildfireは、広がることや勢いがあることを表す際にも使われます。

“spread like wildfire” (野火のように広がる)という慣用句もあります。

“Tapioca drinks sell like wildfire.” (タピオカドリンクが飛ぶように売れている。)などと使うことができます。

まとめ

以上、この記事では「星火燎原」について解説しました。

読み方星火燎原(せいかりょうげん)
意味最初は小さい力のものでも、放っておくと成長して強大になり手に負えなくなること
由来後漢書
類義語燎原之火
英語訳wildfire(野火)

どんなことでも、5年後にどうなっているかは分かりません。ちっぽけだと思っていたことが、世の中に大きな影響を与えるようになっているかもしれません。マイノリティやマイナーだと思われていたことが、世の中のマジョリティやメジャーに置き換わっているかもしれません。

自分自身のことも同じです。初めの一歩はどんなに小さくても、続けていれば今では想像もできないような成果を生み出している可能性があります。

 

「星火燎原」の意味と使い方を覚え、正しく使えるようにしましょう。

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香菜
「読者を不快にさせない記事」をモットーに執筆・編集しています。有名美容ライターの元でアシスタントを経験し、その後出版社に就職。現在は著名人への取材やエンタメ記事の執筆も行っています。