「すじこ」と「いくら」の違いとは?味やとびことの区別について解説

違いのギモン

「すじこ(筋子)」と「いくら」には、見た目など5つの違いがあります。

すじこといくらは同じ魚卵で似ているため、区別しないと思っている方もいるかもしれませんが、実は明確な違いがあります。

そこで今回は、すじこといくらの違いについて解説します。

☆「すじこ」「いくら」の違いをざっくり言うと……

すじこいくら
見た目卵巣膜で1本につながった状態すじこをほぐしてバラバラにした状態
漁獲時期9月初旬10月頃
食感柔らかい食感プチプチとした食感
味つけ塩漬け醤油漬け
価格100gあたり約500円100gあたり約900円~1,000円

【結論】「すじこ」と「いくら」の5つの違い

「すじこ」と「いくら」には以下のような5つの違いがあります。

すじこいくら
見た目卵巣膜で1本につながった状態すじこをほぐしてバラバラにした状態
漁獲時期9月初旬10月頃
食感柔らかい食感プチプチとした食感
味つけ塩漬け醤油漬け
価格100gあたり約500円100gあたり約900円~1,000円

これから、それぞれの違いについて詳しく見ていきましょう。

【1】見た目の違い

すじこは卵巣膜で1本につながっています。

いくらは、すじこをほぐしてバラバラにしたものです。

「すじこ」の見た目

すじこは、サケまたはマスの卵です。

卵は未熟な状態で卵巣膜におおわれ、粒同士が筋状につながっています。

「いくら」の見た目

いくらもすじこと同じく、サケまたはマスの卵です。

成熟して粒が大きくなった卵をバラバラにほぐして、味付けをしたものがいくらです。

【2】漁獲時期の違い

すじこには、9月初旬に漁獲した未成熟の卵巣を使います。

いくらには、10月頃に漁獲した成熟した卵巣を使います。

「すじこ」の漁獲時期

サケの産卵時期は9月~11月です。

すじこには、9月初旬のまだ未熟な卵を使用します。

「いくら」の漁獲時期

いくらは、10月頃に漁獲した成熟した卵を使用します。

漁獲時期は食感に影響を与えます。

【3】食感の違い

すじこはまったりした柔らかい食感です。

いくらはプチプチとした食感です。

「すじこ」の食感

すじこの漁獲時期はいくらに比べて早く、その分未熟な卵が使われます。

サケの卵には産卵が近づくにつれて固くなるという性質があるため、すじこは一粒のサイズが小さくて食感が柔らかいという特徴があります。

熟成されたコクや旨味が感じられ、濃厚でねっとりとした舌触りがポイントです。

「いくら」の食感

いくらには産卵間近のサケの卵巣を使うため、卵は成熟しています。

すじこに比べていくらの粒は大きく、弾力があります。

いくらの皮はしっかりしていてくずれにくく、プチプチとした食感を楽しめます。

【4】味付けの違い

すじこは主に塩漬けにされます。

いくらは主に醤油漬けされます。

「すじこ」の味付け

すじこは一般的に塩を使って味付けされます。

塩漬けにされる前のすじこは、「生すじこ」や「腹子(はらこ)」と呼ばれます。

「いくら」の味付け

いくらは一般的に醤油を使って味付けされます。

そのため、すじこに比べると塩分はひかえめに感じられます。

【5】価格の違い

すじこは100gあたり約500円です。

いくらは100gあたり約900円~1,000円です。

「すじこ」の価格

すじこは、いくらと違ってバラすことなくそのまま塩漬けにするため、いくらよりもリーズナブルな価格で手に入れることができます。

「いくら」の価格

いくらは、すじこをほぐしてから醤油漬けにするという点で手間がかかっています。

そのため、いくらはすじこよりも価格が高くなってしまうのです。

補足:「すじこ」と「いくら」の語源

「すじこ」と「いくら」の語源をご紹介します。

すじこ

すじこ(筋子)は、卵巣に入ったままの状態が筋のように見えることが由来です。

味付けしたものを筋子、味付けしていないものを生筋子と区別します。

東北では塩で味付けしたものを筋子、何も味付けしていないものを腹子としています。

いくらの語源

いくらはロシア語で「魚卵」という意味です。

ロシアでは魚卵全般をいくらと呼ぶため、サケ以外の魚の卵もいくらと言います。

補足:「すじこ」から「いくら」を作る方法

いくらよりも価格が安いすじこを、いくらにする方法をご紹介します。

①すじこを選ぶ

以下のポイントに注目して、すじこを選んでみて下さい。

  • 鮮やかなオレンジ色か
  • 色が濃いか
  • 膜が張っているか(処理をしやすくするため)

②ほぐす

すじこのほぐし方には2通りあります。

  1. 40℃の塩水を使う
  2. 焼き網を使う

①の方法は、40℃の塩水にすじこを入れると、卵が膜からはがれる原理を利用しています。

膜が破けたところから指を入れて、内側を外に押し出すようにひっくり返します。

②は、焼き網の下にボウルを用意し、内側の卵のある部分を網に擦りつけるようにこすります。

すると、下にあるボウルに卵がバラバラと落ちます。

③血合いや膜を除去する

膜から外れた卵には、血合いや白っぽい膜が残っています。

そのため、お湯を変えながら卵についている汚れを落とす必要があります。

不要なものを除去した卵をザルにあげ、しっかりと水を切ります。

塩漬けすじこを使う場合

すじこからいくらを作る場合、味付けされていないものを使うのが無難です。

どうしても味付けされたすじこしか手に入らないときは、みりんなどを使用して味を調節しましょう。

④味付け

味付けは以下の3種類です。

  • 醤油漬け
  • 塩漬け
  • 味噌漬け

醤油漬け

酒とみりんを煮てアルコールを飛ばし、醤油を加えて冷ましたものを使用します。

いくらを漬けたら、半日~1日冷蔵庫で寝かせます。

調味液に漬けたままにしてしまうと、味がどんどん濃くなってしまうので注意が必要です。

都度味見をして、好みの味になるまで漬けましょう。

塩漬け

酒、みりん、塩を混ぜた調味液に3時間程度漬けると、塩漬けのいくらが完成します。

すぐに食べたい場合は、昆布出汁に塩を加えたものをいくらにかけて食べましょう。

味噌漬け

保存容器などに味噌を薄く敷き、その上に清潔なガーゼを乗せて、いくらを並べます。

さらにガーゼを乗せてから最後に味噌を薄く塗れば、味噌の塩気とコクがしみこんだイクラが完成します。

補足:「とびこ」との違い

「とびこ」とは、トビウオの卵をほぐして塩漬けにしたものです。

「とびこ」は「すじこ」や「いくら」と比べて粒が小さいのが特徴です。

サケの卵1粒の直径が3~6mmであるのに対し、「とびこ」の場合は1mmほどとなります。

また、皮が硬いためプチプチとした食感を楽しめます。

「すじこ」と「いくら」の違いのまとめ

以上、この記事では、「すじこ」と「いくら」の5つの違いについて解説しました。

すじこいくら
見た目卵巣膜で1本につながった状態すじこをほぐしてバラバラにした状態
漁獲時期9月初旬10月頃
食感柔らかい食感プチプチとした食感
味つけ塩漬け醤油漬け
価格100gあたり約500円100gあたり約900円~1,000円

「すじこ」と「いくら」の違いを、いろいろな方向から見て理解しましょう。

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