「成長」と「生長」の違いとは?文部科学省による表記規則も解説

違いのギモン

「成長」と「生長」はどちらも「せいちょう」と読む言葉で意味も似ていますが、あなたはこの2つの違いを説明できますか?

この記事では「成長」と「生長」の違いと、どちらを使うべきなのかについてわかりやすく説明していきます。

結論:「成長」は動物や物事が大きくなること、「生長」は植物が育つこと。

「成長」は生き物が育って大きくなることや、物事の規模が大きくなっていくことを意味しています。

一方、「生長」は植物が生い育つことのみを意味しています。

「成長」をもっと詳しく


「成長」といえば「子供が成長する」や「子犬が成長して成犬になる」など人や動植物が育って大人になるという意味が一番にあります。

しかし、「成長」は生き物以外にも使うことができます。

例えば「高度成長期」と言い経済などの発展を表したり、「成長株」と言って物事の規模が大きくなることを意味することもあります。

 

「成長」には基本的に構造の発達と大きさの増大の2つの要素があり、これらが同時に進行していきます。

しかし、「精神面の成長」など、目に見えて大きさが変わること以外にも使うことができます

また、生き物の「成長」については姿や形を変えながら大きくなっていくことや、成体になることという意味を持っています。

「生長」をもっと詳しく


「生長」の本来の意味には、草木が生え育つこと、人や動物が生まれ育つことという意味がありますが、一般的には「草木の生長」のように植物に限定して使われる表現です。

厳密にいうと「生長」は「成長」と比べて、あまり形や構造が変わらずに大きくなっていくという意味があります。

 

しかし、「成長」とあまり意味が変わらず紛らわしいことから、昭和31年に文部科学省の『学術用語集』で植物の生長なども全て「成長」の表記に統一されました。

これにより、現代は理科の教科書やテレビの表記でも「生長」が使われることはなくなりました。

現在で「生長」を使うのは「生長の家」など固有名詞に限定されています。

まとめ

以上、この記事では、「成長」と「生長」の違いについて解説しました。

  • 成長:人、動植物、物事が大きく育っていくことを表す言葉。
  • 生長:植物が生え育っていくことを表す言葉だが現在ではあまり使われない。
「成長」と「生長」には微妙に違いがありますが、固有名詞で「生長」を使いたい場合やどうしても植物のことを表したい場合以外は全て「成長」を使った方が無難です。