今回ご紹介する言葉は、ことわざの「両手に花」です。
言葉の意味・使い方・由来・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「両手に花」をざっくり言うと……
意味 | 良いものを2つ同時に得ること |
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由来 | 良いものや女性を「花」にたとえたこと |
類義語 | 梅と桜を両手に持つ、両手に旨いもの |
英語訳 | Two blessings at once(一度に2つの恩恵) |
「両手に花」の意味をスッキリ理解!
「両手に花」の意味を詳しく
「両手に花」は良いものを2つ同時に得るという意味のことわざです。また、1人の男性の両隣に女性がいることも表します。
この場合の「良いもの」とは、自分にとって嬉しいものです。動物や食べ物、人など幅広いものについて「両手に花」を使うことが出来ます。
現在では「1人の男性の両隣に女性がいる」という意味で使われることがほとんどです。また、2人の女性を連れていることで、その男性がお金持ちであることを暗に示す場合もあります。
「両手に花」の使い方
- 今日は2つのイベントの抽選結果が発表される日だ。結果を見てみると、両方とも抽選に当たっていて、両手に花だった。
- 新年会で親戚が集まり、可愛い孫娘2人が祖父と話していた。そのときに、隣に座っていた親戚の人が、祖父のことを「両手に花だ」と言った。
①の例文は「良いものを2つ同時に得る」という意味で「両手に花」を使っています。一方で、②の例文は「1人の男性の両隣に女性がいる」という意味で「両手に花」を使用しています。
「両手に花」の由来
「両手に花」は、良いものや女性を「花」にたとえたことが由来です。
ここでいう花は、桜と梅を指しています。現在、日本人に馴染みのある美しい花といえば、桜を思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、昔は桜だけでなく、梅も美しい花の代表のような位置づけでした。
そのため、桜と梅を両手に持っている様子が、良いものを一度に2つ得た様子や、1人の男性の両隣に女性がいる様子に重ねられました。
梅と桜の人気の移り変わり
昔の日本では桜より梅の方が人気がありました。しかし、現在は梅よりも桜の方が私たちにとって馴染みのある花だといえます。ここでは、梅より桜の方が人気になった理由をご紹介します。
まず、奈良時代では圧倒的に、桜よりも梅の方が好まれました。そのため、貴族が庭園を作る際には、必ずと言っていいほど梅が植えられました。これは、当時は遣唐使を派遣していたためです。様々な文化と共に、唐の梅を鑑賞する文化も日本に入ってきました。
また、桜よりも梅が人気だったことは『万葉集』からも分かります。『万葉集』の中で、桜について読まれた歌は43首です。一方で、梅について読まれた歌は110首もあります。
平安時代になると、遣唐使が廃止されます。遣唐使の廃止とともに、日本独自の文化も成長しました。そこで、桜も徐々に注目されるようになったのです。
平安時代の『古今(こきん)和歌集』では、梅について読まれた歌は18首です。それに対して、桜について読まれた歌は70首もあり、数が逆転しています。
平安時代以降、桜の人気は揺るぎないものになりました。現在では桜は「日本を象徴する花」といわれるほど、私たちにとって身近な花です。
「両手に花」の類義語
「両手に花」には以下のような類義語があります。
- 梅と桜を両手に持つ:「両手に花」と同じ意味
- 両手に旨(うま)いもの:「両手に花」と同じ意味
「両手に花」の英語訳
「両手に花」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- Two blessings at once
(一度に2つの恩恵)
まとめ
以上、この記事では「両手に花」について解説しました。
意味 | 良いものを2つ同時に得ること |
---|---|
由来 | 良いものや女性を「花」にたとえたこと |
類義語 | 梅と桜を両手に持つ、両手に旨いもの |
英語訳 | Two blessings at once(一度に2つの恩恵) |
「両手に花」は、1人の男性が2人の女性を連れているという意味でよく使われます。しかし、自分が欲しかったものを一度に2つ手に入れたときにも、ぜひ使ってみてはいかがでしょうか。