「改正」「改訂」「改定」の違いとは?意味から使い分けまで解説

違いのギモン

何かを改めることを指す言葉として「改正」「改訂」「改定」の 3つがありますが、どう使い分けたらよいのかについて困ったことのある方は多いかもしれません。果たして、どのような意味の違いがあるのでしょうか。

今回は「改正」「改訂」「改定」の違いについて解説します。

結論:不備を見直す「改正」、誤りを正す「改訂」、新しくする「改定」

「改正」とは、不備な点を見直して改めることを指します。

「改訂」とは、文章の誤りを正すことを指します。

「改定」とは、それまであった決まりを新しくすることを指します。

「改正」をもっと詳しく


「改正」とは、不適当なところや不備であると思われるところを見直してより良くすることを指します。主に法令などについて使われる言葉です。

「改正」の特徴は、明らかに間違いである部分を直すことを指すのではなく、事後的にそぐわないと感じられた箇所を直すことを指す点です。

例えば、「憲法改正」という言葉は、現状の憲法の不備を指摘してより良くすることを指します。憲法改正を主張する背景には、憲法そのものが間違っていたわけではなく、時代が変わったことで内容がふさわしくないと感じられたという経緯があります。

「改正」の使い方の例

  1. 不平等条約を改正する。
  2. 社則を改正する。
  3. 改正法案が成立した。

「改訂」をもっと詳しく


「改訂」とは、文章や書物の誤りを正すことを指します。「改正」や、後に解説する「改定」とは違い、誤字脱字などのような明らかに間違いであるものを訂正するときに用います。

ただ、「改訂版」という言葉が使われる場合には意味が少し広がります。「改訂版」とは、書物に改定が施されたもののことを指します。この場合、誤植の訂正に留まらず、内容を組み直すことも「改訂」に当たります。

「改訂」の使い方の例

  1. 資料に誤字があったので改訂する。
  2. 初版本の内容を改訂する。
  3. 教科書の改訂版が出たので購入した。

「改定」をもっと詳しく


「改定」とは、それまでにあった決まりを新しくすることを指します。「改正」や「改訂」との違いは、改める対象に不備や間違いがるかどうかは関係なく、以前の物より新しくなるということに重きが置かれている点です。

また、法令文を改める際にも「改定」が用いられます。「改正」が用いられない理由は、法律に間違いがあったというよりは新しく定め直されたというニュアンスを出すためです。

ただ、法令を改めようとする側の人は、不適当な箇所を指摘した上でより良い法令にするというニュアンスを出すために「改正」を用います。「憲法改正」はその 1例ですが、実際に憲法が改められる際には、憲法が新しいものになったというニュアンスを濃くするために「改定」が用いられます。

「改定」の使い方の例

  1. 運賃を改定する。
  2. 報酬体系を改定する。
  3. 就業規則を改定する。

まとめ

以上、この記事では、「改正」「改訂」「改定」の違いについて解説しました。

  • 改正:不備を見直して改めること
  • 改訂:文章の誤りを正すこと
  • 改定:それまでにあった決まりを新しくすること

「改正」「改訂」「改定」はどれも字面が似ていますが、改め方にそれぞれ違いがあります。注意して、きちんと使い分けてくださいね。