今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「スキーム」です。
「スキーム」の意味や使い方、語源、類義語、「スキーム」のつく言葉、「プラン」との違いについてわかりやすく解説します。
このページの目次
「スキーム」とは?
「スキーム」の意味を詳しく
「スキーム」とは、枠組みを伴った計画、計画を伴う枠組みのことです。
より細かい計画というイメージを持ってください。
実際の行動計画がある程度出来上がっており、すぐに実行できる状態の「計画」です。
ビジネスや経済などのお金が絡む仕組みについて使われることが多い言葉です。
また、政治や行政のシーンで使われることもあります。
この場合、「基本構想」や「基本計画」を指す言葉として用いられます。
また、「計画」とは少し違う「仕組み」という意味も持ちます。
この場合には、前に名詞を付けて「〇〇スキーム」と表現することが多いです。
例えば「評価スキーム」といわれたら「何かを評価する基準や仕組みのこと」、「認証スキーム」ならば「認証する仕組みのこと」をそれぞれ指します。
ビジネスの「スキーム」の簡単な例を挙げます。
- コーヒーショップが、コーヒーや食事、くつろげる空間を提供する。
- 対価としてお金をもらう。
- その利益で材料を仕入れたり、従業員を雇ったりする。
これが「コーヒーショップ」のビジネスの「仕組み」です。
「スキーム」の使い方
- 次のプロジェクトのスキームを急いで完成させなければいけない。
- 部下の持ってきたスキームは荒すぎた。
- 3日後の会議でこのスキームが認められれば次の段階へ進むことができる。
- 明日のプレゼンまでにスキームの内容を修正する必要がある。
- 投資スキームの基本的な指導を受けた。
- 新しい事業スキームを考えよう。
➊から➍では、「計画」に近い意味で「スキーム」が使われています。
➎と➏では、「仕組み」という意味で使われています。
「スキーム」の語源
「スキーム」の語源は英語の “scheme” です。
“scheme” は「計画」「仕組み」「体系」「案」という意味の英単語です。
特に「注意深く練られて組織立った計画」という意味があります。
この部分がそのままカタカナ語の「スキーム」の意味になりました。
ただし、その他にも「悪いたくらみ」「陰謀」などのマイナスイメージの意味もあります。
カタカナ語で使われるときには、こちらの意味は含まれません。
アメリカ英語では、「陰謀」などの意味で使われることが比較的多いようです。
それに対してイギリス英語では、政府などによる公式な事業計画を意味する言葉として使われています。
日本ではイギリス寄りの意味で使われていることがわかります。
英単語として使うときには注意が必要です。
「スキーム」の類義語
「スキーム」には以下のような類義語があります。
- 計画(プラン):物事を実行するための方法や順序
- 戦略(ストラテジー):組織などを運営する際の将来を見通した方策
- 構想:今後行われる物事の内容や規模などを考え骨組みをまとめること
- 体系(システム):個々別々のものを統一した組織・全体のこと
- 仕組み:物事の組み立て
「スキーム」の対義語
「スキーム」には以下のような対義語があります。
- 結果:物事や行為などから生じた現象・状況
- 実行:実際に行うこと
- 偶発:物事が偶然起こること
「スキーム」のつく言葉
「スキーム」のつく言葉は多くあります。今回はその中の一部を紹介します。
スキーム図
事業を進める上で用いられる手順や流れなどをわかりやすく視覚化したものです。
プレゼンテーションの資料などでよく使われる図式です。
スキーム図を用いることで段階や流れを把握しやすくなります。
スキームオブアレンジメント
「スキームオブアレンジメント」とは、イギリス式の株式の購入方法です。
一定の条件を満たしたときに、買収者が対象の会社の全ての株式を買うことができるという友好的な買収手法です。
こっそり買収しようとするのではなく、裁判上の手続きを通した公開買い付けです。
買収される側の承認が必要になるため、友好的買収でのみ使われる方法です。
スキーム論
スキーム論とは、数学用語の一つであり、主に代数幾何学で用いられる言葉です。
スキームという言葉も同様に数学の分野で使われることがあります。
その際は特定条件下で構成される特定の空間のことを意味します。
スキーム構築
スキーム構築とは、文字通り「体系的な行動を伴った計画」を作り上げる(構築する)という意味の言葉です。
主にビジネスの場面で使われる言葉です。
カラースキーム
「カラースキーム」とは、読んで字のごとく「色彩計画」のことです。
「カラープランニング」とも言われます。
建築やインテリア、ウェブデザインなどにおいて目的に合った配色を行うための設計のことです。
色のもつ心理的・生理的・物理的な性質を利用して、まとまりのある雰囲気を作ることや、温かい印象をあたえるなどします。
「プラン」との違い
「スキーム」と非常に似た「プラン」という言葉があります。
実は、「プラン」には「計画」以外にも「考え」や「予定」という意味があります。
そのため、「プラン」は「まだ構想段階である計画」「具体的な実行計画は定まっていない」などのニュアンスが含まれるのです。
それに対して「スキーム」は「具体的な実行内容までを含む計画」です。
このように「スキーム」は「プラン」の方がより具体的な計画です。
まとめ
以上、この記事では「スキーム」について解説しました。
英語表記 | スキーム(scheme) |
---|---|
意味 | 枠組みを伴った計画、計画を伴う枠組み |
語源 | 「計画」「体系」の意味の英語 “scheme” から |
類義語 | 計画、戦略、構想、体系、仕組み |
対義語 | 結果、実行、偶発 |
「スキーム」のつく言葉 | スキーム図、スキーム論、スキームオブアレンジメント、スキーム構築 |
「プラン」との違い | 「プラン」よりもさらに具体的な計画を表す |
「スキーム」はビジネスシーンでよく使われる言葉です。
他の言葉とのニュアンスの違いまで理解することができれば完璧です。
ぜひこの機会に使いこなせるようになりましょう。