今回ご紹介する言葉は、故事成語の「梁山泊」です。
この言葉は日常生活ではあまり使われいないです。
ただ、小説などでは使われることがあります。
出てきた時に意味がわからないとスラスラと読んでいくことができないですよね。
そこで、「梁山泊」の意味、由来、英訳についてわかりやすく解説します。
☆「梁山泊」をざっくり言うと……
読み方 | 梁山泊(りょうざんぱく) |
---|---|
意味 | 豪傑や野心家が集まる場所のこと |
由来 | 梁山泊という場所に優秀な人ぞろいの反乱軍が集まったことから |
英語訳 | Gathering place of ambitious men |
「梁山泊」の意味をスッキリ理解!
「梁山泊」の意味を詳しく
「梁山泊」とは、豪傑や野心家が集まる場所のことです。
ちなみに、豪傑とは才知や武勇において並外れて優れている人のことです。
そして、梁山泊は中国山東省梁山県にある地名です。
この県の南東部分にある梁山という山のふもとにあるのが梁山泊なのです。
では、この地名がどうして上記のような意味を持つようになったのでしょうか。
その謎を解くために、「梁山泊」の由来について見ていきましょう。
「梁山泊」の由来
梁山泊が有名になったのは、水滸伝(すいこでん)の影響です。
水滸伝で、林冲(りんちゅう)、朱貴(しゅき)、宋江(そうこう)ら108人のアウトローの活動の本拠地として描かれたのが「梁山泊」です。
彼らはこの場所を本拠地として反乱を起こしました。
ちなみに、水滸伝は物語ですが、北宋の末には実際に、「梁山泊」が反乱軍の本拠地になりました。
そして、梁山泊の「泊」は船着き場のことを表しています。
しかし、現在では梁山泊の近くには海も湖もありません。
ただ、11世紀の北宋の時代には黄河(中国で2番目に長い川)の水量が現在とは比較にならないほど豊かでした。
そのため、黄河はたびたび氾濫(はんらん)を繰り返していました。
つまり、梁山泊はもともと、船が出入りする船着き場だったのです。
水滸伝は、北宋の徽宗(きそう)の時代に起こった反乱を題材にした物語です。
水滸伝は創作ですが、実際に起こった反乱から話を膨らませて物語にしています。
そして、汚職や不正などがはびこる世の中で、いろいろな事情で世間からはじきだされた英雄たちが梁山泊に集結し、国を救うべく立ち上がる、という内容になっています。
「梁山泊」の例文
- この旅館にはサミットに参加する各国首脳陣が集結したため、梁山泊のようになっている。
- あの高校は各地から優秀な選手を引き抜いたため、梁山泊のようになっている。
- 人事部の活躍の結果、うちの会社は梁山泊になってしまい、居心地が悪い。
「梁山泊」の英語訳
「梁山泊」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- Gathering place of ambitious men.
(野心家たちが集まる場所)
まとめ
以上、この記事では「梁山泊」について解説しました。
読み方 | 梁山泊(りょうざんぱく) |
---|---|
意味 | 豪傑や野心家が集まる場所のこと |
由来 | 梁山泊という場所に優秀な人ぞろいの反乱軍が集まったことから |
英語訳 | Gathering place of ambitious men |
「梁山泊」は地名が故事成語になった珍しい例です。
ぴったりな状況が見つかった時には積極的に使っていきたいですね。