ロールシャッハテストとは?異常回答や問題の例も合わせて解説

言葉

ロールシャッハテストは「インクのしみで作られた模様に対する反応から人の性格や精神状態を明らかにするテスト」です。

精神分析の分野で使われる言葉であるため、意味を知らない人も多いでしょう。

この記事では、ロールシャッハテストの意味だけでなく、問題や回答例も紹介していきます。

「ロールシャッハテスト」の意味

ロールシャッハテスト

インクのしみで作られた模様に対する反応から人の性格や精神状態を明らかにするテスト

例:彼にはロールシャッハテストを用いよう。

ロールシャッハテストとは、精神分析という学問の中で用いられるテストです。

以下のようなインクの染みで作られた模様から、「何に見えたか」「どのように感じたか」などと被験者に質問します。


[出典:psychology today]
その回答によって、被験者の性格や精神状態、トラウマの有無などを測ります。

ロールシャッハテストは、病気や障害を的確に診断する検査法ではなく、どちらかと言えば性格診断などに近いものです。

また、模様が「カラスに見えた」という回答が正しく、「クマに見えた」という回答は間違いのように正解不正解があるテストでもありません。

あくまで被験者の「その人らしさ」を測るためのひとつの方法であると理解しておきましょう。

ロールシャッハテストの別名

ロールシャッハテストは、以下のように呼ばれることもあります。

  • ロールシャッハ法
  • ロールシャッハ検査
  • ロールシャッハ検査法

「ロールシャッハテスト」の信頼性

ロールシャッハテストは、発表当初から信頼性を疑う声が多くありました。

主に、以下のような理由でロールシャッハテストは信憑性(しんぴょうせい)が低いと言われています。

  1. 基準がはっきりしていない
  2. 正常と異常の線引きがない
  3. 基礎的なデータの不備や捏造(ねつぞう)疑惑
  4. 科学的根拠ではなく統計がもとになっている

特に➃に関しては、統計がもとになった理論付けにもかかわらず、その統計データが圧倒的に少ないのではないかという指摘があります。

「ロールシャッハテスト」の実施方法


ロールシャッハテストは、以下のような手順で行われます。

  1. 準備段階
  2. 反応段階
  3. 質問段階
  4. 限界吟味段階

それぞれの段階について詳しく解説します。

手順➀:準備段階

準備段階では、その名の通り、被験者がテストを受けられる環境をととのえます。

記録用紙や被験者に見せる10枚の絵などを用意して、被験者にテストの手順や方法を説明します。

「ロールシャッハカード」とは

実験には、ロールシャッハカードというカードが用いられます。

紙の上にインクを落とし、それを2つ折りにして広げて作成されたほぼ左右対称に模様が描かれたカードです。

モノクロのカードと色付きのカードがそれぞれ5枚ずつの10枚1組のセットで、それぞれのカードのサイズは約17cm×24cmです。

ロールシャッハカードは簡単に作成できますが、現在でもロールシャッハによって作成されたものが用いられることが多いです。

手順➁:反応段階

準備が終わったら、被験者にインクの模様を見せて、「これは何に見えますか?」と質問します。

質問に対する被験者の反応を書き留めます。

このときに重要なのは、被験者が言葉で答えた反応だけでなく、目線や考え込むようすなどの非言語的な反応も記録するという点です。

手順➂:質問段階

全ての模様に対する簡単な反応の記録が終わったら、次は質問段階になります。

手順➁で記録した反応をもとに、被験者の回答の理由などを詳しく聞いていきます。

例えば、「この模様のどの部分がカラスに見えましたか?」などの質問を投げかけます。

誘導尋問にならないように注意

この際に、被験者の答えを誘導してしまうような偏った聞き方をしないように注意が必要です。

手順➃:限界吟味段階

手順➂の質問段階で聞ききれなかった部分に関して、さらに詳しく質問する段階です。

自由な質問で、被験者の回答をさらに深堀りしていきます。

「ロールシャッハテスト」の回答例と異常回答


実際に使われる問題例と、一般的な回答を異常回答の例を見ていきましょう。


[出典:ナゾロジー]

「上のロールシャッハカードがなにに見えるか」という質問に対する通常回答と異常回答を見ていきます。

  • 通常回答:飛行機が煙が近づく空の中を飛んでいる
  • 異常回答:車にひき潰された男性

ロールシャッハテストにおける異常回答とは、一般的な回答とはかけ離れた回答のことを表します。

「ロールシャッハテスト」の目的


ロールシャッハテストは、どのような目的で実施され、どんな場面で用いられるのかを解説します。

ロールシャッハテストは、大きく分けると以下の2つの目的で医療機関や専門機関で実施されることが多いです。

  • 心理カウンセリング
  • 職業適性試験や資格試験

心理カウンセリング

ロールシャッハテストは、心理カウンセリングの一環として用いられることが多いです。

原因不明の頭痛や腹痛、不眠や過食などの症状があるときに、真っ先に疑われるのは精神状態が体調不良として現れているのではないかということです。

そのため、患者の情緒や精神面の状態を知るためにロールシャッハテストが使われます。

患者の精神状態や人間性をロールシャッハテストによって明らかにすることで、より適切なカウンセリングや支援を行うことを目的としています。

職業適性試験や資格試験

警察官・教員の採用試験や、航空機・自動車の運転免許試験の際にロールシャッハテストが実施されることがあります。

本人も自覚しない反社会性や衝動性の有無を明らかにするために用いられます。

「ロールシャッハテスト」の提唱者


ロールシャッハテストの提唱者は、スイスの精神科医ヘルマン・ロールシャッハです。

フロイト派の精神科医であったヘルマン・ロールシャッハは、1921年にこのテストを考案し、彼の名前を取ってロールシャッハテストと名付けられました。

 

ロールシャッハテストは、ロールシャッハがスイスの精神病院で勤務医として働いていたときに考案した検査です。

彼が執筆した『精神診断学』の中では、精神病患者や被験者400人についてのロールシャッハテストの成果を発表しています。

以来、ロールシャッハテストは、現在でも精神医学の評価や診断のツールとして使われています。

ロールシャッハテストを評価する声がある一方で、ロールシャッハテストの信憑性を疑う声もあります。

「ロールシャッハテスト」の英語訳


ロールシャッハテストを英語に訳すと、次のような表現になります。

  • rorschach test
    (ロールシャッハテスト)
  • rorschach inkblot test
    (ロールシャッハテスト)

“inkblot” とは、インクで付けられたシミを表す英単語です。

ロールシャッハテストでは、インクで付けた模様を用いるため、 “inkblot” という単語が使われることがあります。

「ロールシャッハテスト」のまとめ

以上、この記事ではロールシャッハテストについて解説しました。

読み方ロールシャッハテスト
意味インクのしみで作られた模様に対する反応から人の性格や精神状態を明らかにするテスト
提唱者スイスの精神科医ヘルマン・ロールシャッハ
英語訳rorschach test(ロールシャッハテスト)
rorschach inkblot test(ロールシャッハテスト)

精神分析という難しい分野の言葉ですが、現代でも使われている検査方法ですので覚えておきましょう。

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LEON
年間100冊読む本の虫。InstagramよりTwitter派。 大学でも、精神分析を学びながら文章の書き方を日々勉強しています。 「言葉」と「心理学用語」の執筆が得意です。