「聖人君子」の意味とは?使い方から類語や英語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「聖人君子(せいじんくんし)」です。

言葉の意味・使い方・由来・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

「聖人君子」の意味をスッキリ理解!

聖人君子(せいじんくんし):優れた人格を備え、知識や教養にも長けている人のこと

「聖人君子」の意味を詳しく

聖人君子は、人格だけではなく、高い学識や高貴さをも兼ね備えた理想的な人物のことを表す四字熟語です。

 

聖人とは、最高の人格や政治的指導者としての品性を兼ね備えた人物のことです。また、君子とは、学識や人格の優れている人物を指します。

聖人や君子という存在は、どちらも儒教の教えを起源に持ちます。儒教では、皆が聖人や君子を目指すことを奨励します。これは、人徳や優れた学識を持った人間が世の中を治めることで、良い社会を築くことができるという考え方によるものです。

 

聖人と君子はどちらも非常に近い意味に見えますが、違いがあります。あまりに理想的すぎるという理由から、実際に聖人になることは難しいとも言われています。一方、教養や人情、信念などを身に付けさえすれば、誰でも君子を目指すことができるとされているのです。

「聖人君子」の使い方

  1. どのような場面においても怒りを鎮め(しずめ)られるほど、聖人君子になることはできない。
  2. 聖人君子のような彼は、学内でも一目置かれている存在だ。

「聖人君子」の由来

儒教を唱えた孔子は、人間の理想的な姿を聖人や君子だとしました。

儒教において、この聖人や君子という存在には、それぞれいくつか持ち合わせなくてはならない能力があります。この能力のことを合わせて「五常(ごじょう)」と呼びます。それぞれ意味を見てみましょう。

  • :人を思いやる心のこと。
  • :約束を守り誠実であること
  • :利益やお金に惑わされないこと
  • :上下関係をしっかり守ること
  • :知識を豊富に持ち合わせていること。人間としての道理を持っていること

聖人や君子になるには、これらの全てを普通の人以上に持ち合わせている必要があります。たとえこれらのどれか1つが非常に優れていても、どれか1つが普通の劣っていれば、その人は聖人や君子とは呼ばれることはありません。

また、先ほど説明したように、孔子はこのような聖人や君子が政治的指導者として国を治めることで、より良い社会を築くことができるという考えを持っていました。この考えのことを「徳治主義(とくちしゅぎ)」といいます。

「聖人君子」の類義語

聖人君子には以下のような類義語があります。

  • 聖人賢者(せいじんけんじゃ):知恵や人徳が非常に優れている人のこと
  • 雲中白鶴(うんちゅうはっかく):普通よりもはるかに高潔な人物のこと

雲中白鶴は、本来は白い雲の中を白い鶴が飛んでいく美しい様子を表す言葉です。この意味が派生して、高潔な人物のことを指すようになりました。

「聖人君子」の英語訳

聖人君子を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • the saint
    (聖人のような人)
  • whiter than white
    (聖人のような)

“saint” という名詞は、キリスト教で聖人を意味する場合に使われることが多いです。しかし、宗教に関係なく、非常に高潔で優れた人物のことを示すこともあります。

また、 “whiter than white” という表現は、直訳すると「白よりも白い」という意味になります。これは、「純白な」「何の汚れもない」という意味です。ここから派生して、「聖人君子のような」という意味合いで用いられることがあります。

まとめ

以上、この記事では「聖人君子」について解説しました。

読み方聖人君子(せいじんくんし)
意味優れた人格を備え、知識や教養にも長けている人のこと
由来儒教において理想的とされる「聖人」や「君子」の人間像
類義語聖人賢者、雲中白鶴など
英語訳saint(聖人のような人),whiter than white(聖人のような)

聖人君子は、まさに今の時代に求められたリーダー像を指す言葉なのではないでしょうか。

元々は中国の昔の言葉ですが、いつの時代も優れた指導者の姿勢というのは変わらないことがわかります。