「元の木阿弥」の意味とは?使い方から類義語や英語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、ことわざの「元の木阿弥(もとのもくあみ)」です。

言葉の意味、使い方、由来、類義語、英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「元の木阿弥」をざっくり言うと……

読み方元の木阿弥(もとのもくあみ)
意味一旦良い状態になったものが再び悪くなること
由来木阿弥という平民が、筒井順昭という大名の替え玉をしていたエピソード
類義語元の木庵、元の木椀、ぬか喜びなど
英語訳He turn to his old bias again.(元の性向に戻る。)

「元の木阿弥」の意味をスッキリ理解!

元の木阿弥(もとのもくあみ):一旦良い状態になったものが再び悪くなること

「元の木阿弥」の意味を詳しく

「元の木阿弥」は、一旦良い状態になったものが再び悪くなるという意味のことわざです。特に、一度高い地位や裕福な境遇になった者、素行を改めた者が、以前のように悪い状態に戻ることを表します。

「木阿弥」を「黙阿彌」と記載していることがありますが、それは間違いです。

「元の木阿弥」の使い方

  1. せっかくまとめたのに、上司の一声で元の木阿弥になった。
  2. ダイエットして、すぐリバウンドするなんて、まさに元の木阿弥ね。

「元の木阿弥」の由来

有力な説に、戦国時代の大和郡山(やまとこおりやま)城主、筒井順昭という大名にまつわるエピソードがあります。

大和郡山城は、現在の奈良県に位置していた城です。

 

筒井順昭は、筒井家の全盛期を築いたのですが、若くして亡くなっています。

城は、病死を隠すために、顔や声がよく似た「木阿弥」という平民を替え玉にして、筒井順昭の息子が成人するまで隠し通しました。

 

しかし、筒井順昭の息子が成人したと同時に、筒井順昭の病死が公表されたため、木阿弥は平民に戻されます。

長い間替え玉の城主として振舞っていたのに、平民に戻されたこのエピソードが「元の木阿弥」の由来であるとされています。

 

前述に比べると有力ではありませんが、もう一説あります。

これは木食という、木の実などを食べる修行を長年続けていた男性が、その修行を辞めて妻のいる元の生活に戻ったことで、今までの修行が水の泡になってしまったことを由来とする説です。

「元の木阿弥」の類義語

「元の木阿弥」には以下のような類義語があります。

  • 元の木庵:せっかくの苦労や努力が無駄になること
  • 元の木椀(もとのもくわん):朱塗りが落ちて元の木の状態になることのたとえ
  • ぬか喜び:一旦喜んだ後に、実は外れていてがっかりすること

「元の木阿弥」の英語訳

「元の木阿弥」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • He turn to his old bias again.
    (元の性向に戻る。)
  • The wheel has come full circle.
    (一周して振り出しに戻った。)
  • He turn to his old bias again.
    (彼は一回りして元の性向に戻った。)

まとめ

以上、この記事では「元の木阿弥」について解説しました。

読み方元の木阿弥(もとのもくあみ)
意味一旦良い状態になったものが再び悪くなること
由来木阿弥という平民が、筒井順昭という大名の替え玉をしていたエピソード
類義語元の木庵、元の木椀、ぬか喜びなど
英語訳He turn to his old bias again.(元の性向に戻る。)

自分で、元の木阿弥のような状態を作ってしまうこともあれば、周りの環境により元の木阿弥のような状態になってしまうこともありますよね。

せめて自分では、元の木阿弥のような状態を作らないようにしていきたいですね。