サテライトオフィスとは「企業などの本社から離れた場所に建てられているオフィス」という意味です。
新型コロナウイルスで働き方が変わり、サテライトオフィスという単語をよく聞くようになりましたが、一体何のことか疑問に思う人もいるでしょう。
そこで今回はサテライトオフィスの意味や使い方を丁寧にわかりやすく解説します。
☆「サテライトオフィス」をざっくり言うと……
読み方 | サテライトオフィス |
---|---|
意味 | 企業などの本社から離れた場所に建てられているオフィス |
必要な理由 | 働き方の多様性に対応するため 従業員の交通費の削減になる 地方にオフィスを建てると地方創生につながる など |
メリット | 企業のコスト削減につながる 働き手が確保できる 従業員の生産性が向上する など |
デメリット | 本社との連携が上手くいかない場合がある セキュリティ面でのリスクが向上 サテライトオフィスの数だけ情報漏えいのリスクが上がる など |
実例 | 都市型サテライトオフィス 郊外型サテライトオフィス 地方型サテライトオフィス など |
語源 | 英語の“satellite office” |
関連語 | リモートオフィス リモートワーク テレワーク など |
このページの目次
「サテライトオフィス」の意味
企業などの本社から離れた場所に建てられているオフィス
例:サテライトオフィスで今日は働こう。
サテライトオフィスとは、「企業などの本社から離れた場所に建てられているオフィス」です。
また、サテライトオフィスは以下のような構成になっています。
- サテライト:衛星、人工衛星、本体から離れたもの
- オフィス:事務所
大きな星の周りを回っている、小さな星のことを衛星と言います。
地球の周りを回って、衛星放送などを届けてくれるのが人工衛星です。
このことから、サテライトは「本体から離れた場所に存在するもの」を比喩的に表現する意味があります。
そして、オフィスと掛け合わせると、サテライトオフィスは「本来の大きな事務所や本社から離れた場所に位置するオフィス」という意味合いになります。
「サテライトオフィス」の特徴
サテライトオフィスの特徴には以下のようなことがあります。
- ベッドタウンなどに近く出勤しやすい
- 本社と同じように働ける環境が整っている
- 大きくなく小規模
「支社」「支店」「営業所」との違い
似たような言葉に、支社や支店、営業所がありますが、サテライトオフィスとは、以下の点が異なっています。
- サテライトオフィス:従業員の働き方の視点から見た呼び方
- 支社や支店、営業所:事業や事務の視点から見た呼び方
つまり、支社や支店、営業所は経営者側の立場から見たという意味合いが強い呼び方です。
それに対して、サテライトオフィスは主に働く側の従業員に寄り添った意味合いのある呼び方です。
「サテライトオフィス」が必要な理由
企業がサテライトオフィスを必要とする理由は以下の通りです。
- 働き方の多様性に対応するため
育児や介護との両立 - 従業員の交通費の削減になる
企業としても出費の軽減になる - 地方にオフィスを建てると地方創生につながる
社会貢献になる
少子高齢化で働き手が減ったことに加えて、育児をしながら仕事をするなどといった多様な働き方が増えてきました。
これに企業として対応するためにサテライトオフィスが役立ちます。
また、従業員が本社に出社しなくなるので、会社も交通費の支給を削減できます。
そして、地方にオフィスを設置すると、地方創生につながるので、企業の社会的なイメージもよくなります。
「サテライトオフィス」のメリット
サテライトオフィスを設置するメリットとしては以下のようなことがあげられます。
- 企業のコスト削減につながる
社員の交通費やオフィスの費用を削減可能 - 働き手が確保できる
本社勤務が難しい人でも働ける - 従業員の生産性が向上する
通勤によるストレスが軽減できる - 自然災害などの対策になる
地震などの災害時の備えになる
「サテライトオフィス」のデメリット
サテライトオフィスを設置するデメリットとしては以下のようなことがあげられます。
- 本社との連携が上手くいかない場合がある
対面ではないため、スムーズなコミュニケーションが取れない - セキュリティ面でのリスクが向上
サテライトオフィスの数だけ情報漏えいのリスクが上がる - 社員の管理が難しくなる
本社の人事が適切に全従業員を評価できない - 本社との格差が生じる可能性がある
収入の格差や研修の機会の数など隔たりが生まれる
特に、企業で働く場合は社員同士のコミュニケーションが大切なので、結局大事なことは対面で行うため「サテライトオフィスは意味がない」と言われます。
「サテライトオフィス」の実例
サテライトオフィスは以下のような種類に分けられます。
- 都市型サテライトオフィス
都市部に位置し、営業先から本社に戻る時間や経費を減らす - 郊外型サテライトオフィス
郊外に位置し、本社に通勤する従業員の負担を減らす - 地方型サテライトオフィス
地方に位置し、地方移住や地方でのビジネス開始を支援
また、実際にサテライトオフィスを導入している企業には以下のようなものがあります。
- 日立製作所
東京都中央区八重洲に都市型サテライトオフィスを設置 - 富士通株式会社
全国に郊外型サテライトオフィスを設置 - Sansan株式会社
徳島県三好市に地方型サテライトオフィスを設置
どの企業もサテライトオフィスを導入したことによって、従業員と企業の両方が恩恵を受けています。
また、総務省を中心として行政もサテライトオフィスの誘致を行っており、助成金なども存在します。
「サテライトオフィス」の使い方
サテライトオフィスは、ビジネスに関する場面で使います。
また、実際の例文には以下のようなものがあります。
- 新しくサテライトオフィスを設置する。
- サテライトオフィスで勤務している。
- サテライトオフィス勤務なので、本社に行く必要がない。
- サテライトオフィスと本社ですれ違いがあった。
- 都市型サテライトオフィスに寄れば、本社に戻らなくてもいい。
- サテライトオフィスで業務をこなす。
- サテライトオフィスで働き始めて育児がしやすくなった。
- サテライトオフィスで業務の効率は落ちないか心配だ。
- サテライトオフィスで会議に参加する。
- 我が社としては、サテライトオフィスを増やしたい。
「サテライトオフィス」の語源
サテライトオフィスの語源は英語の“satellite office”です。
また、日本でサテライトオフィスが導入されたのは1988年です。
富士ゼロックス(現::富士フイルムビジネスイノベーション)やリクルートなどの大手企業が共同で、埼玉県志木市の東武東上線柳瀬川駅前ビル内に「志木サテライトオフィス」を開設しました。
「サテライトオフィス」の関連語
サテライトオフィスの関連語には、以下のようなものがあります。
- リモートオフィス
本社から離れた場所に位置するオフィス - リモートワーク
遠隔地で働くこと - テレワーク
遠隔地でITを使って柔軟に働くこと - バーチャルオフィス
仮想空間上のオフィス - メタバース
オンラインの3D仮想環境 - モバイルワーク
移動時間などで働くこと - 在宅勤務
家で働くこと - シェアオフィス
共同で使用するオフィス - フレキシブルオフィス
社員やフリーランスなど身分に関係なく利用できるオフィス - コワーキングスペース
集まって自由に働ける場所
本社ではなくサテライトオフィスで働くことは、リモートオフィスを使用したリモートワークのひとつと言えるでしょう。
また、テレワークの定義は遠隔地でIT技術を駆使して柔軟に働くことです。
そして、メタバースとバーチャルオフィスは今後よく登場する単語なので覚えておきましょう。
スマホなどからアバターを使って、メタバースと言われる仮想空間に入り、仮想的に作られたバーチャルオフィスで勤務することが普及します。
「サテライトオフィス」のまとめ
以上、この記事ではサテライトオフィスについて解説しました。
読み方 | サテライトオフィス |
---|---|
意味 | 企業などの本社から離れた場所に建てられているオフィス |
必要な理由 | 働き方の多様性に対応するため 従業員の交通費の削減になる 地方にオフィスを建てると地方創生につながる など |
メリット | 企業のコスト削減につながる 働き手が確保できる 従業員の生産性が向上する など |
デメリット | 本社との連携が上手くいかない場合がある セキュリティ面でのリスクが向上 サテライトオフィスの数だけ情報漏えいのリスクが上がる など |
実例 | 都市型サテライトオフィス 郊外型サテライトオフィス 地方型サテライトオフィス など |
語源 | 英語の“satellite office” |
関連語 | リモートオフィス リモートワーク テレワーク など |
働き方改革も進み、よく耳にするようになったのがサテライトオフィスです。
意味が分かればこれからの働き方についても考えられますね。
ぜひ、この記事を参考にしてみてください。