今回ご紹介する言葉は、熟語の「利器(りき)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「利器」をざっくり言うと……
読み方 | 利器(りき) |
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意味 | 鋭くとがった刃物、便利な道具 |
類義語 | 利剣、発明、機巧 |
対義語 | 鈍器 |
英語訳 | Convenience(便利な道具) |
「利器」の意味をスッキリ理解!
「利器」の意味を詳しく
「利器」とは、「鋭くとがって切れ味のよい刃物」という意味の熟語です。また、「便利な道具」という意味もあります。
「利器」の「利」という字には、「鋭い」「よく切れる」という意味があります。「鋭利」などの熟語でも同様の意味で使用されています。また、「器」には「道具」という意味があります。
この2つの字が組み合わさって「鋭い道具」という意味を生み出しているのです。
「利器」の使い方
- 利器の登場により、人類は大きな進歩を遂げることになった。
- スマートフォンは、まさに文明の利器の代表であると言える。
- 文明の利器にあふれた現代では、昔ながらの手間をかけた伝統工業のよさが失われつつある。
上記の例文のように、「利器」は「文明の利器」という形で使用される場合が非常に多いです。
①の例文のように「利器」だけでも使用できますが、あまり一般的ではありません。この例文では、「利器」である鋭い刃物が発明され、「人類」が文明を拡大させていく様子が暗示されています。
②の例文では、「スマートフォン」を「文明の利器」の代表として挙げています。この他にテレビやクーラー、冷蔵庫といった家電や車なども、多く「文明の利器」と表現されます。
③の例文では、「現代」を象徴するものとして「文明の利器」が使われています。「便利な道具がたくさんある」という様子を挙げ、過去と現在を比較しています。
「利器」の類義語
利器には以下のような類義語があります。
- 利剣:切れ味のよい剣
- 発明:それまでなかったものを考え出して作られた装置
- 機巧:巧みな機械
「利剣」は、「利器」の中でも特に剣のことを指す言葉です。仏教用語として、「煩悩や悪魔など、悪いものを打ち破る智慧(ちえ)」という意味でも使われます。
「発明」には「新しく考え生み出した道具」という意味があり、発明して作ったもの自体を指すこともあります。「利器」は単に便利な道具のことを表しますが、「発明」は「新しく生み出した」というニュアンスが強くなります。また、「発明品」と言い換えることもできます。
「機巧」には「作りの細かいからくり」という意味があります。「利器」が鋭さを強調するのに対し、こちらは精密さや複雑さに重点を置いている言葉です。
「利器」の対義語
利器には以下のような対義語があります。
- 鈍器:切れ味の悪い刃物
「鈍器」とは、「鋭くとがった刃物」と反対の「切れ味の悪い刃物」という意味です。
「鈍器」には他に、棍棒(こんぼう)や金づちのような「刃物のついていない重くて固い道具」という意味もあります。こちらの意味の方が多く使用されますが、「利器」の対義語としてはあくまでも「切れ味の悪い刃物」の意味になります。
また、「鈍器」は「文明の利器」のような「便利な道具」という意味に対応する対義語ではないので注意が必要です。
「利器」の英語訳
利器を英語に訳すと、次のような表現になります。
- Convenience
(便利な道具) - Sharp edged tool
(鋭い刃物)
“Convenience”は、冠詞”a”を付け、”a convenience”という形で「便利な道具」という意味になります。そのままでもニュアンスは伝わりますが、より正確に「文明の利器」と表現したい場合には、”Modern conveniences”とするとわかりやすくなります。
一方、「鋭くとがった刃物」という意味を伝えたい場合には、”a sharp edged tool”などと表現できます。「剣」など、「刃物」が戦いの道具であるときには、”edged tool”の代わりに”weapon”を使うこともできます。
まとめ
以上、この記事では「利器」について解説しました。
読み方 | 利器(りき) |
---|---|
意味 | 鋭くとがった刃物、便利な道具 |
類義語 | 利剣、発明、機巧 |
対義語 | 鈍器 |
英語訳 | Convenience(便利な道具) |
「文明の利器」という言葉を聞いたことがあっても、意外と「利器」のもともとの意味はわからないものです。
「利器」という言葉は単体ではあまり使われませんが、使いこなせると便利かもしれませんね。