30秒で分かる!「凛」と 「凜」の意味の違いとは?使い分けは?

違いのギモン

女の子の名前の定番の 1 つとして、「凛(りん)」があります。子どもの名前の人気ランキングでは、毎年上位に食い込んでおり、物語の登場人物にも存在します。「凛々(りり)しい」という言葉のせいか、どこかキリッとして、品のあるイメージがしますね。

しかし「凛」と似た「凜」という漢字を名前に使うことも多くあります。違いは漢字の右下が「示」か「禾」か、という微妙なもので、読み方も画数も同じです。こちらも女の子の名前としして人気があります。

しかし「凛」と「凜」は、意味としてどのような違いがあるのでしょうか。今回は、きっとこれから先の人生で出会うであろう、「凛」と「凜」という名前の違いについて解説していきます。

結論:「凛」は新字体。「凜」は旧字体。

どちらも同じ意味の漢字です。

「凛」は、「凜」が変化して出来た漢字です。

「凜」は、元々あった漢字です。

「凛」をもっと詳しく


「凛」は、「凜」から派生して生まれた、比較的新しい漢字です。画数は 15 画で、音読みをすると「リン」と読みます。漢字の右下が「示」であることが、「凜」との違いです。

漢字の中で、古くから用いられている字体のことを旧字体といいます。一方新しく用いられるようになった字体のことを新字体といいます。「凛」は新字体、「凜」は旧字体です。

例えば、「くに」という漢字には、現在使われている「国」と昔使われていた「國」があります。新字体である「凛」は「国」、旧字体である「凜」は「國」に当たります。

 

「凛」には、「寒い様子、心が引き締まる様子、数量が正確であるさま」という意味があります。これは「凜」と共通しており、「凜」の漢字の成り立ちに由来します。

「凛」は、芯の強さ・品性がある・知的であるなどのイメージがあります。名前に込める想いとしては、「自分の考えをしっかり持ち、主張できる人」「賢く的確な行動をとることができる人」といったことがあります。

 

漢字の使用頻度に応じて定めた漢字の規格をJIS漢字水準といいます。JIS第一水準は 2965 字が定められており、通常の文書で使用する漢字が網羅されています。JIS第二水準には、比較的使用頻度が少ない 3390 字が定められています。

「凛」はJIS第 1 水準に定められています。一方「凜」は第 2 水準に定められています。

JIS漢字水準からも分かるように、日常生活における使用頻度は「凛」の方が高いです。そのため、一般的に知名度が高いのは「凛」です。また、パソコンの変換などにおいて、漢字として出てきやすいのは「凛」です。

「凛」が使われる名前の例

  • 杏凛(アンリ)
  • 凛沙(リサ)
  • 美凛(みり)
  • 凛太郎(リンタロウ)

「凜」をもっと詳しく


「凜」は「凛」よりも前からある感じで、「凛」の旧字体に当たります。画数は 15 画であること、音読みをすると「リン」と読むことは、「凛」と共通しています。漢字の右下が「禾」であることが、「凜」との違いです。

「凜」には、「凛」と同様に「寒い様子、心が引き締まる様子、数量が正確であるさま」という意味があります。

 

「凜」の左側は「にすい」といい、「氷」を意味します。一方右側の「禀」は音読みで「ヒン、リン」と読み、「米の倉、食料」の意味があります。米などを入れておいた倉の近くに氷があったことから現在のような「凜」の意味になりました。
「凜」よりも使用頻度が少なく、知名度が低い分、漢字を間違えられる可能性は高いです。また、パソコンの変換でも、候補の中では比較的、後の方に出てきます。

「凜」が使用される言葉

  • 凜凜(りんりん):寒さが厳しいさま。勇ましく、凛々しいさま
  • 凜烈(りんれつ):寒さが厳しいさま。
  • 凜然(りんぜん):寒さが厳しいさま。勇ましいさま。

まとめ

以上、この記事では、「凛」と「凜」の違いについて解説しました。

  • :「凜」が変化した漢字。使用頻度高め。
  • :元々あった漢字。頻度低め。

女の子の名前で人気のある「凛」「凜」ですが、男の子の名前としても使うことができます。「凛くん」や「凜くん」も凛々しい雰囲気がして、良い名前ではないでしょうか。

また、今回は「凛」の名前の例として 4 つだけ挙げてみましたが、名前は漢字の組み合わせ・読み方により無数のパターンがあります。画数や漢字に込められた意味なども踏まえながら、良い名前を選んでみてください。