「定規」と「ものさし」の違いとは?2つの線引と使い分けを解説

違いのギモン

みなさんは「定規」を使ったことがありますでしょうか。

そう質問すると、ほとんどの人は「ある」と答えると思います。

特に、小学校や中学校などの場合は、授業で「定規」を使ったりもしますよね。

 

また、小学校などで竹の「ものさし」を使ったことがあるという人も多いと思います。

ところで、「定規」と「ものさし」では何が違うのでしょうか。

なんの違いもないように感じる人も多いと思います。

しかし、これら2つの道具にはきちんと違いがあったんです。

そこで、今回は、「定規」と「ものさし」の違いについて解説していきたいと思います。

結論:目的が違う

まず、「定規」は筆記用具やカッターなどを使って直線や曲線を描いたり、カットしたりする道具です。

一方、「ものさし」はものの長さを図る道具です。

つまり、「定規」が線をひいたりカットしたりするためにあるのに対して、「ものさし」は長さをはかるためにあるのです。

「定規」をもっと詳しく

定規は筆記用具やカッターなどを使って直線や曲線を描いたり、カットしたりする道具です。

「定木」と呼ばれることもありますが、その場合にはものの形を「定」めた「木」という意味になります。つまり、「定規」と同じ意味だと考えて大丈夫です。

そして、定規には必ずしも目盛りがついているわけではありません。そのため、目盛りがついていない定規もあります。

ちなみに、目盛りがついている定規の場合は、端から少し間隔を空けたところから目盛りが始まっていることがほとんどです。

これは、鉛筆を目盛りがゼロの場所にあてがいやすいからです。

 

ただ、このことから定規はモノの長さを正確にはかるのにはあまり向いていません。

例えば、地面からの高さをはかりたい時、定規で長さをはかるのは難しいでしょう。

また、定規の目盛りはあまり正確ではないことも多く、正確な長さをはかるのにはあまり向いていません。

 

このように、モノの長さをはかるのにはあまり向いていない定規ですが、線をひいたり、線にそってカットしたりするのは得意です。

そして、定規として一番有名なのは細長い長方形の直線定規だと思いますが、定規にはこれ以外にもたくさんの種類があり、曲線を描いたり、平行線を描いたりすることもできます。

以下に主な定規の種類をあげます。

  • 三角定規:三角形の定規で、平行線や垂線をひくために使われます
  • 直線定規:一番よく見る定規で、直線をひくために用いられます
  • T定規:T字型の定規で、平行線や垂線をひくために使われます
  • 円定規:円、もしくは長方形の中に円形の穴が開いた形で、円を描くために用いられます。
  • ひらがな文字定規:ひらがなを描くために使われます
  • 雲形定規:雲のような形をした定規で、さまざまな曲線をひくことができます
  • 平行定規:航海士が海図に直線をひくために用いられます

 

ちなみに、定規が誕生したのは意外と最近で、紙が一般に普及してきた時代に誕生したと考えられています。

そして、これ以前には建築用のものさし類できれいな直線を書いていたようです。

 

ちなみに、定規は「ものごとを判断する時の基準」という意味で使われることもあります。

そして、英語では “ruler” と表記します。

「ものさし」をもっと詳しく

ものさしはものの長さを図る道具です。

そして、単位はインチのこともセンチメートルのことも、どちらでもないこともありますが、どちらにしろ必ず端から目盛りがついています。

ちなみに、ものさしの材質は竹やステンレスなどが一般的です。

そして、これらの材質には温度が大きく変化しても伸縮しにくいという特徴があります。

ものさしはモノの長さをはかるための道具ですから、温度変化で長さが変わってしまっては困るのです。

 

このうち、竹製のものさしには軽いという特徴があります。

また、ステンレス製のものさしは竹より重いですが、竹よりも温度変化による伸縮が少ないという特徴があります。

ちなみに、ステンレスはかたい金属なので、カット用として用いられることも多いでしょう。

 

ただ、ものさしは本来、モノの長さをはかるためだけに使われるべきで、ものさしを使って線をひいたり、カットしたりするのはおすすめできません。

なぜなら、ものさしをこのような用途で用いると、徐々に歪みが生まれてきてしまい、正確な長さをはかりにくくなってしまうからです。

 

ちなみに、定規にはさまざまな形状のものがありましたが、ものさしはまっすぐな板状のものが主流です。

そして、折り畳み式のものや途中で直角に折れ曲がっているものもありますが、種類はそこまで豊富ではありません。

そんなものさしの歴史は比較的古めで、7世紀ごろの古墳から最古のものさしが発掘されています。

 

また、「ものさし」には「人やものの価値をはかる尺度」という意味もあります。

例えば、「彼はいつも自分のものさしで他人をはかっている」というように使います。

ちなみに、英語では “scale” と表記します。

英語でも定規とものさしとを使いわけているんですね。

まとめ

以上、この記事では、「定規」と「ものさし」の違いについて解説しました。

  • 定規:筆記用具やカッターなどを使って直線や曲線を描いたり、カットしたりする道具
  • ものさし:ものの長さを図る道具

「定規」と「ものさし」は違う道具だったんですね。友達にこの雑学を自慢してみるのもいいかもしれません。

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和佐 崇史
文章を書くこと、読むことが大好きな大学生です。中学2年生で漢検2級を取得するなど、言葉については詳しい自信があります。Webライターとしてはこれまで累計1,000記事以上を執筆してきました。