違いを表す言葉として、「差異」と「相違」があります。皆さんは、この2つの言葉の違いをご存知ですか?また、英語では「違い」をどのように表現するかご存知でしょうか。
そこで今回は、「差異」と「相違」について、対義語、類義語を紹介して、それぞれの違いを詳しく解説します。
結論:2つを比べる「差異」と、複数のものの差を比べる「相違」
一方で、「相違」は、「複数のものを比べたときの、基準との差」を表しています。
「差異」をもっと詳しく
「差異」は、「他の物と異なる部分」のことや「2つの物の間にある違い」を意味します。2つの物や事柄の違いを表している言葉です。
「差異」の対義語と類義語
対義語
- 一致:2つ以上のものが食い違いなく、1つになること。
「差異」の「2つの物の間にある違い」という意味に対応しています。
類義語
- 変異:特に生物において、形や遺伝子などが少しずつ異なっていること。
「少し異なっている」という意味で、「差異」と共通しています。
「差異」の使い方の例
- この扇風機には、品質の差異がある。
- これは偽物のブランドバックだが、ほとんど差異がない。
①は、扇風機同士の違いを比べており、「2つの物の間にある違い」を表す意味で「差異」が使われています。
一方で、②は、本物と偽物のブランドバックを比べて「異なる部分」がないことを表すために「差異」が使われています。
「相違」をもっと詳しく
「相違」は、「複数のものを比べたときの、基準との差」を表しています。まったく別のものが混ざっているときに用いることができます。
「相違」の対義語と類義語
対義語
- 類似:似かようこと。
- 合致:ぴったり合うこと。
「類似」は、複数のものを比べた際に、差がほぼないことを表します。また、「合致」は差がないことを表します。どちらの言葉も、差を表す「相違」と対応しています。
類義語
- 異同:不一致と一致。転じて、相違なること。
異同の意味自体に「相違」が含まれています。
「相違」の使い方の例
- これは、証言と相違する。
- 新しい相違点を発見する。
①は、証言という基準と比べて、違いがあることを表しています。「差異」と違い、動詞形で用いることができます。
また、②で使われている「相違点」は「互いに異なっている点や性質」を意味します。
「相違ない」について
- 「違いない」
- 「支障がない」「無事だ」
「違う」を表す英語
「違う」という意味を表す英語は、”difference”があります。ここまで「差異」と「相違」の違いを紹介してきましたが、英語では、「差異」と「相違」を区別することは少ないです。
“difference”を含む熟語
- “a slight difference”
- “a big difference”
- “to mark something as differen”
①は「少しの差異」を表します。つまり「少しの相違」でもあります。一方で、②は「大きな差異」を表しており、①の対義語です。「大きな相違」を表すこともできます。
③は、「物事に差異をつけること」を表しています。日本語で「物事に相違をつけること」とは言いません。よって、この熟語だけが唯一「差異」と「相違」の違いを含む英語となります。
まとめ
以上、この記事では、「差異」と「相違」の違いについて解説しました。
- 「差異」:「他の物と異なる部分」のことや「ものと物の違い」を意味する。
- 「相違」:「複数のものを比べたときの、基準との差」を表す。