「早速」「早々」「迅速」の違いとは?意味や使い分けを解説

違いのギモン

ビジネスシーンやメールにおいてよく使われる「早速」「早々」「迅速」といった言葉がありますが、みなさんは正しく使い分けができていますか。

意外と間違った意味で使っていたり、気づかぬうちに失礼な使い方をしてしまっているという人もいるかもしれません。

今回は、「早速」「早々」「迅速」の違いについてわかりやすく解説していきます。

結論:ニュアンスや使える対象がそれぞれ異なる

「早速」と「早々」はどちらも「速やかに、すぐに」という意味ですが、「迅速」はよりスピーディーさが強調された表現です。

また、「早速」と「迅速」はすべての人に対して使えますが、「早々」は目上の人には使えません。

3つとも意味はとても似ていますが、シチュエーションや動作の対象によって使い分ける必要があります。

「早速」をもっと詳しく

「早速」は「速やかなこと、ただちに取りかかること」「すぐに、ただちに」という意味を表します。その場ですぐにアクションを起こす場合に使われることが多いです。

目上や目下といった立場は関係なく、誰に対しても使うことができます。

意味も幅広く使えるので、「すぐに」をかしこまった言葉でどう表すか迷ったときは「早速」を使っておくと間違いありません。

 

また、「早速」は「起こし言葉」としても使われるという特徴があります。

「起こし言葉」とは、本題に入る前や話題を変えたいときの決まり文句のことを言います。

「早速、~についてご説明していきます。」のような形で、話し初めの文頭につけて使われます。

「早速」の使い方の例

「早速」を使った例文をご紹介します。

  1. テレビで紹介されたカフェに早速行ってみる。
  2. 買ったばかりのスマートフォンを早速落としてしまった。
  3. 早速ですが、会議を始めたいと思います。

①ではすぐに行動に取りかかるという意味で使われています。

②のようにネガティブなことに対して使う場合もあります。

③は「起こし言葉」としての用法です。このように、仕切りを入れたいタイミングで使われることが多いです。

「早々」をもっと詳しく

「早々」は「すぐに、急いで、はやばやと」という意味を表します。意味的には「早速」と似ています。

「早々」の最大の特徴は、目上の人に対して使うと失礼に当たる場合があるということです。

すでに完了している行為については目上の人に使っても問題ありませんが、基本的には、自分の動作や、自分と同等もしくは目下の立場の人に対して使う言葉です。

「早々」の使い方の例

「早々」を使った例文をご紹介します。

  1. 早々に仕事を切り上げて帰宅する。
  2. 入学早々、風邪で学校を休んでしまった。
  3. 彼女は電車に乗って早々に寝始めた。

①では自分の行動について、「すぐに、急いで」という意味で使われています。

②のように「~早々」という使い方もよくあります。その時点から間もなく、すぐにという意味になります。

③のように、自分以外の他人の動作について言及するときに使う場合もあります。

「迅速」をもっと詳しく

「迅速」は「ものごとの進み具合が極めて速いこと、そのさま」「ただちに、速やかに」という意味を表します。

「早速」や「早々」に比べて、よりスピーディーさが強調される表現です。「非常に速いスピードで」というニュアンスがあります。

「迅速」は目上や目下、どの立場の人に対しても使えます。

「迅速」の使い方の例

「迅速」を使った例文をご紹介します。

  1. 線路に落とし物をしたが、駅員が迅速な対応をしてくれた。
  2. 課題の提出期限が迫っているので、迅速に取りかからなければならない。
  3. 災害の報道には、正確さと迅速さが求められる。

①では、非常にスピーディーに対応してくれたという意味を表しています。

②では、時間の余裕がなく、ただちに取り組む必要性を表しています。

③では、名詞の形で使われており、「スピード」を表しています。

まとめ

以上、この記事では、「早速」「早々」「迅速」の違いについて解説しました。

  • 早速:速やかなこと、すぐに、ただちに。誰にでも使える。
  • 早々:すぐに、急いで、はやばやと。目上の人には使わないのがベター。
  • 迅速:ものごとの進捗が極めて速い。非常に速いこと。誰にでも使える。
ビジネスのシーンで使われることが多い言葉ですが、正しく理解しておくといざという時に役立ちそうですね。ぜひ覚えておいて下さい。