心理学用語「正常性バイアス」とは?意味と具体例を解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、心理学用語の「正常性バイアス(せいじょうせいばいあす)」です。言葉として発する回数は少ないかもしれませんが、私たちの日常の中で頻繁に絡んでくる概念です。

以下では、「正常性バイアス」の意味・具体例・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

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「正常性バイアス」の意味をスッキリ理解!

正常性バイアス(せいじょうせいばいあす):予期しない事態が起こった時に、その状況を正常だと思い込み軽く見てしまうこと

「正常性バイアス」の意味を詳しく

正常性バイアスとは、主に危険な状況などに陥った時にその状況を正常であると思いこんでしまうことです。主に社会心理学・災害心理学で使われます。バイアスとは「偏見」を意味する外来語です。

人間は小さな出来事にいちいち過剰反応してしまわないよう、心を平穏に保つ力を備えています。この力のおかげで、私たちは日常生活で何か問題が起きても冷静に対処することができるのです。したがって、日常の範囲内においてこの判断は合理的であると言えます。

しかし、災害時などにこの力が働いてしまうと「自分は大丈夫だろう」「まだ逃げなくても大丈夫」などと状況を甘く見て、過小評価してしまいます。災害時にこのような判断をしてしまうと、致命的な事態に繋がります。逃げ遅れてしまって命の危機に晒されかねないのです。

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「正常性バイアス」の具体例

正常性バイアスの具体例として最も有名なのが、2003年に韓国の大邱市(テグし)で起きた地下鉄火災です。車内に煙が立ち込めているにも関わらず、座席に座ったまま逃げようとしない多くの乗客の姿が撮影されました。

また、「被害は大したことがないので、その場に留まるように。」という車内放送が流れ、それが正常性バイアスに拍車をかけたとも言われています。結果として198名もの死者が出てしまい、正常性バイアスの恐ろしさは世界中に知られることになりました。

 

国内の例ですと、東日本大震災の津波による被害が深刻でした。実際に地震直後に避難をした人はかなり少なく、津波を実際に目にしてから避難を開始した人が多かったのです。

それまでに起きた地震で大きな津波が来なかった経験や、堤防の存在によって、危機の察知が遅れてしまったことが確認されています。

また西日本豪雨では、避難指示が出た地域で実際に避難した人はたったの0.5%しかいなかったそうです。これを受けて、豪雨災害の深刻度を5段階でわかりやすく表す新制度が運用されるようになりました。

上記の例以外にも、あらゆる災害において正常性バイアスは問題になっています。

「正常性バイアス」の類義語

正常性バイアスは、「正常化の偏見」「恒常性バイアス」と言われることもあります。

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「正常性バイアス」の英語訳

正常性バイアスを英語に訳すと、次のような表現になります。

  • Normalcy bias
    (正常性バイアス)

上記の英語訳を用いた例文は以下の通りです。

例文
The normalcy bias means that we are apt to regard the dangerous situation as not so serious from an experience of having few difficulties in the similar situation.
(正常性バイアスとは、たとえ危険な状況であっても、過去に似た状況でさほど痛い目に遭わなかった経験から、何とかなると思ってしまう傾向が我々にはあるということを言ったものだ。)

まとめ

以上、この記事では「正常性バイアス」について解説しました。

読み方正常性バイアス(せいじょうせいばいあす)
意味予期しない事態が起こった時に、その状況を正常だと思い込み軽く見てしまうこと
類義語正常化の偏見、恒常性のバイアス
英語訳Normalcy bias

地震大国である日本では、常に避難の備えをしておく必要があります。いつ災害が起きても、客観的に正しい判断をして命を守る行動をとれるようにしたいですね。

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