今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「シームレス」です。
「シームレス」の意味、分野ごとの意味、使い方、語源についてわかりやすく解説します。
「シームレス」の意味をスッキリ理解!
「シームレス」の意味を詳しく
「シームレス」とは、縫い目や継ぎ目がないこと・途切れずなめらかであることを表す形容詞です。
本来の意味は「継ぎ目がないこと」「縫い目がないこと」でした。布で言えば、縫い目がなく全体が1枚の布で構成されている状態を指します。
ここから派生したのが「途切れていない」「なめらかである」という意味です。縫い目・継ぎ目がないということは、その布や素材が途中で途切れておらず、全体がスムーズにつながっていることを意味するからです。
分野ごとの「シームレス」の意味
現在において「シームレス」は、布や物理的な素材に限らず、以下のようなさまざま場面で使われています。
- IT業界
- 交通業界
- 建築業界
IT業界における「シームレス」の意味
IT業界において「シームレス」は、複数のシステムやソフトウェアを使う際に、利用者がそれらの違いを感じずに一体的に使えることを意味します。
状況や行う作業の種類によって、使用するシステムやサービス、ソフトウェアが異なる場合があるでしょう。この場面で、利用者が操作方法の違いや、システムの切り替えを意識しなくても済むのが「シームレス」です。
具体的には、スマートフォンでWi-Fi接続と携帯データ通信サービスの切り替えが自動的に行われることなどがこれに当たります。
私たちは、Wi-Fi接続が切れてしまったときに、わざわざデータ通信サービスに切り替える作業を行わなくても済んでいるからです。
交通業界における「シームレス」の意味
交通業界における「シームレス」とは、「異なる交通手段同士の接続をよくしたり、移動時の不便さを解消すること」を意味します。
現在、鉄道会社は複数ありますが、私たちは共通したICカードを使うことができます。鉄道に限らず、バスや路面電車でも使うことができます。
このような「移動を便利にすること」「交通機関同士の接続をよくすること」が交通における「シームレス」です。
建築業界における「シームレス」の意味
建築業界における「シームレス」とは、「基礎を一体化する建築構造」または、「建築物の中と外の境界をあいまいにすること」のことを表します。
家を建てる際に、まず基礎と呼ばれる土台を作ります。コンクリートなどで基礎の底面をつくり、その上に「立ち上がり部分」という40センチほどの柱のようなものを立てます。これが基礎の高さになります。
その上に家を建てるのですが、この基礎の底面と立ち上がり部分の間に隙間があると、シロアリなどの原因になります。そのため、土台と立ち上がり部分につなぎ目を作らず、一体化させるのが「シームレス」です。
また、リビングのすぐ横にウッドデッキなどを作り、大きな出入り口を取り付けることで、家の内部と外部の境界を薄くすること・あいまいにすることも「シームレス」です。
「シームレス」の使い方
「シームレス」には以下のような使い方があります。
- このパンツはシームレスなので非常に履き心地がいい。
- シームレスを意識しないと、利用者のストレスはたまる一方だ。
「シームレス」の語源
「シームレス」の語源は英語の “seamless” です。
英語の “seamless” は、「継ぎ目がない」という意味の形容詞です。
まとめ
以上、この記事では「シームレス」について解説しました。
英語表記 | シームレス(seamless) |
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意味 | 縫い目や継ぎ目がないこと・途切れずなめらかであることを表す形容詞 |
語源 | 「継ぎ目がない」という意味の英単語 “seamless” |
「シームレス」は、もとの意味から派生して、さまざまなことを表すようになった言葉です。各分野における使われ方も覚えておけると、とても便利ですね。