「精確」と「正確」、どちらを使えばよいか迷った経験は誰にでもあることでしょう。そのとき、明確な考えを持って選択することはできましたか?
どちらも「正しい」「確か」という意味ですが、細かなニュアンスの違いがあります。
この二つの言葉の違いを明確に理解して、正しく使い分けられるようにしましょう。
この記事では、「精確」と「正確」の違いをわかりやすく解説します。
結論:「精確」は細かな部分まで狂いなく正しいこと、「正確」は間違いがなく正しいこと
「精確」をもっと詳しく
「精確」は「細かな部分まで間違い・狂いがなくて正しいこと」を指します。
「精確」と表現すると、「細かい部分」についての言及となります。たとえば、時計の構造を評価するときに、その細かさ、ち密さを「精確」と言い表します。
また、評価にグラデーションがあるときは「精確」の使用が適切です。言い換えると、合っているか間違っているかの二択ではなく、どの程度合っているかを問題としているときです。
たとえば、射撃の腕の上手さを説明するときは、「精確」を使います。
「精確」を「正確」と言い換えても間違えではありません。しかし、上記のニュアンスは失われます。
「精確」の使い方の例
実際にどのように「精確」が使われるのか、例を挙げて説明します。
- 流鏑馬(やぶさめ)は乗馬しながら的を射るため、精確に的の真ん中に当てることは困難である。
- パソコンを分解したことはあるかい? 精確な部品が詰まっていてワクワクするよ。
- 特に脳の外科手術では、医師のメス捌(さば)きの精確さが求められる。
②は「精確な部品」で「細かな部分まで間違い・狂いがない部品」を表します。「細かい」というニュアンスを表現しています。
③は「精確さ」で「細かな部分狂いがなくて正しいこと」を指します。メス捌きは評価にグラデーションがあるため、「精確」を用いています。
「正確」をもっと詳しく
「正確」は「正しく確かなこと。事実と合っていて少しもまちがいのないこと」を指します。
合っているか、間違っているかの二択で表せるものごとに対して使います。つまり、正しさの基準が明確な場合、確実に正解が存在する場合に用います。
「正確」の使い方の例
実際にどのように「正確」が使われるのか、例を挙げて説明します。
- 日本の鉄道は正確な時間に到着することで有名だ。
- 彼は突然振られた質問にもかかわらず、正確に回答したため周りを驚かせた。
- 医者はそのときどきで正確な判断を素早く下さなければならない。
②の「正確」は「事実と合っていて少しもまちがいのないこと」を指しています。明確な正解が用意されている場合に「正確」を使用できます。
③は「事実と合っていて少しもまちがいのないこと」を表しています。判断は合っているか間違っているかの二択であるため、「正確」を使用します。
まとめ
以上、この記事では、「精確」と「正確」の違いについて解説しました。
- 精確:細かな部分まで間違い・狂いがなくて正しいこと
- 正確:正しく確かなこと。事実と合っていて少しもまちがいのないこと