今回ご紹介する言葉は、敬語の「させていただきます」です。
「させていただきます」の意味・使い方・誤用・言い換え表現・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「させていただきます」をざっくり言うと……
読み方 | させていただきます |
---|---|
意味 | 「させてもらう」の丁寧な表現 |
使い方 | 「相手からの許可」「相手への感謝気持ち」がある場合 |
誤用 | 「二重敬語」など |
言い換え表現 | いたします |
英語訳 | “allow me to” (〜させてください) |
このページの目次
「させていただきます」とは?
「させていただきます」の意味を詳しく
「させていただきます」は、「させてもらう」の謙譲表現です。自分の立場をへりくだって「させてもらう」ことを意味します。
また「させていただく」を「させて頂く」と表記するのは誤りです。「いただく」と「頂く」には以下のような違いがあります。
- いただく:「何かを〜してもらう」という補助動詞
- 頂く:「食べる」「飲む」「もらう」の謙譲語
「補助動詞」とは、本来の動詞としての意味が失われている、もしくはほとんど失っている動詞」のことです。
一方で、本来の意味をそのまま持っている動詞は「本動詞」と言います。
「させていただく」を使用する条件
「させていただく」を使用するには、次の2つの条件を満たす必要があります。
- 相手の許可を受けて行う場合
- 恩恵を受けている事実や気持ちがある場合
2つ目は、「恩恵を受けているという事実や気持ちがあること」です。たとえば、相手から提案を検討する時間もらった場合に、「検討させていただきます」と使用することができます。
「させていただく」の使い方
- 大変恐縮ではございますが、ありがたく頂戴させていただきます。
- 来週の月曜日は、息子の誕生日のため休暇を取らせていただきます。
②は、相手からの許可を受けての「させていただきます」の使用例です。「休暇をとらせていただきます」は頻繁に使用するため、覚えておきましょう。
「させていただきます」の間違った使い方
「させていただきます」には以下のような間違った使い方もあります。
- 相手からの許可を必要としない場合
- 相手からの許可を得ていない場合
- 二重敬語
それぞれの誤用について詳しく見ていきましょう。
誤用①:相手からの許可を必要としない場合
相手からの許可を得るような事柄ではない場合に、「させていただきます」を使うのは誤用です。
例文のように「(自分の)シフトを変更させていただきます」は「シフトを変更いたします」と表現するのが適切です。
誤用②:相手からの許可を得ていない場合
相手からの許可を得ていない場合に、「させていただきます」を使うのは誤用です。
例文のように許可を得たい場合には、「来週の火曜日には休みをいただいくことは可能でしょうか」という言い回しが適切です。
誤用③:二重敬語
例文のように、「お伺いさせていただきます」は一見正しい敬語のように見えますが、これは誤用です。
「させていただきます」の敬語の言い換え表現
「させていただきます」を敬語で言い換えたい場合には、以下のような言葉を使うことができます。
- いたします
言い換え表現の意味について詳しく見ていきましょう。
「いたします」
「いたします」は「する」の謙譲語です。「いたします」「させていただきます」は、「~をする」という意味は共通していますが、「いたします」に許可は必要ありません。
また、「いたします」を「致します」と表記するのは誤用です。「いたします」は補助動詞であり、「致します」は「致す」という本動詞を丁寧に表現したものです。
たとえば、「お願い致します」という誤用がよく見られますが、「お願いいたします」と表記するのが適切です。
- 後ほど添付された資料を確認いたします。
- それでは、館内をご案内いたします。
「させていただきます」の英語訳
「させていただきます」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- allow me to
(〜させてください) - let me
(私に〜させて、〜してあげよう) - I am happy to
(喜んで〜させていただきます)
また、 “I am happy to” は「させていただきます」に対して「喜んで〜する」というニュアンスが含まれた表現です
「させていただきます」のまとめ
以上、この記事では「させていただきます」について解説しました。
読み方 | させていただきます |
---|---|
意味 | 「させてもらう」の丁寧な表現 |
使い方 | 「相手からの許可」「相手への感謝気持ち」がある場合 |
誤用 | 「二重敬語」など |
言い換え表現 | いたします |
英語訳 | “allow me to” (〜させてください) |
「させていただきます」は日常会話だけでなくビジネスシーンでもよく使用する言葉です。「させて頂きます」のような誤った表記が目立つため、意味や使い方をしっかり確認しておきましょう。